シリーズ第三弾。前作でコロナ禍になり、今後日和のひとり旅はどうなってしまう
のかなぁと心配していましたが、案の定、今回もその暗い影の影響は出ています。
ただ、緊急事態宣言は解除されている時期の話で、できる限りの感染対策を取って、
旅する様子が描かれています。こんな世の中ですから、一人だろうが旅行をする
様子だけでも非難されかねない訳で、作者も相当気を使って書かれているのが
伺えました。何でもかんでも批判する人がいる時代ですからね・・・嫌な風潮
だな、と思いますけれどね。
さて、今回日和が訪れたのは、宇都宮(栃木)、和歌山、奥入瀬(青森)、秋田、
沖縄。青森と秋田は同じ旅の中ですが。
一話目の宇都宮は、餃子が食べたくなって、思い立ってひとり日帰り弾丸ツアー。
餃子を食べる為だけに宇都宮に行く行動力には脱帽。まぁ、確かに餃子は美味しい
けども!
日和の健啖ぶりにも舌を巻きました。一日中餃子だけ食べるのも飽きそうですけど、
ひとくちに餃子といってもいろんな種類があるもので、日和は全く飽きた様子が
なかったですね。一皿でいろんなお店の餃子が食べられるセットはいいなぁと
思いました。二つづつくらいならぺろりと食べられちゃいそう。読んでいたら、
めっちゃ餃子食べたくなりましたw(飯テロ~。)。
二話目の和歌山は、日和の辿ったルートがまさに私が言った和歌山旅行とそっくり
で、ああ、懐かしい~と思いながら読みました。そもそも、和歌山に行くきっかけが
双子パンダってところも一緒。まぁ、日和の場合は、観覧抽選に当たったのですが。
このご時世で、せっかく当たったものの、和歌山旅行に出てもいいものなのか
ギリギリまで悩む日和の心中には共感できました。でも、やっぱり最終的には、
双子パンダに会いたい一心で和歌山旅行を決意。動物の赤ちゃん期間は本当に
短いですからね・・・めっちゃわかる~と思いました。アドベンチャーワールド
(双子パンダがいる動物園)内を巡る様子も、そうそう、ペンギン多いよね~!
とか、園内を巡る巡回バス乗った、乗った!とか、共感しまくりでした。和歌山
まで飛行機で行って、レンタカーで巡るってところも全く一緒だったし。海沿い
を走って、三段壁や千畳敷や円月島を眺めたところも同じでした。いいところ
だったなぁ、和歌山。
三話目の青森の主目的は奥入瀬渓流。そもそも、青森に行くことになったのは、
秋田に住んでいる日和の叔母の健康状態が思わしくないらしく、日和が様子を
見に行くことになったことがきっかけ。日和が想いを寄せるひとり旅の達人・
蓮斗にその旨を告げると、どうせなら青森まで足を伸ばしたら、とアドバイス
され、ずっと行ってみたいと思っていた奥入瀬渓流を見てから秋田へ向かう旅程を
組むことになったという流れ。そうそう、車だと意外と二つや三つの県を巡るのも
できちゃったりするんですよねー(日和は大館空港からレンタカー)。私も
岩手行った時、他の県もいろいろ通った覚えあります(秋田も入ってた。多分)。
奥入瀬渓流は行ったことがないので、日和が訪れている様子を読んで、すごく
魅力的な場所だな、と行ってみたくなりました。いつか行きたい!煎餅汁も食べて
みたい~!温泉旅館に泊まって、美味しい料理に舌鼓打ちたい~~~。日和が
羨ましかったです・・・。
四話目の秋田は、先に述べたように叔母さんの家へ。一人暮らしの叔母さんは
大の病院嫌い。身体の調子が悪くても、病院に行くのが嫌いで怖くてずっと避けて
来た。そんな叔母さんを心配して、秋田まで行ってあげる日和は優しいなぁと
思いました。日和に言われて、叔母さんの重い腰が上がったのも良かったです。
うちの母も日和の叔母さんと同じところがあって病院大嫌い人間だから、こういう
人間を病院に行かせるにはどうしたらいいのか、勉強になりました。
五話目の沖縄は、ジンベエザメを観に行きたいから、という理由。私は沖縄本島は
行ったことがないから、ジンベエザメも見たことないんですよね~。確かに生で
観てみたい。五話目では感染が落ち着いていた時期の設定なのか、あまり作中に
コロナの影響が作品に出ていなかったですね。南の島いいなぁ。沖縄料理食べたい。
なんかもう、終始日和の旅が羨ましくて仕方なかったです。読んで、最高に旅行に
行きたい熱が高まってしまった。
でも、今、また東京は感染者の数が爆発していて、都知事からは移動自粛の要請
が出てしまった。
次に旅に出られるのは一体いつになるんだろう・・・ああ、旅に出たい。
日和と蓮斗の距離が着実に縮まっているのも嬉しかったです。蓮斗は、日和の
旅のいい相談相手ですね。蓮斗の方も、日和に頼られてまんざらでもない感じ
ですし。日和の想いが早く届くといいな。