ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

京極夏彦「鵼の碑」(講談社ノベルス)

はい。ということで皆さん。ついに、ついに、ついに!ですよ!!!出ましたーーー

っ!発売から一月半ほど前でしたでしょうか。ブログ友達のKORさんから出る情報

を教えて頂いたのは。ええ、我が目を疑いましたとも。えっ、えっ、まじで!?

まじですか!?嘘じゃないですよね?と。どれだけこの日を待ちわびていたことで

しょう。っていうか、もう、京極さんは出す気ないんじゃないかと疑ってましたよ。

いや、いつか出るとは信じて・・・いた・・・もごもご。前作邪魅の雫の記事を

書いたのは、今はなきヤフーブログを始めた年、2006年の10月でした。

今回の作品を読み終えた後で記事を読み返してみたら、その時の記事の最後の方に、

『次はいつ読めるのかなぁ』と書いていました。まさか、それが17年後になろうと

は・・・(絶句)。ま、まぁいいや。とりあえず出たからね。

発売日当日は、わざわざ電車に乗って国分寺紀伊国屋書店まで行って買いました。

なぜなら、本書専用の紀伊國屋書店特製カバーをつけてもらえるというから。

なくなり次第終了らしいので、開店10時に間に合うように家を出て。って、

どんだけファンなのよ(笑)。そういえば、前作の時も、平塚限定版カバーが

あるって聞いて、どうしても欲しくて、当時たまたま平塚で単身赴任してた兄に

頼み込んで、買ってきてもらったんだったよなー(ありがとう兄)。

でも、今回も私と同じような人がいっぱい来ていました。その時間にレジに

並んでた人、ほとんどが本書を手に持っていました。中には、本を抱えてにこにこ

している女性も・・・うんうん。わかるよ。同じ気持ちだよ!みんな待ってたん

だね(涙)。

え、前置き長い?いや、この出たっていう感動をみなさんと分かち合いたくて・・・

え、もういいですか。そうですか(しょぼん)。

今回は、日光が舞台です。メインキャラ総出演で、楽しい、楽しい。冒頭の、鵼に

纏わる古典文献の引用が長くて、若干出鼻を挫かれた感はありましたが、そこは

ほぼ内容理解できずに読み飛ばし(おい)。そこからはもう、17年ぶりとは

思えないくらい、いつもの京極堂シリーズでした。メインキャラが一人、また一人

と出て来る度に、ド興奮。関くんは相変わらず自虐満載でオドオドしてるし、

京極堂は小難しい蘊蓄で詭弁三昧だし、榎さんは終始躁状態で傍若無人、木場さんは

四角い顔でこうと決めたら猪突猛進。

みんなそれぞれに全然変わってない(そりゃ、作品内ではほとんど月日が経ってない

から当たり前なのだが)。総ページ数830ページほどありますが、全然長いと思わ

なかったです。榎さんのハイテンションが相変わらず過ぎて。関君も木場さんも

けちょんけちょんに貶されてるし(笑)。出て来る度に笑いを提供してくれて

いたなぁ。それぞれのキャラが、それぞれの思惑を抱えて日光に集結していく所

にワクワクしました。全く無関係に思えた関係性に繋がりが見えていく。その過程

の書き方はさすがだと思いました。光る猿に、光る碑。この当時なら、こういう

ことも有り得るのかもしれない、と思わせてしまうところがすごいですね。実際、

この時代から、こういう研究施設はありそうですし。京極堂の出番と活躍が

少なくてちょっと残念に思っていた所で、終盤、あの場面で憑物落としに現れた時、

『キタキタキター!!』快哉を叫んでしまったのは、絶対私だけじゃない筈。

美味しいところを持っていくなぁ、と思いました(笑)。

取り上げたいシーンはたくさんあるのだけれど、それはぜひ各々で読んで頂いて。

いろいろ書きたいこともいっぱいあるのだけれど!

17年のブランクなんて、何のその。とっても楽しかった。ただただ、楽しい

読書だった。まぁ、800ページ近く読んだオチがこれ?というツッコミ所がない

訳でもないけれども、ファンとしては、ただただ、読めたことが幸せ。

そして、驚きは最後の最後に待っています。京極さんのファンなら、この繋がりに

興奮せずにいられないでしょう。17年待ったファンへの、京極さんなりの

サービスかしら?いろんなシリーズが一つに繋がった感がありましたね。

次回作の構想はあるのだろうか。さすがに17年はもう待ちたくないよー・・・。

5年以内にお願いします(懇願)。

そういえば、本当に全くの偶然なのですが、明後日から日光の温泉に行く予定

なんですよ。旅行の予定立てた後に本書を読んだので、運命かと思いました(笑)。

まぁ、全く観光とかはしないで、ただ温泉旅館に泊まって帰って来るだけなんですが。

関口君や京極堂や榎さんがこの地で活躍したことに思いを馳せつつ、楽しんで

来たいと思います。

 

久しぶりの百鬼夜行シリーズでテンションおかしくてすみません^^;

これでも抑えた方なのよ?←えぇーー・・・。

 

 

紀伊国屋のカバーと。 古書肆京極堂の文字がかっこいい!!