ミステリ読書録

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多田かおる/「イタズラなKiss 1~23巻」/マーガレットコミックス刊

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多田かおるさんの「イタズラなKiss」。

今更ですが一言メッセージでも書いていたように再読しました。まぁ、ざざっとですが。
ご存知の方も多いと思いますが、この作品は未完です。人気絶頂で、これからの展開が
楽しみだという絶好の所で、突然作者の多田さんがお亡くなりになられたからです。
訃報を一番最初に知ったのは多分新聞だったと思う。紙面をめくって、一瞬頭が真っ白に
なりました。字面を追っても、亡くなった多田さんというのが本当にあの多田かおるさん
なのか、何度も何度も確認しました。本当に本当にショックでした。
多田さんは「愛してナイト」の頃から大好きな漫画家さんで、初期作品の頃からずっと
追いかけてきて、この「イタズラなKiss」も1巻からリアルタイムで追いかけていた
作品でした。ドジでおっちょこちょいの明るいヒロイン・琴子が超美形でクールな
同級生の入江君に一目惚れして、冷たくされてもめげずに追いかけるラブ・コメディ。
このシチュエーションが大好きで、新刊が出るのがいつも待ち遠しかった。
とにかく、ヒロインの琴子の雑草魂というか、打たれ強さがすごい。どんなに入江君に
冷たくあしらわれても、入江君への想いが変わることはなく、その情熱たるや凄まじい。
勉強もスポーツも料理も出来ないし、取り立てて取り得もないけど、こと入江君に関する
バイタリティならば誰にも負けません。よくもこんなことを思いつくな、という行動を
次から次へとしまくります。これがもう可笑しくて可笑しくて。こんなに魅力的なヒロイン
はそうはいません。そして、琴子がそれ程入れ込む男・入江君が、これまたこれ以上ない
ってくらいカッコイイ!!美形で勉強が出来る(IQ200という設定^^;)だけでなく、
クールで冷めた性格の裏で見え隠れする優しさがまた素敵。琴子のことを冷たくあしらい
ながらも、実はかなり彼女に惚れていることが見えて来る10巻以降がまた最高に面白い。
また、忘れてならないのが個性的な脇役キャラ。なんといっても入江母の存在。琴子との
関係がとてもいいのです。彼女がこのマンガで担う役割の大きさといったら。毎回いろんな
楽しいことをやらかしてくれて、笑わせてくれて、最強で最高のお母さん。あとは琴子に
ぞっこん惚れ込んでいる金之助、その金之助に惚れているイギリス美女のクリス、琴子の友人、
じんこと里美・・・どのキャラも作品の面白さに花を添えているのです。あ、入江君の弟、
祐樹の存在も忘れちゃいけないですね。

改めて読んでみて、やっぱり多田さんは偉大だなぁと痛感しました。毎回毎回、琴子と入江君
の恋の行方にドキドキニヤニヤしながら、時には笑い、時には泣かせてくれて、どんな巻でも
飽きることがない。こんなに素晴らしいマンガが未完で終わることになったことは、本当に
残念だし、当のご本人もさぞかし無念だったことだろうと思う。終わった回がまた、この上も
なく先の展開が気になるシーンで終わっているだけに尚更。でも、全て終わってしまうよりも、
この先がどうなるのだろうと想像の余地を残していることは考えようによっては幸せなのかも
しれない。この先の展開にいろんな想像をして楽しむことができるから。そうでも思わないと
やりきれないというのもあるのですが・・・。

実は、きちんと通して再読したのって初めてなのです。読むとどうしてもあの訃報のショックを
思い出してしまうから。でも、この間コンビニで特装版みたいなのを見かけて、つい懐かしくて
1巻だけ立ち読みしちゃったらもう続きが気になって気になって。実家に戻って棚から全ての
巻を引っ張り出しました。
読み始めたらもう止まらなくて、先が気になってひたすら読みふけってしまった。
面白かったし、琴子や入江君にまた会えて幸せだったなぁ。23巻を読んだ時はまた
泣きそうになりましたけど・・・。

最近夜中にアニメをやっているらしく、マンガも復刊されているようです。アニメもものすごい
深夜じゃなければ観たいんですけど(2時過ぎとからしい)・・・って、まだやってるのかな??
未読の方には是非読んでみて欲しい。素晴らしい傑作少女マンガの一つだと思います。


マンガ記事にこれほど情熱を注いで書いたのは初めてだな~^^;ちょっと恥ずかしいけど、
それだけこのマンガへの愛情が大きいということで許して下さい^^;