松尾由美さんの「ハートブレイク・レストラン」。その名の通り、ちょっと心に傷を負った人たちが集まるファミリーレストランが舞台のハートフルミステリー。
フリーライターの寺坂真衣が原稿を書く為に通っているファミリーレストランには、幸田ハルというおばあちゃんの幽霊が度々出現する。見た目は上品で控えめなハルおばあちゃんだが、レストランに持ち込まれる様々な日常の事件を次々と解決してしまう。不幸をかかえた人々が少しづつ救われていく様は、読んでいて爽やか。一話完結なので単独で読んでも楽しめます。ハルおばあちゃんは幽霊ですが、全くホラー的要素はありません。複雑な謎も出て来ないので、通勤時にちょっと読むのに良いのでは。
松尾由美さんの作品では「安楽椅子探偵アーチー」もお薦め。これぞ真の安楽椅子探偵もの！と言える作品。何故かは読んで頂ければおわかりになるでしょう。読んだ時は「こういう切り口があったのか～」と感心しちゃった作品。とにかくアーチーがかっこよくて、可愛くて、素敵なのです。ジュヴナイルっぽいですが、ミステリとしても良作です。
