ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

2016年マイベスト

どうもみなさま、こんばんは。
今年も残りあと二日(というか、もうほぼ一日ですね)となりました。
みなさま、やり残したことはありませんでしょうか。
私は、今年は本当に酷い年でしたねぇ。特に後半。家族に病人が出まして、
二カ月ほどほぼ毎日病院通いなぞしておりました(相方ではありませんが)。
なんとか無事退院し、今は元気になりまして、年越しは明るく過ごせそうなので
ほっとしているのですけれどね。
そんな訳で、後半はばたばたしていたのですが、去年よりも仕事量を減らした
勤務体系になった分、読書量は増えました。
今年一年の締めくくりとして、やっぱりベスト記事は上げておきたいところ。
という訳で、今年も今年度のマイベスト本ランキングをば。
対象は、いつものごとく、今年一年間で読んだ本すべて。本日一冊読み終えまして、
記事にしていない二冊も含めて今年の読了本は143冊でした(上下巻はそれぞれ1冊づつカウント)。
去年が125冊だったので、18冊も増えている!わーい。久しぶりに前年比プラスになったゾ。
やっぱり、ここ二カ月の予約本ラッシュが効いているのかも。ほんとに、めっちゃ
集中して読んだりしてたんで(笑)。人間、やればできるものね(笑)。



今年もミステリ・ノンミステリに分けて発表。
まずはノンミステリから。

<2016年 ノンミステリベスト10>

1.池井戸潤陸王
2.津原泰水エスカルゴ兄弟」
3.山白朝子「私のサイクロプス
4.澤田瞳子若冲
5.乾ルカ「花が咲くとき」
6.山本弘 「翼を持つ少女 BISビブリオバトル部」
7.辻村深月東京會舘とわたし 上 旧館 / 下 新館」
8.ほしおさなえ活版印刷日月堂 星たちの栞」
9.平山夢明「ヤギより上、猿より下」
10.柚木麻子「幹事のアッコちゃん」

次点(順不同)
池井戸潤下町ロケット2 ガウディ計画」
早見和真「小説王」

1位は文句のつけようがないノンストップエンタメ作。池井戸さんの良いところを
これでもか、と詰め込んだ痛快な作品でした。案の定映像化されるそうで(ドラマ
だっけかな?)、観るのが楽しみです。来年の箱根駅伝は、間違いなく選手のシューズに
注目してしまうでしょう(笑)。
2位は、設定とキャラがとにかくツボにはまりました。とぼけたユーモアが散りばめ
られていて、とにかく読んでいて楽しかった。続編絶対書いていただきたいです。
3位は、おどろおどろしくも、美しい独特の世界観が大好き。
4位は、大好きな伊藤若冲を主役に据えた歴史大作。若冲の意外な素顔に面食らいつつ、
どっぷりと作品にのめり込んでしまった。苦手な歴史ものでも、挑戦して良かったと
思えた作品。
5位は、主人公の少年と、一緒に旅をする老人の距離が少しづつ近づいて行く姿に
胸を打たれました。少年と老人が心を通わせる話にとにかく弱い私のツボをつかれました(笑)。
6位は、ビブリオバトルという未知の世界の魅力を十二分に味わわせてくれました。
本好きならハマらない訳がない作品だと思う。
7位は、東京會舘を巡る様々な人間模様に魅せられました。辻村さんの東京會舘愛に
やられてしまった作品ですかね。
8位は、復活した活版印刷所を巡る連作短編集。一字一字、活版印刷の字を拾って印刷
される印刷物たちの魅力に惹きつけられ、優しい世界観に癒されました。
9位は、平山ワールド全開の短編集。とにかく、表題作のゲスっぷりがあっぱれ。
こういうランキングについつい挙げたくなってしまうインパクトの強さはやはりすごい。
10位は、大好きなアッコちゃんシリーズ。スカッとできて、読み終えてすっきり
するこのシリーズは、やっぱり読んでいてとても楽しい。




<2016年 ミステリベスト10>

1.阿部智里「烏に単は似合わない」
2.似鳥鶏「家庭用事件」
3.宮部みゆき「希望荘」
4.竹本健二「涙香迷宮」
5.若竹七海「静かな炎天」
6.大山誠一郎「赤い博物館」
7.歌野晶午「Dの殺人事件、まことに恐ろしきは」
8.米澤穂信「真実の10メートル手前」
9.小林由香「ジャッジメント
10.貫井徳郎「壁の男」

次点
伊坂幸太郎「サブマリン」
湊かなえ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」
似鳥鶏「レジまでの推理 本屋さんの名探偵」
竹宮ゆゆこ「砕け散るところを見せてあげる」


こちらは非常に悩みました。今回は、トップテン候補に挙げた作品が20作以上
あって、ランキング付けするのに非常に迷いました。
一番基準にしたのは、やっぱりミステリとしての驚きがあったかどうか。
1位2位は文句なし。
1位は、ミステリとしてよりもファンタジー歴史小説として読む人が多いかも
しれないのですが、個人的には今年度読んだどのミステリよりもラストのインパクトが
大きかった。そういう意味で、ミステリ的な驚きが一番大きかったので、
一位にランクインさせました。
これを20歳くらいで書いてしまったというのだから、恐ろしい才能としか言いようが
ありませんね。
2位は、シリーズを初期の頃から追いかけて来て、こんな設定が隠されていたとは、
全く予想もしていませんでした。一番初めから設定にあったことだとしたら、この作者は
全く只者ではないと思う。目が点になる、とはこのことでした。
3位は、安定の杉村シリーズ。一作づつの完成度の高さに唸らされました。
4位は、今年度のこのミス1位作品。とにかく、いろは歌の暗号の凄まじさには
ただただ脱帽。作者は言葉の天才だと思いました。
5位は、アメトーーク!の読書芸人の回でカズレーザーさんが紹介したことで話題に
なっている葉村晶シリーズ。満身創痍の晶さんが相変わらず酷い目に遭っているのが
気の毒ですが、ちょこちょこユーモアも盛り込まれているので、さほど悲壮感がない。
ミステリとしての出来もさすがですし、ミステリ好きなら間違いなく評価する一作でしょう。
6位は、端正な本格ミステリを読んだという満足に浸れた作品。迷宮入りした未解決事件を
再捜査する話ですが、意外な観点から真実を導き出す過程に唸らされました。
7位は、江戸川乱歩の作品を下敷きに、新たな作品を生み出した歌野さんの手腕に瞠目。
特に、表題作はオチの黒さも含めて、さすがの出来だと思いました。
8位は、『さよなら妖精』の太刀洗万智シリーズ。こちらも、ミステリの完成度の高さは
さすがの出来。本日、最新作の古典部ものを読み終えましたが、ミステリとしての読み応えは
こちらの方に軍配かな。単純に好きかどうかの判断だと古典部に軍配ですけどね。
9位は、今年話題になった『復讐法』をテーマにした連作集。長岡弘樹さんに作風は似ている
かも。現行司法に真っ向から対抗するような『復讐法』という考え方を提示したところは
評価したい。賛否両論ある作品でしょうが、私は力作だと思いました。
10位は、構成の妙で読ませる力作。貫井さんらしい読み応えのある作品だと思います。
いろんな部分で腑に落ちないところも多いのだけれど、それを超える物語の吸引力に惹きつけ
られました。そろそろ直木賞獲らせてあげたいなぁ・・・。




と、こんな感じのランキングとなりました。
いつもながら、選出の基準がよくわからない感じですが・・・^^;
ランキングはあくまでも個人の感想なので、なんだこのランキングは!みたいな
お叱りもあるかと思いますが、そこら辺は鷹揚な気持ちで受け入れて頂けると
ありがたいです。他人に迎合するようなランキングだったら、個人のブログの
意味がないと思うからね。
今年はあんまり黒べる出なかったから、黒べるワーストはお休みかなぁ(KORさんごめん)。


さてさて、今年のブログ記事はこれが最後になるかと思います。
今年一年、不定期更新な上、駄文雑文ばかりの拙ブログにお付き合い下さいまして、
本当にありがとうございました。
来年も懲りずにお付き合いいただければ幸いです。

みなさま、どうぞ良いお年をお迎え下さいませ。