ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

秋川滝美「ひとり旅日和 幸来る!」(角川書店)

シリーズ最新刊。読み始めて冒頭から驚きました。だって、一話目で日和が旅する

場所が能登半島なんだもの。微妙なタイミングで読む羽目になってしまった。

というか、日和が旅する観光名所がことごとく被害が大きかった場所で。のとじま

水族館や輪島の朝市や、最後に通りかかった千枚田も。日和がこんな風に呑気に

旅を楽しんでいた場所は、今はもう見る影もなくなってしまったのだ、と思うと

胸が苦しくて仕方なかったです。のとじま水族館ジンベエザメに感激するシーン

とか。その後のジンベエザメの運命を知っているだけに・・・。作者の秋川さん

ご自身も、自分が執筆した後で、まさかこんな事態になるとは思わなかったでしょう。

きっとショックを受けられているのではないかな・・・。取材もしたでしょうしね。

こんな風に観光出来る日がきっとまた来てほしいと願わずにはいられませんでした。

しかし、なし崩し的に海釣りに挑戦することになってしまった日和の行動には

首を傾げざるを得なかったなぁ。いくらやる気がなかったからといって、断れ

なかったのは自分なのだし、あんな愚痴愚痴言わなくても。やる気がないなら、

きちんと断りなさいよ、と思いましたね。で、挙げ句、一回やっただけで見切りを

つけるなんて。諦め早すぎでしょ。せっかくやったことがないことにチャレンジ

する機会を得たんだから、もう少し楽しみを見つけるところまで粘ってほしかったな。

二話目と三話目は新潟(妙高・村上)。KORさーん(笑)。新潟は、むかーしに

佐渡しか行ったことがないので、知らない場所ばかりでした。お城がいっぱい

あるんですねぇ(日和はお城好き)。あと、食事が美味しそう!もちろんお米も!

米処なだけに、お酒も美味しいとのことで、お酒好きの日和の興奮が伝わって

来ました(私は飲めないので行っても同じ興奮は味わえないでしょうがw)。

村上牛はめっちゃ気になりましたけどね(食べたいっっ)。

最終話は私も行った山口だったので、共感ポイントもたくさん。ただ、秋芳洞

での日和の行動にはまたしても首を傾げてしまった。そんなに暗かったっけ?

まぁ、確かに、洞窟を一人で観に行くのって(しかも女性ひとりで)、ハードル

高いのかもしれないなぁとは思うけど。洞窟フェチ人間としては、怖くて

途中で引き返すという日和の行動が残念でならなかったです。その先にすごい

感動が待っているのに・・・!!あんな素晴らしい洞窟を最後まで観られない

なんて、悲しすぎる、と思って。ただ、その後でリベンジの機会があってよかった

ですけどね。それに、そこに付随して、長らく待たされた(日和にとっても

読者にとっても)幸せの結末もついて来ましたしね。

でも、そこに至る前の、蓮斗のアレに関する日和の反応にはイライラさせられっ

ぱなしでした。え、なんでそういう結論になるの!?てか、日和は自分の気持ち

だって伝えてないじゃん、と呆れました。麗華があれほど日和に対して謝る必要

も全くないと思うし。自分から何も行動してないくせに、相手の態度だけで

判断して、がっかりして自己完結って。行動出来ない気持ち自体は理解出来る

んですよ。勇気が出ない気持ちは。でも、それが出来ないからって、相手を

恨みがましく思うのは違うと思うんですが。日和のこういうところはあんまり

好きになれないなぁと思いましたね。

ただ、紆余曲折ありましたけど、最後は幸せな結末で良かった。まぁ、これから

また大きな障害が待ち受けていますけど、この二人なら大丈夫なんじゃないかな?

心配なのは、日和の内向きな性格が誤った方向に行くことだけど・・・。相手に

頑張ってもらうしかないかな、そこは。

次作の舞台は間違いなく九州になるんでしょうね。九州は行ってないところが

いっぱいあるから、どんな名所や美味しい食べ物が出て来るのか楽しみ。

行ったことのあるところが出て来たら、それはそれで楽しみですしね。