ミステリ読書録

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心霊探偵八雲12 魂の深淵」(角川書店)

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長年追いかけて来た八雲シリーズ、ついに完結です。一巻が発売されてから15年

以上も経っているんですね。途中さっぱり続きが出ない期間があって、一体八雲

シリーズはどうなってしまったんだろう、と心配することもありましたが、きちんと

最後まで完走して下さって良かったです。

前作の終わりがあまりにも衝撃的だったので、一体どうなってしまうんだろう、と

戦々恐々としながら読みました。特に、八雲が心配で。そして、心配はその通りに

なってしまった。晴香ちゃんの存在が、どれだけ八雲にとって大事だったのかを

痛感させられました。もちろん、晴香ちゃんは八雲だけじゃなく、後藤さんや

石井刑事や真琴さんや奈緒ちゃんにとっても、春風のように優しく温かい存在

だった訳で。みんなそれぞれに晴香ちゃんを大事に思っているのが伝わって来ました。

でも、自暴自棄になった八雲はひとり暴走。一体どうなっちゃうの!?と最後まで

ドキドキしながらページをめくりました。七瀬美雪金田一君の幼馴染じゃない方

ねw)との最終対決のシーンはほんとにハラハラしたなぁ。今までどれだけ読者を

恐怖のどん底に突き落としてきたかわからない彼女ですが、なぜ彼女があんな

モンスターに育ってしまったのか、その過去が明らかになります。まぁ、確かに

可哀想な身の上ではあるけれど、だとしてもあんな悪魔みたいな所業の数々を

許せる訳はないでしょう。それでも、最後に少しだけ、八雲のおかげで人間の心を

取り戻せたことは良かったです。八雲は散々な目に遭わされましたけどね。

晴香ちゃんのことは、最後のページをめくるまで希望を捨てずに読みました。

自暴自棄になった八雲の前にあの姿で現れた時は、さすがにもうダメかと思い

ましたが・・・。

神永さんを信じて読み続けて良かったです。素直になった八雲が今後どういう

態度になるのか、気になって仕方がありません(笑)。

八雲は、今回のことで自分にとって一番大事なものが何なのかよくわかっただろうし、今後はもう少し他人に素直になれるんじゃないかなぁ。憎まれ口ばかり叩いていた

後藤さんに対してもね。命の恩人だしね。

相変わらず、石井さんは後藤さんに叩かれてばかりで可哀想だったな。現実に

こういう人いたら、完全にパワハラとか暴力とかで訴えられてるんでは・・・。

石井さんはマゾ体質だから問題にならないんだろうけど。何せ、もともと後藤さん

LOVEな人だから、大好きな後藤さんになら何やられてもOK、みたいな(笑)。

あとがきで今後の八雲シリーズについて、嬉しい言及がありました。京極先生に

言われたら、そりゃー、もう書くしかないと思いますよー!その日が少しでも

早く来るよう、祈りたいと思います。