「“文学少女”と慟哭の巡礼者」
もうすぐ遠子は卒業する。それを寂しく思う一方で、ななせとは初詣に行ったりと、ほんの少し距離
を縮める心葉。だが、突然ななせが入院したと聞き、見舞いに行った心葉は、片時も忘れたことの
なかったひとりの少女と再会する!過去と変わらず微笑む少女。しかし彼女を中心として、心葉と
周囲の人達との絆は大きく軋み始める。一体何が真実なのか。彼女は何を願っているのか―。
“文学少女”が“想像”する、少女の本当の想いとは!?待望の第5弾。
もうすぐ遠子は卒業する。それを寂しく思う一方で、ななせとは初詣に行ったりと、ほんの少し距離
を縮める心葉。だが、突然ななせが入院したと聞き、見舞いに行った心葉は、片時も忘れたことの
なかったひとりの少女と再会する!過去と変わらず微笑む少女。しかし彼女を中心として、心葉と
周囲の人達との絆は大きく軋み始める。一体何が真実なのか。彼女は何を願っているのか―。
“文学少女”が“想像”する、少女の本当の想いとは!?待望の第5弾。
「“文学少女”と月花を孕く水妖」
『悪い人にさらわれました。着替えと宿題を持って、今すぐ助けに来てください』―そんな遠子から
のSOSで、夏休みを姫倉の別荘で“おやつ”を書いて過ごす羽目になった心葉。だが、そんな彼らに、
八十年前起こった惨劇の影が忍び寄る。“令嬢”“学生”そして“妖怪”。役者は揃い舞台は整い、
すべては再び崩壊に向かう。事態を仕組んだ麻貴の望みとは?自らの“想像”に心を揺らす、
“文学少女”の“秘密”とは―。夢のようなひと夏を描く、“文学少女”特別編(紹介文抜粋)。
『悪い人にさらわれました。着替えと宿題を持って、今すぐ助けに来てください』―そんな遠子から
のSOSで、夏休みを姫倉の別荘で“おやつ”を書いて過ごす羽目になった心葉。だが、そんな彼らに、
八十年前起こった惨劇の影が忍び寄る。“令嬢”“学生”そして“妖怪”。役者は揃い舞台は整い、
すべては再び崩壊に向かう。事態を仕組んだ麻貴の望みとは?自らの“想像”に心を揺らす、
“文学少女”の“秘密”とは―。夢のようなひと夏を描く、“文学少女”特別編(紹介文抜粋)。
今回も続けて二作読みました(何か、このシリーズはそれが私の中で定着している^^;)。
『~慟哭~』の方は長々と引っ張って来たミウの話、『~月花~』の方は、番外編で、遠子と
心葉が麻貴の別荘に連れて行かれてトラブルに遭う話。どちらもそれぞれに重い。このシリーズ
って、ほんと出て来る登場人物が病んでるケースが多い。みんな高校生なのに、なんでそこまで
重いものを抱えてるんだ?とツッコミたくなってしまいますよ。まぁ、その重さがこのシリーズ
を単なるラノベの枠に収まらない、読み応えのある作品にしているとも云えるのですが。主役の
二人だけ取り出して見ると、いかにもラノベ的キャラと会話で可愛らしいのにね。今回の二作も、
純文学の名作を上手くストーリーに絡ませて、心に響く作品に仕立てていると思いました。
『~慟哭~』の方は長々と引っ張って来たミウの話、『~月花~』の方は、番外編で、遠子と
心葉が麻貴の別荘に連れて行かれてトラブルに遭う話。どちらもそれぞれに重い。このシリーズ
って、ほんと出て来る登場人物が病んでるケースが多い。みんな高校生なのに、なんでそこまで
重いものを抱えてるんだ?とツッコミたくなってしまいますよ。まぁ、その重さがこのシリーズ
を単なるラノベの枠に収まらない、読み応えのある作品にしているとも云えるのですが。主役の
二人だけ取り出して見ると、いかにもラノベ的キャラと会話で可愛らしいのにね。今回の二作も、
純文学の名作を上手くストーリーに絡ませて、心に響く作品に仕立てていると思いました。
では、それぞれの感想を。ネタバレ気味です。未読の方はご注意を!
『“文学少女”と慟哭の巡礼者』
ミウの極悪キャラに翻弄されまくって、心葉君がちょっと可哀想でした。まぁ、ミウも同情
すべき点はあるけれど、いくらなんでも、自分勝手すぎるでしょ、と思いましたね。だって、
完全に単なる逆恨みじゃないか。協力者に関してはかなり意外でしたが、動機はイマイチ理解出来
なかったです。こういう性格の子も珍しいというか・・・厄介な性格ですね。こういう子を
好きになる流人の心情もちょっと理解不能。っていうか、流人のキャラ自体がなんだか受け入れ
難かったです。さんざんかき回して上から目線で見てるところがすごく嫌だった。しかも、続く
『~月花~』では麻貴とも関係持ってるみたいだし。節操なさすぎ。こんな高校生嫌だよ(><)。
ミウの極悪キャラに翻弄されまくって、心葉君がちょっと可哀想でした。まぁ、ミウも同情
すべき点はあるけれど、いくらなんでも、自分勝手すぎるでしょ、と思いましたね。だって、
完全に単なる逆恨みじゃないか。協力者に関してはかなり意外でしたが、動機はイマイチ理解出来
なかったです。こういう性格の子も珍しいというか・・・厄介な性格ですね。こういう子を
好きになる流人の心情もちょっと理解不能。っていうか、流人のキャラ自体がなんだか受け入れ
難かったです。さんざんかき回して上から目線で見てるところがすごく嫌だった。しかも、続く
『~月花~』では麻貴とも関係持ってるみたいだし。節操なさすぎ。こんな高校生嫌だよ(><)。
まぁ、最後は心葉君とミウの関係も決着がついてほっとしました。ミウが幼児退行して入院
してからは、このままずっと心葉君は彼女に縛り付けられてしまうのか、と気が気でなかった
です・・・^^;ストーリー上、それは有り得ないとは思いながらも、井上ミウのデビュー作に
込められた心葉君のメッセージを思うと、彼がミウから離れられるような気がしなかったので・・・。
してからは、このままずっと心葉君は彼女に縛り付けられてしまうのか、と気が気でなかった
です・・・^^;ストーリー上、それは有り得ないとは思いながらも、井上ミウのデビュー作に
込められた心葉君のメッセージを思うと、彼がミウから離れられるような気がしなかったので・・・。
今回の文学作品は宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』。実は、恥ずかしながら未読でして・・・^^;
宮沢賢治はほとんど読んでないんですよね~^^;アニメでは主人公二人が猫(?)になってた
覚えがあるんですが(ちゃんと観てはいない)、原作ってどうなんでしょう。本書で遠子先輩が
説明するストーリーを読んでいる限り、そんな設定は出てこなかったんですが。あれはアニメ用の
脚色なんでしょうか??
宮沢賢治はほとんど読んでないんですよね~^^;アニメでは主人公二人が猫(?)になってた
覚えがあるんですが(ちゃんと観てはいない)、原作ってどうなんでしょう。本書で遠子先輩が
説明するストーリーを読んでいる限り、そんな設定は出てこなかったんですが。あれはアニメ用の
脚色なんでしょうか??
ラスト1ページが非常に意味深ですね。遠子先輩の秘密って何なんですかーーーー!!!
うう、気になる。
うう、気になる。
『“文学少女”と月花を孕く水妖』
番外編。あとがきによると、時系列的には、二話目の後になるそうです。麻貴先輩の腹黒さが
よーくわかる一編(苦笑)。ただ、彼女の本当の姿はやっぱり謎のまま。遠子先輩に対する感情も、
額面通りに受け取って良いのやら・・・。まぁ、敢えて自分の問題に彼女を巻き込む辺り、遠子
先輩に一目置いているのは間違いないのでしょうけれど。
番外編。あとがきによると、時系列的には、二話目の後になるそうです。麻貴先輩の腹黒さが
よーくわかる一編(苦笑)。ただ、彼女の本当の姿はやっぱり謎のまま。遠子先輩に対する感情も、
額面通りに受け取って良いのやら・・・。まぁ、敢えて自分の問題に彼女を巻き込む辺り、遠子
先輩に一目置いているのは間違いないのでしょうけれど。
こちらの文学作品は泉鏡花。これまたほとんど読んだことがないのですよね(恥)。耽美小説って
イメージなので、読みたいと思ったことは何度もあるのですが。遠子先輩が語る、ゆりと秋良の
物語の真相には瞠目させられました。細かい伏線が非常に効いていて、しっかりミステリとしても
読ませる作品になっているところには感心しました。あれだけの少ない情報から、こういう真相を
導き出せる遠子先輩ってすごいですよね。あんなにのほほんとしたキャラなのに。さすがに、本を
たくさん読んでるだけあるなぁ。人がたくさん死ぬミステリ小説は苦手っぽいのにね(苦笑)。
『鏡花水月』、綺麗な響きの言葉だけれど、意味は切ないですね。目に見えているのに、手にする
ことが出来ない儚いもの。儚いからこそ、美しいのでしょうけれど。
イメージなので、読みたいと思ったことは何度もあるのですが。遠子先輩が語る、ゆりと秋良の
物語の真相には瞠目させられました。細かい伏線が非常に効いていて、しっかりミステリとしても
読ませる作品になっているところには感心しました。あれだけの少ない情報から、こういう真相を
導き出せる遠子先輩ってすごいですよね。あんなにのほほんとしたキャラなのに。さすがに、本を
たくさん読んでるだけあるなぁ。人がたくさん死ぬミステリ小説は苦手っぽいのにね(苦笑)。
『鏡花水月』、綺麗な響きの言葉だけれど、意味は切ないですね。目に見えているのに、手にする
ことが出来ない儚いもの。儚いからこそ、美しいのでしょうけれど。
そして、この作品も、ラストのエピローグが非常に、意味深(後から考えると、プロローグも
めちゃくちゃ意味深なのがわかるんですが)。レモンパイを焼こうとしているのは一体誰なんで
しょう。この書き方だと、遠子先輩じゃなさそうなのが悲しい。二人はやっぱりお別れすることに
なってしまうのでしょうか・・・。知りたいような、知りたくないような・・・。
めちゃくちゃ意味深なのがわかるんですが)。レモンパイを焼こうとしているのは一体誰なんで
しょう。この書き方だと、遠子先輩じゃなさそうなのが悲しい。二人はやっぱりお別れすることに
なってしまうのでしょうか・・・。知りたいような、知りたくないような・・・。
今回も、読み応えたっぷりの二冊でした。ラノベの域は軽く超えてますね、このシリーズは。
何といっても、遠子先輩が可愛いなぁ。流人に教えられた3つの言葉で書いた心葉の小説を
読んで酔っ払っちゃう姿がなんとも可愛らしくて萌え~~~でした(オヤジ目線)。
何といっても、遠子先輩が可愛いなぁ。流人に教えられた3つの言葉で書いた心葉の小説を
読んで酔っ払っちゃう姿がなんとも可愛らしくて萌え~~~でした(オヤジ目線)。
続きがとぉっっても気になるので、早めに続きを入手したいと思います。