ミステリ読書録

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桜庭一樹/「お好みの本、入荷しました 桜庭一樹読書日記」/東京創元社刊

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桜庭一樹さんの「お好みの本、入荷しました 桜庭一樹読書日記」。

『Webミステリーズ!』にて2008年の4月から2009年の5月まで一年間連載された
『<読書家>桜庭一樹』の読書日記、第三弾。


桜庭さんがWeb上で連載している読書日記、第三弾です。桜庭さん、今回も読んで読んで読み
まくっております。相変わらず読んでいる本がほとんどありませんでした^^;毎回この読書日記
を読む度に、桜庭さんの読書への溢れんばかりの愛情とバイタリティには感心するばかりなの
ですが、私が一番すごいなぁと思うのは、その読まれる本のジャンルの広さ。どんなジャンル
の本でも躊躇なく手に取って、その本の良い所を自分の中に吸収してしまう。真の読書家って
いうのはこういう人のことを言うんだろうなぁとしみじみ思う。私は自分で読書家だなんて
思ったことはないのですが、桜庭さんのような読書家には到底なれないなぁと思う。でも、
こんな風に貪るように本を読んで暮らせたら幸せだな、とも思う。実際、桜庭さん、とっても
幸せそうだし。こういう本を読むと、ほんとにもっともっと、本を読まなきゃ!って気持ちに
なります。だって、作品どころか、作者名さえ知らない作家がこれ程世の中に溢れているって
気付かされるから。桜庭さんの読書日記を読むと、いつもちょっと焦る。本は逃げたりしない
けれど、私の読める時間はどんどん逃げて行く。だから、もっと、もっと、もっと読まなきゃって
焦燥にかられる、というか。焦ったって仕方ないんだけど、私の知らない傑作名作がまだまだ
気が遠くなる程の数存在するって思うと、落ち着かなくなってくる。全く、麻薬みたいな本だ。
桜庭さんのような生活は私には無理なのに。危険、危険。
毎日本屋に行って本を買ってるってのもすごいなぁ。まぁ、これだけ売れてればお金はいくらでも
あるでしょうけど(ちょっと嫌な発言)、良く置く場所があるなぁと思ってしまう。そして、
そうやって毎日のように買った本をちゃんと読んでいるところがもっとすごい。でも、知らない
間に買った本があるってのは桜庭さんらしいエピソードだな、と苦笑しちゃいましたけど^^;

東京創元社のK島さんとの会話が相変わらずマニアック。でも、これだけ話がわかる自分と同等の
読書家が周りにたくさんいると楽しいでしょうね。周りの人も、桜庭さんに『読んで欲しい』と
お薦めの本をたくさん送って来る。こんな風に本が集まって来る環境にいられるってのも
羨ましい限りだ。


そして、今回の日記で一番特筆すべきことは何といっても、桜庭さんご入籍!!!
これ読んで、そうだ、そうだよ、桜庭さん結婚したんだよな~と思い出しました。

ご結婚おめでとうございます。(ここで書くな)

で、お相手の方ってどんな方なのかな~と思いながら日記を読み進めて行ったら・・・ななな、
なんと、お相手は芸人さん!!!


え、えええっ!?とビックリして、即行検索してみたところ・・・友野英俊さん


・・・ダレ?


吉本興業の芸人さんだそうです^^;ダウンタウンガキの使いとかに出てる方だそうで。
し、知らなかった~。一体、吉本の芸人と直木賞作家にどんな接点が!?と疑問に感じる人が
ほとんどだと思うのですが、二人の馴れ初めについてはたけし軍団水道橋博士のHPに詳しく
説明されてました。すんごい、運命的なエピソードで、そりゃ運命の赤い糸を信じたくもなる
だろうよ、と思いました。桜庭さんがお嫌いな言葉とおっしゃってた『事実は小説より奇なり』
そのまんまの体験じゃないですか。すごいなー。やっぱり、運命の人って思ったのかな、その瞬間。
恋愛ドラマそのまんま!素敵・・・(うっとり)。
入籍してから読書日記にも当然ながら旦那さんがちょこちょこと顔を出す訳ですが、結婚しても
桜庭さんの生活スタイルがほとんど変わってないのにビックリ。相変わらず本書いて取材も受けて、
夜は1、2冊本を読んで気絶するかのようにぱったりと寝る。結婚しても、本中心の生活なのが
すごいなー。でも、旦那さんもそれを自然に受け入れているのがわかるから、すごく自然体で
お似合いのご夫婦なんだろうな、と思いました。桜庭さんが旦那さんに『面白い話して』って
ねだるエピソードが好き。なんでもない日常のひとコマに、幸せが溢れている感じがしました。
しかし、旦那さん、推定体重が44キロちょっとって・・・アイドルか!!
桜庭さんも小柄っぽいけど(身長体重はしりませんが)、どうも桜庭さんの方がよっぽど
たくましそうな感じです^^;(空手やってるしね、桜庭さん)外見的にはあんまり頼りに
なりそうにないけど、きっとすっごく優しいんだろうなっていうのは日記の行間から伝わって
来ました。そういう所が好きになったんだろうな。


他にも取り上げたいエピソードがいっぱいあったんだけど、割愛。とにかく、桜庭さんの読書への
情熱がひしひしと伝わって来て、読めば絶対本が読みたくなるエッセイです。
でも、桜庭さんの取り上げる本は私の興味から大きくはずれた作品が多いので、これは読もう!
って思える本ってそんなになかったんですけどね^^;基本海外ものばっかだしね(月一冊しか
海外モノを読まない私には敷居が高すぎる^^;)。

現在Web上ではまた連載がスタートしているとか。また本にまとまるのが楽しみです。