ミステリ読書録

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三上延「ビブリア古書堂の事件手帖7~栞子さんと果てない舞台~」/京極夏彦「虚実妖怪百物語 急」

どうもこんばんは。
一言メッセージでも書きましたが、浅田真央選手が引退を発表されて、海より深く
落ち込んでいる私です。
いや、でも、あの引退記者会見の清々しい笑顔を観て、大分ふっきれて来たのですけどね。
もともと小学生の頃に伊藤みどりさんのファンで、フィギュアスケート観るのは大好き
だったのですけど、真央ちゃんが14、5歳の頃からシニアの大会で活躍するようになって
からは、彼女を観る為にフィギュアを観ていたようなものでした(最近は羽生君とか宇野君
とかも目当てになって来てるけど^^;)。
ずっと応援して来たので、競技会での演技が観られなくなると思うと、やっぱり寂しいです。
彼女のトリプルアクセルももう二度と観ることが出来ないのかなぁ・・・さすがに、
アイスショーではチャレンジしないでしょうからね・・・。
でも、新しい道を進み始めた彼女を、これからもずっと応援して行きたいです。
たくさんたくさん、勇気と感動をもらいました。本当に、お疲れ様でした。


読了本は二冊です。


三上延ビブリア古書堂の事件手帖7~栞子さんと果てない舞台~」(メディアワークス文庫
大分待たされましたが、ついに最終巻まで来ましたねー。最終巻のテーマはシェイクスピア
前作読んだのが大分前なんで、話の流れとかかなり忘れちゃってたんですが、
そういえば大輔君、結構な大怪我してたよな~と読んで思い出しました(おい)。
今回出て来たシェイクスピアのファースト・フォリオは、今まで登場した古書とは
桁違いの希少本。取り引き額に目が点になりました・・・。それを巡って、ビブリア
古書堂と栞子さんの母・篠川智恵子が戦います。オークションでのやり取りは、
緊迫感があって読み応えがありました。特に、大輔が例の切り札を出して来た時は
びっくりしましたね~。いや、それアナタのお金じゃないでしょ・・・とツッコミ
たくなりましたけど。上手く行ったからいいものの、失敗してたらどうなって
いたんだろう・・・と背筋が寒くなりました。意外とギャンブラーなんだなぁ、大輔。
大輔の母親がサバサバした性格なので、家族仲がこじれたりしなくて良かったですよ^^;
普通、相談もなしにあんなことしたら、親子の縁切るって言われても仕方ないですよねぇ。
でも、栞子さんの為にそこまで捨て身になれるっていうのは、本気で彼女のことが
好きだからこそ、ですよね。ま、それ以外でも、ちょいちょい二人のイチャイチャシーンが
入っていて、ファンとしてはニヤケが止まりませんでしたけどね(笑)。
特に、大輔が智恵子さんにやり込められて悄気げて帰って来た後の、栞子さんの言動がもう。
キュン死にするかと。栞子さんのブレない大輔への気持ちが嬉しかったです。最後には大輔も
ちゃんと伝えるべきことを伝えましたしね。栞子さんの返事が早すぎて笑えましたけど(笑)。
最後はちょっと上手く行き過ぎな感がなきにしもあらずではありましたが、文香ちゃんの
学費も心配なくなったし、ビブリア古書堂の経営も問題なくなりそうだし、ほっとしました。
智恵子さんが栞子さんを連れて行くのを諦めてなさそうなのが心配といえば、心配のタネでは
ありますけど。でもまぁ、大輔が側についているから大丈夫でしょう。
本編はこれで終わりですが、サイドストーリーの構想がいくつもあるとのこと。
また彼らに会えるのを楽しみにしていたいと思います。


京極夏彦「虚実妖怪百物語 急」(角川書店
三部作の最終話。前作で広げた風呂敷がいったいどうなるのだろう、と思いましたが、
最後はもう、なんでもあり、な感じでした。人間も妖怪も関係なく○○に浸かって
呆けている図は、想像するとシュール極まりない。しかし、馬鹿エネルギーが放出
されると、人間ってこんな風になっちゃうのかしらん。仕事しないでこうやっていられたら、
そりゃ楽だし幸せだろうけど・・・でも、人類みんながこうなってライフラインが停止する
ことを想像すると・・・ただただ、恐怖。
だいたいほとんどの人物が馬鹿ばっかりなので、会話ももう、何が何だかって感じで、
会話文はほとんど頭に入って来なかったです^^;さすがにちょっと読むのキツかったなぁ。
今回面白かったのは、黒さんの上のアレがどんどん変化してって、タコになったりタヌキに
なったりするくだり。それを拝む人たちがいるんだからもう、わけわからん。
あとは、豆腐小僧の登場が嬉しかったです。相変わらず何もしないけど、なんか
和むんだよなー。もみじ豆腐持ってるだけなのに(笑)。愛すべきキャラですね。
驚いたのは、最後に明かされる榎木津平太郎の正体。まさか、ここに来て○○トリックが
出て来るとは・・・!なんとなく締めはミステリっぽくしたかったのかなぁ。っていうか、
平太郎の正体がこれってことは、他の木場とか関口とか出て来たのは、単なる偶然だったって
オチなのかな?^^;それはそれでちょっとショックだったり。ま、どのみち子孫だと
したってそれぞれキャラが違い過ぎるし、偶然でも別にいいんだけどさ。
最後はやっぱり、水木大先生は偉大だった、という一言に尽きますね。この作品、
ただただ、京極さんが水木先生に捧げる為に書いたと言っても過言じゃないと思う。
亡くなる前から連載は始まっていたと思うけれど。
最後の百鬼夜行のシーンなんか、空の上で先生も拍手してるんじゃないかな。