ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

「君に届け」

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監督:熊澤尚人
原作:椎名軽穂君に届け
キャスト:多部 未華子 三浦 春馬 他
脚本:根津理香

<あらすじ>
見た目が暗く周りから「貞子」と呼ばれる黒沼爽子(多部未華子)は、クラスになじめないでいた。
しかし、その外見とは裏腹にけなげで純粋な彼女に、誰からも好かれるクラスの中心的存在の
風早翔太(三浦春馬)はひそかに好意を抱いていた。風早の言葉を励みに、爽子は徐々にほかの
クラスメートたちと打ち解けるようになっていく(あらすじ抜粋)。


というわけで、行って参りました。一人で行くのはさすがにちょっと恥ずかしいので、小学四年の
姪っ子を無理矢理巻き込んで連れて行きました(苦笑)。姪っ子は原作も読んでなかったので、
いまいちピンと来なかったみたいでしたが、話はちゃんとわかったと言っていたので、まぁ
いいか(苦笑)。関連グッズも欲しがったから買ってあげたし。

でもって、映画の内容ですが。全体的に原作に忠実なところとそうでない所、織りまぜて
作ってある感じ。おおまかなストーリー展開は割と忠実なのですが、細い部分の設定がかなり
違っていたりして、映画ならではの作品になっていたように思います。爽子パパの職業が
オーケストラの楽器奏者だったのにはちょっとビックリ^^;爽子に対する溺愛ぶりなんかは
そのままでしたけれど。

主役の二人はほぼイメージ通り。爽子役の多部さんは、爽子そのまんま!って感じ。陰気に見える
ところも、すごくイメージに合っていたし。ただ、内気すぎて、原作の天然ボケな感じがあんまり
なかったのが残念だったかな。そして、風早君役の三浦春馬君も笑顔が爽やかで、もう、画面に
いるだけで目の保養(*^^*)。ただ、原作の風早君とはちょっと性格が違うように感じたのですが。
特に後半、爽子にアプローチして行く辺りから普通の高校生男子っぽくなっちゃったのがちょっと
残念だったかな。風早君ならこんな言い方しないのになーって思うところが結構あったりして。
やっぱり、風早君みたいな爽やかさからできてるような人間(笑)を実写化するのはちょっと
無理があるのかなー。春馬君が悪いという訳ではなく、誰がやっても違和感覚えちゃうのかもしれない。
原作の風早君を忘れて、春馬君の風早君と割りきって観れば、十分爽やかな高校生男子を好演して
いて良かったと思います。彼が画面にいるだけで爽やかな風が吹いているような錯覚を覚えたのは
間違いありません(笑)。

ザ・フランス人形くるみちゃん役の桐谷美玲さんはイメージぴったりだったと思います。このひと、
最近良くドラマに出てますね。この間の月九でもヒロインのライバル役やってましたが、ちょっと
意地悪だけど恋に一途なくるみの雰囲気が良く出ていたと思います。髪型もそっくりだったし(笑)。

ちづとあやねちゃんも、まぁまぁ良かったと思うのだけど、なんとなくどちらも顔立ちが古臭い
感じに見えてしまって(メイクのせい?)、二人が出て来るシーンはどうも一昔前のドラマを
観ている気分になってしまいました^^;ただ、私が原作で、読み返す度に必ず泣いてしまう
2巻の爽子と二人の友情ストーリーの部分が、映画でも原作にほぼ忠実に再現されていて、
やっぱりあのトイレで爽子が頑張るシーンで泣いてしまいました・・・。
『悪人』でも泣かなかったくせにねぇ(苦笑)。実は観に行く直前、また原作をざざっと
おさらいしたのだけど、やっぱり2巻で号泣^^;先の展開わかってても泣けるって、普段の
私だったら考えられないのですが(乾いた人間代表)。それがこのマンガのすごいところ☆

竜は朴訥な感じがなかなか良かったんじゃないかな。全然知らない俳優さんだったけど。
一番びっくりしたのはピンがARATAだったこと。私の中のARATAって、『ピンポン』のイメージが
すごく強いんですよ。あのひょろっと細くてインテリっぽかったARATAが、こんな中年のオッサン役
やるようになってしまったのか・・・とちょっとショックでした・・・若干中年太りっぽい感じ
あったしなぁ・・・。でも、原作のピンって、もっと若そうに見えるんだけど^^;

原作には出てこないけど、映画では重要なアイテムとして登場するハート型の桜の花びらと爽子の
徒手帳のエピソードがなかなか効いていたのではないかな。

ただ、全体的にとっても爽やかだったし、所々笑える要素も入っていて楽しめたのだけど、
原作のあの胸がキュンキュンする感じは思ったほどなかったかも。
でも、初々しい主役の二人のピュアな演技にとっても爽やかな気持ちになりました。
もしかしたら、かえって原作を知らない人の方が楽しめるのかも。原作ファンだと、原作との細かい
齟齬に引っかかりを覚えてしまう可能性はありそうです(私もちょっとそんなところがあったので)。
彼らが通う高校名からして違ってたもんなー。そこ、別に変えなくても良かったんじゃない?とか
思ったりして・・・^^;

いや、十分面白かったんですけどね。

ちなみに、エンドロールの後にもまだ映像がありますので、これからご覧になる方はエンドロールの
最後まで席を立たれませんように。