西澤さん最新刊。西澤さんの新作は出るとついつい予約して借りてしまうんだけど、
毎回、読み終えた後の感想が一緒になるんだよね・・・。
そして、今回もやっぱり、アレが入っていて、結果、同じ感想と相成りましたとさ。
曰く付きの事故物件に、職場の元先輩ユウさんと、その姪っ子真歩の三人でルーム
シェアすることになってしまった初音。その部屋は、21年前に殺人事件が起こって
以来、入居者が度々怪現象に遭い、逃げ出されていた。部屋には、当時殺された住民が
使用していた壊れたワープロが残されていて、そのワープロを他の部屋に移しては
いけない、とオーナーから言い渡されていた。ある日、何気なく真歩がそのワープロ
に電源を入れてみると、壊れていた筈の機械が動きだし、なぜか亡くなった被害者
の男性と交信出来てしまう。三人は、被害者の男性との交信を通して、殺人の
真相を突き止めようと目論むのだが――。
今回も、理解出来ない男女間の友情・恋愛事情とお決まりの百合要素が相まって、
面白い筈のミステリ部分をぶち壊しにしていた気がしてならなかった。そもそも、
主人公の初音と元先輩・ユウさんとの関係が、全く理解不能で共感ゼロでした。
まぁ、二人の根底には、当然ながらお互いへの恋情があったのは間違いないの
でしょうけれど。お互いにお互いの男を寝取りあって、いがみあっているのに、
一緒に住もうとする神経が全くわけわかりません。世の中に、こんないびつな同居が
あっていいものなのか。歪んだ愛情怖すぎる。まぁ、そこに理性的な真歩がいて
くれたのはせめてもの救いだとは思いますが。初音は、その真歩の美しさに心酔
しているし。男にも女にも、顔が良ければ即恋愛対象になってしまう、その節操の
なさに辟易しました。なんで西澤さんのキャラクターって、まともな恋愛観持ってる
人がいないんだろう。アブノーマルだらけで、本当にうんざりしてしまう。
それなのに、出ると性懲りもなく読んでしまう、自分がもう理解不能ですよ・・・。
今回こそは!と思って読むんだけどね。毎回、裏切られるっていうね、もう。
終盤のミステリ解明部分は普通に良く出来てるし、伏線もばっちり回収できてるし、
さすがだとは思いましたけどね。そこに至るまで読みすすめるのが苦痛で仕方
なかったよ・・・。よく挫折しなかったな、自分(苦笑)。
というわけで、今回の西澤さんにも惨敗のワタシなのでした。