ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

読了本五冊。

どうもみなさま、こんばんは。
いやー、ぼけぼけしてたらあっという間に12月。しかも、今日はもう11日では
ないですか。びっくり、びっくり。月日が経つのは本当に早いものですねぇ。
この間お正月迎えたばっかな気がしてるんですが・・・。
各種ランキング本も発売されたようで。12月入ってから一度も本屋に行けていないので、
全然チェックできず。ただ、ネットでこのミスの順位だけは確認しました。
今年は上位20作中9作読了でした。読了数少ない割に半分くらいは読んでた訳で、
まぁまぁの成績ですかね(ちなみに、上位10作中だと5作読了)。
1位ののりりんに関しては、海外が舞台っぽかったんで、敢えてスルーしちゃったの
ですよねぇ。読んどけば良かったなぁ。のりりん、生首以来の快挙じゃないですか?
今年のランキングは、いまいちぱっとしないランキングに感じたんですが・・・去年は
豊作でしたから、余計にそう思うのかもしれませんけれど。
本格ミステリの方はどんなランキングだったんでしょうかねぇ。早く本屋行って確認
して来なくちゃ~。


と、前置きはこれくらいにして、今回の読了本は5冊。全然更新出来なかったんで、
返しちゃった本が多くて、なんだかすでに記憶がうろ覚え状態なんですが・・・(毎度毎度
すみません(ToT))。


では、一冊づつ簡単に感想をば。


三浦しをんまほろ駅前狂想曲」(文藝春秋
まほろシリーズ第三弾。待ってました!もーう、文句なしに面白かった!!相変わらず、
しをんさんの物語構成の巧さにはシビレますねぇ。涙あり、笑いあり、人情あり、そして
ちょっぴり考えさせられる深い部分もあり、いろんな要素が詰まっているのに、全然とっ散らかった
印象にならない。すべてが最後に一本の線に繋がるかのような、流麗な物語展開が素晴らしいと思う。
個々のキャラクターの良さもそれを後押ししているんですよね。多田も行天も、それ以外の
お馴染みメンバーたちも、それぞれに見せ場があって良かったです。そしてそして、今回
一番光っていたのは、行天の一人娘、はるちゃん。可愛かったなぁ・・・!!萌え萌え~~~。
多田がメロメロになってたのも可笑しいやら微笑ましいやらで、嬉しかったなぁ。行天との
関係がどうなるかひやひやしたけれど、きちんと収まるところに収まってめでたし、めでたし。
行天の過去のトラウマも、多田がいれば大丈夫って思えるね。多田も行天も、本当にそれぞれに
優しいひとだ。きっとだから、一緒にいられるんだろうな。
ラスト直前でまさかの展開にショックを受けたけれど、やっぱり最後は素敵な結末で。笑顔で
読み終えられて大満足でした。しかし、多田と行天の今後の関係も気になりますね。行天ってば、
○○なんて出来るのか―!?このヒキはないよぉ。次巻が気になって仕方ないじゃないかぁ・・・(涙)。


本多孝好「MEMORY」(集英社文庫
こちらもシリーズ第三弾。今回は文庫での新刊。本多さんって、もともと文庫のイメージが
強いから、あまり違和感はないのですが。今回は、スピンオフに近い形。森野と神田以外の
人物の視点から語られるサイドストーリー集。けれども、最終的にはきちんと森野と神田の
物語であったことがわかる構成になっています。とても読ませる、巧い構成だと思いますね。
森野の中学の時の担任への暴力行為の理由が読んでいる間ずっと気になっていました。最後の
話でそれが明かされると期待していたのに、全く違う角度から物語が展開されて、結局わからず
仕舞いで終わるのかなぁ、と少々不満が残りかけたのですが、さすがにそこは本多さん。
最後の最後できちんと今までの伏線がたたまれて、溜飲が下がりました。そして、ラストで
とても嬉しい事実が判明。幸せなラストに、こちらまで心が温かくなりました。中学の時から、
ふたりの想いは変わらなかったのでしょうね。遠回りした感じもするけど、それはそれで
彼ららしい。不器用ながらも、お互いを想い合って、これからもずっと一緒にいて欲しいな。


貴志祐介「雀蜂」(角川ホラー文庫
貴志さんの文庫書きおろし新作。目が覚めたら、閉ざされた雪の山荘に取り残されていることに
気付いた主人公。山荘の中には、恐るべき殺人雀蜂の大群が。主人公は知恵を尽くして、雀蜂と
死の格闘を繰り広げる・・・と、なんか、あらすじ書くとギャグみたいですが^^;主人公と
雀蜂の死闘のシーンは、確かにある意味ギャグっぽかったですし。なんか、いまいち緊迫感が
なかったような。
ラストのどんでん返しは確かに意外ではあったけれど、かなり強引に感じる部分も・・・。
貴志さんは楽しんで書いてたんでしょうが、若干読者置き去りな感じは否めなかったかな^^;


雪舟えま「バージンパンケーキ国分寺」(早川書房
書店で見かけて、なんとなく面白そうだと思ったので予約してみました。でも、なんというか、微妙。
文章はまだまだぎこちなく、不自然な描写がちらほら。中途半端にファンタジーを入れている
ので、作品全体の印象が定まらない。もうちょっと、狙い所をはっきりさせて欲しかったです。
バージンパンケーキ店自体の設定もよくわからないし。くもりの日だけ開店させた意味も不明。
せめて晴れにした方が良かったのでは・・・。
それに、お客が処女だとドアベルが鳴るっていう設定も必要だったのか謎。っていうか、その設定が
全く生かされないまま終わったような・・・^^;;
ファンタジックな設定はなくして、パンケーキ屋さんにやって来る常連さんの悩みを、店主のまぶ
さんがさらりと癒してあげる、とかの設定の方が読者受けしたんじゃないかな。それか、まぶ
さんと盛の恋愛模様にもっと焦点を当てるとか。早川ってことで、わざわざファンタジックな
要素を入れたのかもわからんですけども。個性的なパンケーキの数々も、名前が凝り過ぎてて
いまいち美味しそうなイメージがわかなかったし。なんだか、いろいろ設定ミスをやらかしてる
気がしてしょうがなかった。うーむ。なにげに黒べるこ出現。年末なので(←?)いろいろ言いたい
放題ですんません。


夏川草介神様のカルテ3」(小学館
1、2巻を読んでとてもおもしろかったので、すぐに3巻の予約をしましたが、その時すでに
130人以上待ち。いやー、やっとこさ回って来ました。待たされたなー。
今回も良かったです。どこぞのお涙頂戴狙った医療ものとは全然違いますね。きちんと、医療
現場の厳しさも描いているし、医者は万能じゃないことをきっちり伝えているところがいい。
お医者さんだって間違うこともあるし、悩みもたくさんある。患者より家庭を優先させる医者が
いたって仕方ないと思う。治す気がない患者に愛想を尽かしたくなる気持ちだってわかる。
キレイ事だけじゃない医療の現実を描いているところに好感が持てるんですよね。
個々のキャラ造形がまた良いですね。今回初登場の小幡先生も、最初は全然好感持てなかった
けど、彼女の過去や、いくつものことを同時にこなしながら必死に頑張っている事実を知って、
彼女もまた、厳しい医療現場と真正面から戦っている一人なのだとわかりました。彼女のような
医者が必要なことも事実でしょう。けれども、やっぱり私はイチさんのようなお医者さんに
診てもらいたいなぁ。何かあった時には。どんな時だって絶対に見捨てたりしないと思うから。
砂山先生のことは残念だと思っていたけれど、やはりイチ先生とは切っても切れない縁があるの
でしょうね。イチさんの決断はきっと今後に繋がって行くと思う。また、ひとまわりもふたまわりも
成長した医者として戻って来て欲しいです。
それにしても、ハルさんは素晴らしい奥さんですねぇ。こんな良妻、なかなかいないぞぅ。ほんと、
イチさんは世界一の果報者だと思う。支えあって、ほんとにいい夫婦ですね。うーむ。
私には無理だ・・・(しーん)。4巻も楽しみです。







今回、なぜかシリーズの三作目ばっかりですね(苦笑)。でも、どの作品も三作目でも
全くマンネリ感がなく、むしろ魅力が増したと思える話ばかりでした。シリーズ以外の
二作は若干黒べるよりですが^^;


今年も残りわずか。あと何冊読めるかなぁ。またしても予約本ラッシュに陥りそうなので、
頑張って読まなくては。