ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

青山美智子「いつもの木曜日」(宝島社)

『木曜日にはココアを』に繋がる、前日譚を集めた掌編集。絵本のような体裁で、

本文も3~5ページ程度しかないので、トータルで30分くらいで読めます。

この間読んだ青山さんのもそんな感じでしたけど^^;予約本ラッシュだった

から、さくっと気を抜いて読めるこういうタイプの作品はありがたい。本読んだ

って感じにはならないけど・・・^^;

『木曜日~』に出て来た主人公たちのそれぞれの前日譚ということなので、

あちらの作品と並べて読むのが正解なんでしょうが、もちろん手元にはない訳で。

ああ、そういえばこういうキャラいたな~ってなんとなく思い出しながら読み

ました。各タイトルページの写真には、ミニチュア作家の田中達也さんの作品

が載っていて、それも可愛らしくて癒やされました。合間に挟まれるイラストも

かわいいですし。内容も、凹んでいた心がほんの少し前向きになれるような、

優しさに溢れたメッセージが伝わるものばかりでした。

なぜかシドニー編にあのミクジらしき猫が出現したところにはビックリ。神様(?)

だから、神出鬼没なのかしらん。ミクジは、世界中の人々を幸せにしているんだね。

冒頭に、マーブル・カフェのオーナーのお話も入っております。早朝にこっそり

来ていたりするんですね。ワタルくんはマスターがいた気配に気づいていたり

するんじゃないかなぁと思ったりもするけど、どうなんでしょうね。

こころがほっこり温かくなる一冊でした。