ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

三木笙子「怪盗ロータス綺譚 グランドホテルの黄金消失」(東京創元社)

久しぶりの帝都探偵シリーズ。確か、一作くらい抜けてたようなと思いつつ、新刊が

嬉しかったので予約しちゃったんだけど、調べてみるとこれがシリーズ五作目で、

四作目までちゃんと記事があったので、一応全部読んではいるみたいです。

ただ、登場人物とか内容とか全然覚えてなくて^^;読み始めて、あれ、主役

二人ってこんな名前だったっけ・・・???なんか、キャラも違っているような、

と思いながら読んでました。んで、読み終わって自分の記事読み返してみて、

気づきました。

私が思ってた二人組と本書の主役の二人組、違ってる!!シリーズは一緒なのだけど、

私が思ってた主役の二人は絵師と記者で、こちらの二人は脇役だった!ということで、

これはスピンオフに当たるんですね。読み終わってから気づく私って一体・・・。

でも、四作目に当たる前作も、この二人が主人公だったみたいですね。おさらい

してから読むべきだった。

そういえば、怪盗が出て来る話読んだ覚えもあった・・・。こっちはこっちで

BL入ってて、一部のファンには狂喜乱舞されそうだなぁと思いました(笑)。

三木さん、絶対狙ってるよねぇ?

『怪盗になる』と宣言した蓮に仲間に引き入れられ、検事を辞めてまで一緒に

欧州に渡った省吾。久しぶりに休養を取る名目で日本に帰国した二人だったが、

蓮の元にはやはり次々と厄介事が持ち込まれて来る。隣で見ている省吾は、

危なっかしい蓮の言動に振り回されてばかりだった。すべてにおいて天才的な

才能を持つ蓮と、平凡な自分が一緒にいていいのかどうか、自問する日々だった。

果たして、蓮の真意はどこにあるのだろうか――。

省吾があまりにも自分に自信がなくて、蓮に対して卑屈になっているので、蓮が

ちょっと可哀想になりました。蓮はとにかく省吾と一緒にいたいと思っているのが

丸わかりですからねぇ・・・。なんでそんなに省吾は自信がないんでしょうかね。

省吾だって元東京のエリート検事で、優秀だったはずだと思うんですが。

蓮は怪盗なだけに、変身するのが得意で、作品の最後まで登場しないなぁと思って

たら蓮の変装だったってパターンが結構ありました。20面相みたいです。

蓮による仕掛が大掛かりなので、最後にならないと話が読めない作品もありましたね。

ああ、こういうことだったのかって感じ。四話目の当たり籤の話は、最後の最後で

びっくりな展開が。駄菓子屋の主人が省吾と仲良くなるくだりが好きだったから、

ショックだったなぁ。でも、どこかで二人と再会することがあるのかも。

一話目に出て来た『けい』さんが、最終話で再登場したのも嬉しかった。けいさん

は、今後も二人に絡んで来そうですねぇ。って、次のお話ではまた二人は海外に帰る

のかな?

っていうか、次は本来の主役である礼と高広のお話をお願いしたいです。蓮と

省吾もいいけど、やっぱり本来の主役二人の物語が読みたいなぁ。