高田崇史さんの「QED 諏訪の神霊」。
GWにタタルと諏訪の御柱祭を見に行くことになった奈々。小松崎や妹の沙織は都合がつかず
初めての二人旅行に胸をときめかせる。現地ではタタルの旧友やかつて二人で遭遇した事件の
関係者の妹たちと合流し、謎めいた諏訪大社の血なまぐさい神事について意見を交し合う。
しかし、一方で諏訪では奇妙な殺人事件が相次いで起こっていた――QEDシリーズ第15弾。
やっと読めました。QEDシリーズ最新刊です。発売してすぐに購入してはいたものの、
図書館本に追われなかなか手が出せず今になってしまいました^^;最近内容がマンネリ化
してきて早く読みたい!という意識がだんだん薄れつつあるというのも正直な所なんですが^^;
今回の舞台は長野オリンピック翌年の諏訪大社。今回初めてタタルさんや奈々ちゃんの年齢が
はっきり判明します。まぁ、「これ位かな」という予想はつけていたので、そんなものかな
という年齢でしたが。このシリーズ、敢えて年代を特定しないようにしているのかと思って
いたので、具体的な年代が出て来てちょっと意外だったのですが。
毎回殺人事件と歴史の謎部分の乖離が問題視されるこのシリーズですが、今回はいつも
よりも関連性があったように思います。ただ、相変わらず殺人事件の方の謎解きは強引さが
目立ちます。殺された人の名前や場所の謎解きはそれなりに楽しめたのですが(名前に関しては
だいたい当たりをつけられましたが)、いかんせん動機が納得できない。そういう意見を見越してか、
タタルさんが動機に関する考察も開帳するのですが、はっきり云って詭弁としか思えなかった
です。それを言ったらなんでもアリになっちゃうよ~~^^;;犯人のラストも、被害者の
一人との関係も、なんだか腑に落ちなくて消化不良の気持が残りました。
諏訪大社の謎の方は歴史オンチの私にはただ感心するばかりだったのですが、その実、半分も
頭に入ってません^^;ちゃんと理解するにはあと三回は読み直なさないとダメだな・・・。
こうして一つ一つ謎を挙げていくのを読むと、伝統行事って不思議がいっぱいあるんだなぁと
気付かされますね。
でも、地元の人だって、こんなにいちいち深く考えないんじゃないのかな。歴史的背景なんか
知らずに参加してる人がほとんどだって気がするんですが。諏訪の人に聞いてみたいです。
私の地元にも結構大きな神社がありますけど、あんまり歴史的背景とか知らないもの。そこで
行われるそこそこ規模の大きいお祭だって、何故行われるかなんて知らないで参加してたし
(私だけじゃないはず^^;)。このシリーズの登場人物はみんな物識りすぎる!!
それにしても、今回もやっぱりタタラ(製鉄)が出てきた。最近の作品では百発百中の確率で
絡んで来てないか?日本の歴史にはよっぽど製鉄産業が欠かせないんですねぇ。
今回は「九段坂の春」で出て来たタタルさんの友人・鴨志田君が再登場したり、「ベイカー街」
に出て来た緑川さん(しかし、こちらは全く記憶から抜けてましたが^^;)の妹が出て来たり
と、過去作品とも少しリンクしています。鴨志田君は今後も活躍しそうな気配。
しかし、代わりに御名形が出て来ないのが残念。奈々ちゃんと絡んできそうだと思っているのに、
意味深に名前が出て来るだけで、ちっともその気配がない。だから、主役二人の仲が一向に進展
しないんだよ・・・。今回も、周りのほとんどの人間が「そうなるように」仕向けているのに、
当の本人たち(特にタタルさん)が気付いていないから、読んでるこっちが歯がゆくて仕方
ない^^;でも、タタルさんは「婚前旅行」とか「結婚式」なんて言葉をちらつかせても、
肯定はもちろんしないけど否定もしないから、案外水面下では進展しているのかなぁという気も
したりして。奈々ちゃんがもし告白したら一体どういう反応示すのやら。全く予想が出来
ないな・・・。
お仲間さんはだんだん息切れしてきた模様ですが(苦笑)、私はしつこく追いかけますよ~!