ミステリ読書録

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河出書房新社編集部/「総特集 森見登美彦: 作家は机上で冒険する!」 (文藝別冊)

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河出書房新社編集部/「総特集 森見登美彦: 作家は机上で冒険する!」 (文藝別冊)

 

太陽の塔』『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』そして最新作『熱帯』――
唯一無二の小説世界を築き上げてきた森見登美彦、初の総特集!
デビュー15年、創作の秘密に迫る永久保存版。

 

キュートなSFあり、怪談ありのバラエティ豊かな短篇3作をはじめ、
著者本人による全小説解説エッセイ、カラーグラビアで見る森見登美彦の仕事場、
5万字にわたるインタビュー、事典、年譜等の資料も大充実、全ファン必読の一冊です
(紹介文抜粋)。


文藝春秋が別冊で出したモリミー総特集のムック本。本当に、一冊まるまるモリミーで、
単行本未収録作品や著者による自著解説、五万字に亘る超ロングインタビュー、
いろんな方からの寄稿エッセイや漫画、特別対談など、とにかく多岐に亘ってモリミーを
堪能出来る、とても贅沢なムック本。これは、ファンなら絶対読んだ方が良いです。
書評家による森見作品の論考の部分だけは、ちょっと小難しいのが多くて、途中から
読むのが面倒になったけど(結局ほとんど頭に入らなかった。アホである^^;)。
それ以外はどこ読んでも楽しめました。正直、この間のモリミーのエッセイよりも
面白かったくらいかも(笑)。
個人的に読めて嬉しかったのは、恩田陸さんとの対談。どっちも大好きな作家なので。
怪談とか幻想系のモリミー作品は、確かに恩田さんのそっち系統の作品と
似ているところがあるかもしれないなーと思います。モリミーが、自分で書いていて
恩田さんっぽい、真似してる!と思ってしまうのも頷けるような。
あと、対談ではもうひとつ、ファンには嬉しいとっておきの対談が入っています。
それは、太陽の塔では飾磨大輝(こっちは全然覚えてなかったけど^^;)、
『美女と竹林』では明石さんのモデルになった、モリミーの京大時代の盟友の方
との対談です。本当にほぼ小説の通りの方らしく、二人の思い出話がとても
面白かった。二人の会話横で聞いてるだけで一日過ごせるかも(笑)。
ライフル部関係のエピソードなんかも、他にいくらでもありそうな感じ。作家森見登美彦
を作った方といっても過言じゃないそうで、いちモリミーファンとして、声を大にして
お礼を言いたいです。
森見さんを作家にして下さってありがとう!と(何様だよ^^;)
寄稿エッセイでは、宮木あや子さんと飴村行さんのが楽しかったな。二人とも、
一見森見作品と繋がらなそうなんですけどね。飴村さんとは、以前対談もして
いましたからお互いにファンなのは知ってましたが。
そういえば、向井理氏からの寄稿が不思議だったなぁ。向井さんって本読む方
なんですねー(←失礼)。あんなにイケメンで森見作品も読んでいるなんて。
私の中での高感度がまたさらに上がったわ(笑)。
まぁ、芸能人でもモリミーのファンって結構多そうですけどね。
森見登美彦をつくった100作』も興味深かった。作家森見登美彦に影響を与えた
作品(小説や漫画や映画等)が100作羅列されているもの。京極さんや綾辻さんや
有栖川さんといったミステリー作品も結構入っていたのが嬉しかったです。100作
選ぶのって難しかっただろうなぁ。私だったら悩み過ぎてハゲそうです(笑)。
他にも挙げたい要素がいっぱいあるんだけど、とりあえず最後に、個人的に一番
ウケた部分を挙げておきます。
それは、一番ラストに収録されている、モリミー年譜の部分。それも、妄想編
バージョンのところ。もう、爆笑でした。一人で読んでたから良かったよ・・・。
MBC(モリミー・バンブー・カンパニー)、是非設立してもらいたいなぁ・・・。
机上の竹林、欲しい~(ガラス瓶の中に竹林を再現したもの)。
はー、お腹よじれるかと。ひー。ほんと、くだらないこと考えさせたらピカ一ね。
単行本未収録の短編も三作収録されています。私は『聖なる自動販売機の冒険』
モリミーらしくて好きだな。ラスト壮大すぎてビビったけど(笑)。
とにかく、最初から最後までモリミーづくし。書店員さんたちのモリミー愛にも
感動したけど、応援フリーペーパーは字が細かすぎて読むのを諦めました・・・
(実物が欲しい)。
とても楽しく読める一冊でした。