恩田さん新作は、待望の理瀬シリーズ!アンソロジーではちょこちょこお目見え
してましたが、こうして一作にまとまると嬉しいですね~。やっぱり、この不穏で
耽美で不条理な世界観がたまらない。あともう、装丁がヤバいくらい神がかってる
(表現バグっててすみません^^;素晴らしいって意味ですw)。文庫より
大きくて、普通の単行本よりも小ぶりな、ちょっと変形サイズの単行本。スピンオフ
だから、本編とは少し違った形にしたかったのかな~と思いました。表紙も中の
イラストも美しい。手元に置いておきたい!
いやー、堪能しました。二作目までは先述した通り、アンソロジーで既読でした
ので、だいたい内容も覚えていました。
とはいえ!アンソロジーで読んだ時も、読んだの昔すぎて全然登場人物を覚えて
いなくて困ったのですけれど、今回も、さにあらず。なんとなく、名前だけは
記憶にあるのがヨハンと憂理くらい。黎二もうっすらと。あとは、麗子って誰
だっけ?聖って?って感じ。もう、全然記憶にも引っかからなかった^^;
大好きなシリーズなんだけど、雰囲気だけで読んでるところあるからなー(おい)。
理瀬の複雑な生い立ちとか、もう一度最初から読み直さないと駄目ですね。まぁ、
今回はスピンオフ的な作品ばかりで(理瀬も出ては来ますけど)、単独でも十分
楽しめる作品なので、この独特の雰囲気が味わえたから十分満足。一話目の
『水晶の夜、翡翠の朝』なんかは、ミステリとしても素晴らしい出来ですしね。
しかし、理瀬の一族、不要な人間をあっさり殺しすぎて、怖すぎる・・・。親族
同士で殺し合うのが日常って、どうなのよ^^;
でもでも、いいんですっ。これがこのシリーズの醍醐味ですもの。このゴシックな
雰囲気最高。理瀬は相変わらずクールビューティでかっこいいですし。もうちょっと、
理瀬が活躍するお話が読みたかったとは思いますけどもね。
できれば、シリーズの人間関係相関図とか巻末でもいいから入れて欲しいなぁ。
あと、時系列とかも。って、自分で再読しておさらいしろって話ですよね(すみ
ません)。
これから読む人(いるのかなぁ)には、何が何やらって感じでしょうけどね^^;
シリーズファンなら間違いなく楽しめると思います。ヤバい人たちがいっぱい
出て来ます(笑)。
個人的には、恩田作品は文章読んでるだけで満足できちゃう盲目的ファンの為、
どんな作品でも受け入れる用意があるんですが、このシリーズに関してはもはや
偏愛に近いので、客観的に判断出来ないところがなきにしもあらず。耽美とか
ゴシック風の作品が好きな方なら間違いなくハマるシリーズじゃないかな(各
作品のタイトルまでもが美しいのよ!)。
次は理瀬主体の本編をお願いします!