ミステリ読書録

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鯨統一郎/「タイムスリップ水戸黄門」/講談社ノベルス刊

鯨統一郎さんの「タイムスリップ水戸黄門」。

八月。女子高生の麓麗はいつものメンバー五人と新潟県湯沢の温泉に旅行に来ていた。
そんなうららたち一行の前にタイムスリップして来たのはなんと水戸黄門!一行は
成り行きで黄門様と行動を供にすることに。一方、水戸と新潟を結ぶ幹線道路開通を
宣言している国交大臣・水戸光右衛門を、日本中の自動車工場爆破を企む環境保護団体
‘赤い馬’が拉致した。光右衛門の顔がタイムスリップして来た黄門様とそっくり
だったことから、事態はとんでもない方向へ――タイムスリップシリーズ第4弾。


えー、相変わらずくだらなさ爆発の本シリーズ。ただ、今回ちょっとおバカ度が控えめ
だった感じがします。日本の公共事業問題やいじめ問題(というほどでもないけど)など
のやや深刻なテーマも盛り込んだせいかもしれません。私は‘釈迦如来’の時くらい
はじけちゃってる方が好きなんですけどね・・・ちょっと読んでいて物足りなかったかな
(どんな人間なんだ^^;)。
一番ウケたのは探偵の乾天太が出て来たところですね。だって本人の希望する呼び方が
探偵天太ですから・・・こんなところでも回文が!やっぱり鯨さんだなぁと思って
笑ってしまいました(笑)。

ただ、黄門様の現代への順応力を全て睡眠学習で片付けちゃうのはどうかと思いましたが。
いくら睡眠学習してても、有力政治家たちを相手に現代社会の公共事業や環境汚染問題
を力説するのは無理なような・・・そりゃ、江戸時代だって政治の世界はいろいろあった
でしょうけど。
まぁ、このシリーズに関して、そんなまともな小説の常識は通用しないので、今更そんな
こと言ったって無駄なんですけどね^^;
以下、表紙の折り返し部分に書いてあった文言(おそらく作者が最も強調したい点)。


問 この本を楽しむにはどうしたらいいのですか?

ヒント 細かいことは気にしない。



これから読まれる方も、この点に注意すればきっとこのシリーズ楽しめるはず・・・?
ただし、あまりにばかばかしくて本を投げたくなっても責任は持てません(苦笑)。