ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

「恋愛睡眠のすすめ」

イメージ 1

恋愛睡眠のすすめ」/ 監督:ミシェル・ゴンドリー
           出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、シャルロット・ゲーンズブール他

父の死をきっかけに、メキシコから母のいるパリに帰郷したステファン。母が紹介した仕事に
就くが、やりたい仕事とは違い戸惑いを覚える。そんな中、隣人が新たに引っ越してくる。その
引越し作業中に怪我をしたステファンは、その部屋の住人ステファニーに怪我の手当てをして
もらう。次第にステファニーに惹かれてゆくステファンだったが、引っ込み思案な為、なかなか
恋は上手くいかない。そして、ステファンは彼女との理想的な恋を描いた夢を頻繁に見るように
なる。次第に夢と現実の境がわからなくなって行くステファンだったが・・・。夢と現実の間で
ゆれ動く青年の恋心を描いたキュートなロマンチックコメディ。


いやぁ、なんとも可愛らしい映画でした。うん、好きな人は非常に好きな映画ですね。これを
‘可愛らしい’と思えれば、の話。思えない場合はどうなるか、というと「なんともうっとうしい
キモイ男の空想映画」となってしまうのです。だって、はっきりいって彼のやってることは
ストーカーに近い。空想してるだけならよいのだけれど、彼女の留守宅に隣のベランダから侵入
して部屋のものを勝手に持ち出すなんて、彼女が通報してたら犯罪者ですよ^^;しかも一人
で空想(妄想?)して、相手の気持ち無視で自己完結しちゃうんですから。困った青年です。
でもでも、これがガエル君が演じるととってもキュートに思えてしまうから、あら不思議。
そして空想シーンがまた非常に可愛らしい。張りぼてのカメラや車に、セロファンの水、
ぬいぐるみのロバ、綿で出来た雲・・・教育テレビに出てくる人形劇さながら。その
画の中にガエル君がぴたりとはまる。私はかなり好きな世界でしたねぇ。他の方のレビューを
読んでいた時、この作品を「アメリ」と比較してらした方がいたのですが、なる程~と思い
ました。主人公が空想の世界に入っちゃうところは共通してます。あの世界が好きな方は
きっとこの作品も受け入れられるのでは。でも、ダメな人は多分ものすごく退屈な映画
かもしれません・・・。昨日スマステーションの月イチゴロー稲垣吾郎ちゃんがこの映画
を「ビデオ屋さんで流すビデオクリップとしてはいいのでは」と言ってましたが、非常に言い
得て妙、ですね。ストーリーらしいものはほとんどない、と言っても過言じゃないですから。
しかもラスト、「えっ、そこで終わり!?」てな感じでしたし。でもそんなにもやもや感は
なかったです。そういう映画なんだろうなぁと妙に納得してしまった。

ガエル君の作品は「バッド・エデュケーション」以来でしたが、あの時の妖しい美青年の
雰囲気はどこへやら、内気でシャイな可愛らしい青年を演じきってます。こっちも好きだなー。

たまにはこんな意味のない映画でほのぼのするのも良いのではないでしょうか。