ミステリ読書録

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「魍魎の匣」

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魍魎の匣」/ 監督: 原田眞人
       出演: 堤真一 阿部寛 椎名拮平 宮迫博之 田中麗奈 黒木瞳

< あらすじ >
1952年、東京。少女連続殺人事件が世間を騒がしていたある日、元映画女優の柚木陽子が、
探偵・榎木津を訪ねて来る。依頼は、失踪した娘・加菜子の捜索。不思議な眼力で加菜子の
居場所を特定した榎木津は陽子とともに娘の行方を追う。一方で、小説家の関口と記者の敦子
は殺人事件の被害者が通っていたという、怪しげな新興宗教について調べを進めていた。
(あらすじ引用)


うーむ、うーむ・・・。これは原作とは全く別のものとして観るべき作品ですね。前作
「姑獲鳥~」よりも更に原作とは別ものになってました。といっても、原作読んだのが
あんまりにも昔で、細かい部分は覚えていないのでどこがどう違うと具体的には
あげられないのですが・・・(多分ほとんど違う気がするけど)^^:前作は割と原作に
沿って作っているなーと思った覚えがあるんですが。もちろん変わってる部分も多かった
けど。監督が変わるとやっぱり作品もこうも違うものなんだなぁ。

一番違和感あったのは各キャラクター。京極堂もそうだけど、関口君なんかまるで別人。
吃音症や鬱病という設定は完全無視。もっとも、椎名拮平に変わった時点で嫌な予感はして
いたのですが。関君はもっとおどおどしてて、ダメ人間ぽくしてくれないとねぇ・・・
(オイ)。姿勢も良すぎるし。誰!?って感じでした。榎さんももっと躁な雰囲気を出して
ほしかったなぁ(それは前作でも感じたことでしたが)。京極堂の性格もなんか随分
明るくなっちゃってて変な感じがしました。もっと不機嫌で顔色悪いイメージなんだ
けどな。

しかし、ラストのハコ屋敷のシーンにはぶっとびました・・・これってSF映画か!?と
ツッコミたくなりましたよ・・・しかもなんか変なお笑い要素も盛り込まれてるし。
京極さんの作品世界の雰囲気は完全に失われ、何か違う新しい要素を感じました(良いか
悪いかは観て判断して下さい)。

多分原作を読んでないと、相当分かり辛いかなと思います。ただ、一緒に行った友人は
原作まだ読んでないけどだいたいわかったと言っておりましたが(すごい)。

私としてはラストシーンをもうちょっと上手く撮ってほしかったなぁ。この作品の
一番重要なシーンだと思っているので。ちょっと、あっさり流しすぎ。だいたい、
いくらなんでも箱、小さすぎじゃなかろうか・・・。

結構グロいシーンも出て来るので、その手の映像が苦手な人は注意が必要かもしれません。
原作読んでいる方にはだいたいどのシーンか想像できると思いますが。

とにかく、原作ちゃんと再読したくなりました。一緒に行った友人に貸しちゃったのよね^^;
(観に行く前に読んでおきたいというので貸したのに、結局30ページくらいしか
読めなかったと言うのでずっこけましたが(苦笑))。

あの分厚い原作を2時間ちょいでまとめるのはやっぱり無理がありますよねぇ。
っていうか、次の狂骨も映画化されるんだろうか・・・。いろんな意味で心配になってきた^^;