ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

読了本四冊。

どうもどうも。久しぶりの更新になってしまいました^^;
みなさまお元気でしょうか。
一言メッセージでも書きましたように、近々お引越しすることになりまして。
まだ本格的なお引越し準備はしていないのですが、その前にいろいろとやらなきゃ
いけないことがありまして、忙しい毎日を過ごしております。お引越し本番は来月中旬
の予定。なるべく早くネット環境を整えて、ブログも更新したいと思っております。
相変わらず本もなかなか読めない日々ですが、前回の更新から4冊程読みましたので(少なっ)、
駆け足でご紹介。


京極夏彦柳田国男/「遠野物語remix」(角川学芸出版
京極版『遠野物語』。本家バージョンは読んだことがないので、どんな感じに
変わっているのかは比較出来ないのですが、内容的にはあまり変わりはないのでは
ないかな。文章が現代版になった分、読みやすく手に取りやすくなっているのだと
思います。多分本家はもうちょっととっつきにくかったりするんじゃないのかな。
実は中学の時の修学旅行が東北地方だったんですよね。そこで現地の方の民話を
聞く時間なんかもあったので、馴染みのある話も入ってました。オシラサマのお話とか。
不可思議なお話も多いし、遠野地方の奥深さが隅々で感じられる一冊ではないでしょうか。
本家は敷居が高いという方も、こちらなら入りやすいのではないかな、と思います。


柚木麻子/「ランチのアッコちゃん」(双葉社
本屋で新刊をみた時から面白そうだなーと読むのを楽しみにしていた作品。実際手にとって
みて、薄さにちょっとビックリしたんですが^^;
薄い上にとても読みやすいので、一日であっという間に読み終わっちゃいました。
そして、予想通り面白かった!ただ、前半二作で活躍したアッコさんと三智子のコンビが
後半の二編ではほとんど出て来なかった(アッコさんに限っては最終話での出番は全く
なしだったし)のが残念でした。後半の二編もそれぞれ面白いは面白かったのですが、
出来れば二人のお話で統一して一冊にまとめて欲しかったかなぁ、と。でも、後半二編で
三智子がまたアッコさんと仕事しているのがわかって嬉しかったな(『東京ポトフ』のロゴ入り
Tシャツを着てマラソンを走っていたのは三智子ですよね?)。
それにしても、アッコさんの素晴らしいバイタリティーには頭が下がりました。こういう上司の
元で働ける社員は幸せだよね。倒産しちゃったのは残念だったけど^^;表題作で三智子が
出した企画は結局上手く行かなかったってことなんですかねぇ・・・。
働く人々にエールを送ってくれるような、ちょっぴり元気が出る一冊でした。アッコさんの
ポトフ美味しそうだったなぁ。食べてみたい・・・。


大崎梢/「ふたつめの庭」(新潮社)
主人公は保育園の保育士。保育園で起きる日常の謎を、シングルファザーの志賀の助けを借りて
解決する連作短篇ミステリー。一話ごとに解決の糸口として絵本が出て来るところが大崎さん
らしくて好きでした。大崎さんの作品にはやっぱり本が出て来て欲しいし、本が関係したお話
はハズレなく面白いですからね。今回は、主人公美南と志賀の恋模様も読みどころのひとつ。
二人の距離が一話ごとに近づいて行くところにドキドキしちゃいました。
六話目のカツミの言動には驚きましたね。でも、美南の返事の後のアッサリした態度が何とも・・・。
強がりなのかなーと思いきや、その後の態度を見るとそうでもなさそうで。美南に対する思いは
もうちょっと真剣であって欲しかったなぁ。
でも、最後は爽やかな終わり方で良かった。旬太が保育園を卒園した後の彼らのその後が
読みたいです。
でも、一つ気になったのは、旬太が母親の家に預けられた時のこと。一体どんな出来事があって
帰りたいと思ったんでしょうか。後からその日のことが出て来るかな、と思って読んで
たんですが、最後まで出て来なかったのでちょっとそこだけは消化不良でした。
でも、そこ以外は爽やかで、心温まる素敵な一作でした。


桜庭一樹/「桜庭一樹短篇集」(文藝春秋
桜庭さん最新作。こういうノンシリーズの短篇集って単行本で出すのは初めてなのかな?
(文庫はあるかもしれませんが・・・違ってたらすみません^^;)
表紙からしインパクトありますね。ツインテールの女の子の分け目があぜ道と繋がって
見えて、なんか角みたいに見える^^;写真かと思いきや絵だし。
内容はかなりバラエティに富んだ短篇集。普通の人が書いたら奇抜だけど、桜庭さんが書いた
にしてはちょっと大人しめかなぁって気も。どんだけ桜庭さんに対するハードルが高いんだ、
自分^^;でも、それなりにどの話も面白かったかな。一話目の『このたびはとんだことで』
シチュエーションはシュールなのに、妙に会話がコミカルなところが面白かった。二話目の
『青年のための推理クラブ』は、既出の青年のための読書クラブパイロット版。読んでた
時は『~読書クラブ』の外国版なのかな、と思ってたんですけどね。いやー、完全に騙されました。
一番インパクトあったのは三話目の『モコ&猫』かな。いや、話としてはそれほどインパクトが
ある訳じゃないんだけど、とにかくモコのキャラクターにインパクトがあった。脂性のヒロイン
って!!なんかね、もう、桜庭さんらしくて苦笑。OLになってぶくぶく太っちゃう辺りも、
いかにも桜庭流。読んでいて決して気持ちのいい話じゃないですけど。主人公なんか完全に
ストーカーですしね・・・。でも、なぜか純愛の話なんですよね。二人が付き合っていたら
どうなっていたのかな、とちょっと妄想してみたりして。意外としっくりうまく行ったりしてね。
四話目の『五月雨』は長編向きの話って感じ。壮大な物語の最終話だけ読まされた印象。
ちょっとインパクト薄かったかな。
5話目の『冬の牡丹』は、ちょっと雰囲気『私の男』っぽいかな、と思いました。何度か慎が
淳悟と重なりましたもん。まぁ、淳悟ほど慎は退廃的ではないですけどもね。
最後の『赤い犬花』は少年の成長譚。最後は切ない。お話としては好きなんだけど、もうちょっと
桜庭さんらしい奇抜な物語展開があっても良かったかなぁ。
『傷痕』『無花果とムーンと続けて個人的に不満が多かったので、それに比べたら楽しめたかな。




久しぶりに記事書くと時間かかりますね^^;内容薄いのに^^;
現在も依然として予約本ラッシュは続いておりまして、ガンガン読まなければ追いつかない状態・・・。
頑張りマス。