ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

花王プラザ編「とあるひととき 作家の朝、夕暮れ、午後十一時」(平凡社)

朝、夕暮れ、午後11時という、三つの時間帯をテーマに綴られた、エッセイ

アンソロジー集。14人の豪華作家陣が寄稿されています。

寄稿作家は以下。

「朝」のひととき

三浦しをん/道尾秀介/西加奈子/角田光代/重松清

 

「夕暮れ」のひととき

川上美恵子/森絵都/池澤夏樹/綿矢りさ

 

「午後十一時」のひととき

吉本ばなな/高橋源一郎/村山由香/小川洋子/浅田次郎

 

一編がとても短いので、あっという間に読めちゃいます。ちょっとした息抜きに

読むにはちょうどいい感じかな。

それぞれの作家さんの、テーマになっているその時間帯に対する様々なエピソードや

思いが伺えて、どれも楽しめました。

しをんさんや道尾さん目当てで借りたけれど、それ以外の作家さんも筆力のある

実力派ばかりなので、短いながらも心に沁みるエッセイばかりでしたね。文章力の

ある作家さんは、短いエッセイ書いてもやっぱり上手いなぁ、情景が伝わって来る

なぁと感心しました。

この三つの時間帯だと、私はやっぱり朝が一番好きかなぁ。午後十一時は、最近

眠くて眠くて仕方ない時間になっちゃったし。夕方は夕食の準備とかでばたばた

してて、ゆっくり夕焼け見ることなんてまずないしなぁ。

朝はこれから始まる一日に向けて、気力も体力もたっぷりある時間帯で、何やるに

しても一番効率がいい気がする。休みの日も、お昼までだらだらと寝るとかって、

昔から出来ない性分でして。なんか、勿体ない気がしちゃって。休みだからこそ

ゆっくりお昼まで寝ていたいって気持ちもわかるんですけども。学生時代も、

社会人になってからも、それは変わらないですね。逆に、午前中とにかくやるべき

ことはやって、午後はゆっくりだらだらするタイプ。どっちみち、だらだらする

んじゃん!ってツッコミはおいといて(笑)。

全体的に、お子さんがいらっしゃる作家さんは、子供が出来る前と後では時間の

使い方が全く変わった、というようなことをおっしゃる方が多かったです。

そりゃそうだよね。子供がいたら、朝だらだら寝てるとか無理だろうし。子供

中心に時間が流れて行くものですよね。特に、子供が小さいうちは。お子さんとの

エピソードとかも、どれも微笑ましくて良かったな。

短いエッセイなのに、合間にイラストも入っていて、サイズ感といい、本の作りと

いい、絵本のような作品だなぁと思いました。プレゼントとかにも良さそうだと

思いました。文章上手い作家さんばかりなので、気に入るエッセイがひとつやふたつ

は入っているんじゃないかな。