ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

有川浩/「図書館革命」/メディアワークス刊

有川浩さんの「図書館革命」。

正花三十四年、一月。福井県敦賀原子力発電者が深夜、テロリストによる襲撃を受けた。
この襲撃が作家・当麻蔵人の著作『原発危機』に酷似していた為、メディア良化法委員会は
作家本人の身柄を拘束しようと目論む。メディア良化法に対抗する図書館隊のメンバーたちは、
当麻を保護し、安全対策措置をとるべく立ち向かう。図書館シリーズ堂々の完結編。


図書館シリーズ最終巻です。文句言いつつ、やっぱり気になって最後まで読んでしまいました。
(あちこちから「読むなーーー!!」の声が聞こえてきそうですが・・・)

ええと、感想ですか。うーん、うーん。正直に言いますと、やっぱりイマイチ乗り切れません
でした・・・。そもそも、私は図書館に軍事を持ち込む時点で疑問を感じている不届き者
なので、一作家の著作がテロ事件と似ているからって、国家機関がここまで大掛かりに一人の
一市民を追いかけ回すというのがなんだか腑に落ちなかった。テロを起こした本人って訳でも
ないのに。だいたい、こんな内容の本が良化法の検閲に引っかからないで出版出来ていたのは
何故だ?こんな内容の本は真っ先に『狩られる』対象になりそうに思えるんですが。メディア
良化法の検閲の基準がよくわかりません。

・・・とか、揚げ足を取るようなことを言っちゃぁ、いけないんだろうな。どの書評見ても
絶賛しか見かけないので、非常~~~に肩身が狭いです。でも、引っかかるものは引っかかる
んだもん!!なんか、素直に読み解けない自分が嫌になったりしますが、どうにもこうにも
抵抗ばかりを感じて、相変わらず図書館紛争部分は面白いと思えなかった。ごめんなさい・・・。

でも、今回もラブコメ部分は楽しく読みました。正直、終盤の展開にはがっかりしましたが。
私としては、もうちょっとじらしてくっついて欲しかったなぁ。なんか、あっさりしすぎてねぇ。
もう一盛り上がり欲しかったな。しかもその後のアレは飛びすぎだろ・・・。まぁ、この手の恋愛
ドラマは、あれですよ。最終回の一歩手前が一番面白いってやつ。二人がくっついちゃう後は
尻すぼみな印象になっちゃうのが定石で。相手がどう思っているのかわからないでドギマギする
のが一番端から見ていて面白いんですよね。いや、もちろんハッピーエンド万歳主義なんです
けどね、私も。一番楽しかったのは二人がカミツレ初デートするとこかな。ひーっ、あまぁぁい!!
って思いつつニヤニヤしながら読んでました(笑)。
郁に関してはちょっと言いたいこともいろいろあるんだけど、まぁ、いいでしょう。これだけ
天然に純情だと、堂上はこの先苦労するだろうな・・・と思っていたらあのラストなんで、
ちょっと肩透かしを食らわされた感がありました。その苦労話がスピンアウト作品で読めそう
ですが。結局、この作品の売りはブコメなんですよね。そこが楽しめれば、それでよし。
・・・って、読み方間違ってます?いやいや、みんな、そうだよね!?

結局、スピンアウトのアレも予約しちゃったよ~~(オイ)^^;蔵書が一冊しかないから、
いつ回って来るかわからないけど読んじゃうもんね(問答無用)。