ミステリ読書録

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有川浩/「別冊図書館戦争Ⅱ」/メディアワークス刊

有川浩さんの「別冊図書館戦争供廖

図書館シリーズスピンアウト第二弾。緒形副隊長の過去の恋愛、堂上・小牧の新米時代、そして
中合わせの柴崎・手塚の恋の行方――図書館戦争シリーズ、これにて完結。


前作・別冊気魯戰心鼎垢てかなり引いてしまい、結局公開記事が書けませんでした。いや、
面白かったんですけどね・・・でも、なんか、堂上と郁のベタ甘恋愛は私のツボとはちょっと
違うんですよねぇ。どうも読んでてこそばゆいというか、言い方悪いけど虫唾が走るというか・・・
くっつくまでの方が面白かったってのが正直なところです。
でも、今回は私が一番気になっていた柴崎と手塚の恋の結末が読めると聞いていたので、とても
楽しみにしていました。ようやく開架に並んだところを発見、即確保(笑)。ついにシリーズ読破
と相成りました。このシリーズの記事に関してはいつも歯切れの悪いコメントを繰り返し(時には
公開できない記事を書いたりもして)、顰蹙を買って来た私としては、ある意味感慨深いものが
あったりして。なんだかんだで最後まで読んじゃったもんなぁ。
しかし、ぶっちゃけ、この別冊の最終巻が一番個人的には純粋に面白かったかもしれない。この
シリーズにしては甘さ控え目な柴崎と手塚の不器用な恋愛が個人的に非常にツボをついていたので。
郁のキャラが苦手なもんでねぇ・・・。
ただ、申し訳ないことに、1話目の緒形福隊長のキャラに関してはほとんど記憶がなく、「誰
だっけ?」状態だったし、郁が聞きたがった堂上と小牧の新米時代も大して興味を惹かれるエピソード
ではなかったので、完全に柴崎・手塚のパートのみの評価だったりするんですが(酷)^^;




以下、クライマックスに触れています。未読の方はご注意を。










今回、ストーカーにつけ狙われる柴崎の毅然とした態度や、強がろうと必死で頑張っているのに
時折見せる女としての弱さや脆さ、最後の最後で手塚に篭絡されて叫ぶある言葉など、改めて
柴崎という女性の魅力を再認識した感じでした。美人なのに恋愛ベタってとこがまた(笑)。
誰にでも弱みを見せる人間って好きじゃないので(だから郁が苦手なの)、彼女の強さには憧れます。
ストーカーに対する冷静な態度なんかは天晴れとしか言い様がない。でも、柴崎以上に私の中で株を
上げたのはやっぱり手塚ですね。ストーカーを撃退する姿なんてかっこよすぎだし、水島(柴崎の
新しいルームメイト)をやっつける辛辣な言葉にもすかっとしました。それにしても、水島のキャラ
はあんまりでした。あの開き直り方もすごいし。こういう女が一番厄介なタイプなんでしょうねぇ・・・。
自分が悪いと思ってない被害者意識の強さに辟易しました。まぁ、敵に回した相手が
悪かったってことで、せいぜい反省してもらいたいものですが(しないだろうなぁ、あれじゃ・・・)。

ただ、一つ引っかかったのは柴崎のスリーサイズとブラのサイズ(アンダーバスト)を知っていた
ことから共犯者に女がいると推理するくだり。最近の男はブラのサイズが65とか70って数字が
つくことくらい知ってるんじゃないのかなぁ。グラビアとかエ○本とか漫画とか、情報はいくらでも
あると思うし。C65(アンダーバスト)を知っていたから女の共犯者がいるってのはちょっと
説得力に欠けるように思いました。










まぁ、なんだかんだでハッピーエンドでめでたし、めでたしで良かったです。郁と堂上カップ
でも描かれなかったあのシーンも見れましたし。最高に幸せなカップルとしてこの先も仲良く
やって行くのでしょうね。個人的には相手に向かって言った「幸せになって」の言葉が好きだなぁ。
自分よりも、相手に幸せになって欲しい。自分が幸せにしてみせるって決意が出来るってどれだけ
幸せなことなんだろう。全く、腹が立つほどに羨ましいよ(結局ひがみ?^^;)。

ちなみに手塚の告白シーン、にやにやしながら三回くらい読み直した私です・・・アホ?