ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

2008年 マイベスト < 2 > ミステリ編。

みなさまこんばんは。今年も残りあと二日です。
さっきまで年賀状書いてました。やっと終わった・・・(だいたい毎年この時期^^;)。
大掃除は諦めました(やれよ)。

長らく・・・お待たせした人がいるとも思えませんが、マイベストミステリ編です。
年末に来て全く本が読めていないので(しかも今日読み始めた本がどうしても進まず・・・
ここにきて今年初の挫折本・・・^^;;)、今年最後の記事になるかもしれません。

という訳で、一応御挨拶。
こんな読書記事ばかりの色気のないブログに足を運んで下さった皆様、コメント下さった
みなさま、本当にありがとうございました。なんとか今年一年も続けることが出来たのは
すべて来て下さるみなさまのおかげです。今年もみなさまのお薦めでたくさんの良書に
出会うことができました。年々記事が長く冗長になって行くので、なんとかコンパクトに
したいと思うのですが、なかなか思い通りにまとまりのある記事が書けません。あんまり
長いと読む気が失せるだろうなぁとは思うのですが・・・(実際身内に言われたことが
あるんで^^;)。
そういう方は最初と最後だけ読んで下さいね。だいたい、それがその記事の中で一番言いたい
ことです(笑)。真ん中読んでもどうせ大したこと書いてないんで(オイ)。


また前置きが長くなっちゃった^^;
ベスト記事でしたね、これ。はい、では早速発表いたします。
対象作品は今年読んだミステリ全て(新旧問わず)。今年度の累計冊数は3冊増えて
215冊になりました。一応昨年末に読んだ作品も対象ではあるのですが、ベストに
食い込む作品はなかったな。
実は、一昨年のベストでは京極さんの『邪魅の雫』、去年は有栖川さんの『女王国の城』と、
個人的に大好きなシリーズの新刊が一位だったことからわかるように、自分の予想では
笠井さんの矢吹シリーズが出たら無条件でその作品が一位だろうと思っていました。
・・・が、目出度く発売されたものの、残念ながらあの出来では・・・そもそも主人公
出てないし^^;
そんな訳で、自分の想像とは随分違うランキングになった気がしますね。



2008年度のミステリベストは以下の通り。



1.島田荘司『異邦の騎士』


2.飛鳥部勝則『堕天使拷問刑』


3.三津田信三『山魔の如き嗤うもの』


4.道尾秀介カラスの親指 by rule of CROW’s thumb』


5.辻村深月『名前探しの放課後 上下』


6.薬丸岳『虚夢』


7.吉田修一『悪人』


8.湊かなえ『告白』


9.今野敏『果断―隠蔽捜査2』


10.荻原浩『噂』




一応以下20位まで発表。

11.恩田陸『きのうの世界』 12.鳥飼否宇『中空』 13.皆川博子『聖女の島』
14.東野圭吾『聖女の救済』 15.柳広司『トーキョー・プリズン』
16.道尾秀介『ラットマン』 17.山口芳宏『豪華客船エリス号の大冒険』
18.連城三紀彦造花の蜜』 19.大倉崇裕『聖域』 20.皆川博子『倒立する塔の殺人』



では、10位までの短評を。


1.今年はノンミステリでは金城さんにはまり、ミステリでは島田さんにはまった年
でした。中でもやっぱりこれはミステリとして一級品というだけでなく、青春小説としても
読ませてくれるという意味で、大満足の一冊でした。実は2位と迷ったのですが、長く読み
継がれて行くべき作品という意味でも、堂々の一位作品でしょう。


2.かなり興奮して記事を書いたせいか、何人かに伝染して読んで頂けて嬉しかった。
ミステリとしての出来とかそういうのも超越した徹底したB級感がとにかくツボでした。
でも万人にはお薦めできませんので、キワモノミステリがお好きな方だけお試しあれ。


3.前作の『首無~』には及ばないものの、本格ミステリとしての緻密な作品構成には
唸らされました。安心して読めるシリーズですね(なぜか、これだけは・・・)。


4.凡作かと思いきや・・・このラストで全てが覆される爽快感。これぞミステリ。
余韻の残る構成も良かったです。『ラットマン』もいい出来ではありましたが、一作
選ぶならば、ストーリーとキャラの良さでこちらに軍配。


5.これは先行作を読んでいないと・・・という条件がつく分、作品としてどうなのかな
とも思うのですが、個人的にはラストで明かされるある事実に完全にノックアウト。
その後に読んだ『冷たい校舎の時は止まる』との設定の類似があり、多少評価は下がった
ものの、やっぱり辻村さんが大好きだと思えた作品。


6.刑法第39条から真っ向に挑んだ意欲作。読んでいてどんよりとしてしまう作品
ですが、現行憲法のあり方をとても考えさせられる作品でした。終盤の手紙のシーンは
圧巻。一作ごとに力をつけている作家さんだと思います。


7.これも『本当の悪人とは誰なのか?』を考えさせられた作品。誰かにとっては悪人でも、
他の誰かにとっては悪人ではない。罪を犯した人が悪人なのか?答えはそれぞれの中に
あるのかもしれません。


8.言わずと知れた話題作。読んでも読んでも嫌悪しか覚えないのに、ページを読む手が
止められなかった。新人でこれだけのリーダビリティがあるというのはすごいです。
とんでもない新人が現れたものです。ただ、作家としての真価は二作目で問われることに
なるでしょうね。


9.一作目も面白かったのだけど、一作に絞るならばこちら。一作目は中盤までは主人公の
性格に慣れずなかなか乗れなかったので。二作目はそういうのがない分、全篇に亘って
楽しめました。誰が読んでも面白いこのシリーズ、どんどん続編が出て欲しいですね。


10.先日覚えたフィニッシング・ストロークの見本のような作品。最後の一行の一撃は
凄まじかった。ただ、レインマン自体の謎にちょっとひねりがなかったのが惜しかったな、と
思ったので、この順位。



ちなみに短編集ベストは以下(ジャンル拘らず。ノンミステリにランクインした作品は対象外)。


1.島田荘司御手洗潔の挨拶』

2.愛川晶『芝浜謎噺』


4.東野圭吾ガリレオの苦悩』

5.三雲岳斗『少女ノイズ』


7.乾ルカ『夏光』

8.大倉崇裕『生還 山岳捜査官・釜谷亮二』

9.恩田陸『いのちのパレード』

10.皆川博子『猫舌男爵』



短編集は順位のみ。長編より悩んだ~^^;まだまだ入れたい短編集がいっぱい
ありました。今年は短編集の方が当たりが多かった気がする。もともと短編形式が
好きというのもあるのですが。

ワーストはやっぱり、浦賀さんのアレでしょうか・・・。でも、来年は読破を
目指して読み進めたいと・・・あんまり思ってないけど、頑張る(笑)。




こんな感じのランキングになりました。みなさま、ノンミステリと比べてどちらが
読まれた作品が多かったでしょうか。順位は非常に悩みました。完全に今日の気分で
決めました。私はその都度★評価をしていないので、記憶しか頼るものがなく、
イメージ重視のかなりいい加減なランキングという気がします^^;でも、上位の作品は
読み応えのある作品ばかりでした。



来年はどんな本に出会えるでしょうか。
今年一年、お付き合い下さったみなさま、本当にありがとうございました。
来年もみなさまにとって良き一年でありますように。
長々と読んで下さった方、どうもありがとうございました。


では、良いお年をお迎え下さいませ。
来年もどうぞ、よろしくお願い致します。