ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

読了本三冊。

どうもこんばんは。記事タイトルが前回と同じですみません^^;
今更ですが、東京五輪決まりましたね!当日は朝起きてすぐにスマホ
ニュースを見てビックリ後、狂喜乱舞。
東京住まいとしては、道路や電車が混むとか治安が悪くなりそうとか
いろんな不安はありますが、やっぱりこうして大きなイベントが開催されると
いうのは嬉しいものです。自分が生きてるうちに東京でオリンピックが観れるなんて
思いもしなかったですからねぇ。
原発や福島の問題のことを考えると浮かれてばかりもいられないとは思うけれども、
それでもやっぱり今は素直に喜びたいですね。スポーツはみんなのこころをひとつに
してくれるものですからね。しかし、7年後自分は何をしているのかなぁ。
なんか、あんまり生活も変わってなさそうな気がしないでもないですが・・・^^;


前置き長くてすみません^^;

さて、今回の読了本も三冊。一時期のハイペースが嘘のようにペースダウンして
おりますが^^;予約本ラッシュの予約本は、結局一冊だけは泣く泣く読めずに返却
しましたが、それ以外はなんとかクリア。ページ数の多い作品があまりなかったのが
幸いしたかな。

では、一冊づつご紹介して行きましょう。


北山猛邦「人外境ロマンス」(角川書店
タイトルとおり、各作品ごとに人外(人間以外という意味です)のキャラが活躍するちょっと
風変わりな短編小説。手元にもう本がないので各作品の感想が書けず残念なのですが、
ちょっぴりロマンスが入っていたりして、キュートな作品が多かったな。個人的に
一番キュンキュン来たのは、意志のある薔薇のお話。強面でクールな刑事が、殺人事件を
目撃したという薔薇に事件の証言を求めるのですが、薔薇はひとつの証言をする度に、
花びらを一枚落として行くんです。自らの命を削ってまで、真実を伝えようとする健気さに
心打たれました。ラスト、強面の刑事の薔薇に対する優しさも良かったなぁ。一番ミステリ的に
はっとさせられたのは『いとしいくねくね』。姿を見ると人を死においやる不思議な妖怪と
出会った少年の体験談が綴られて行くのですが(なぜか少年はその姿を見ても死にません)、
ラストにちょっとした仕掛けがあります。やるせないラストに切ない気持ちになりました。
人間と人間以外のキャラクターとのロマンスというのが面白い趣向だなーと思いました。
こういう設定ならまだまだいくらでも話が作れそうですよねぇ。第二弾を期待したいです。


竹内真「図書室のキリギリス」(双葉社
訳あって職を失った主人公が、学校で音楽教師を勤める友人の勧めで学校司書の職にありつき、
司書の仕事を通じて生徒たちと交流を深めて行く図書室小説。この手の本関係小説に目がない
ワタクシ、タイトルとちょっとした内容紹介だけで即予約。いろいろ上手く行きすぎな感は
否めなかったものの、司書の仕事に長年の憧れを抱いている身としては、羨ましさを感じつつ、
とても面白く読めました。全く本に興味のなかった生徒が、司書になった主人公と触れ合う
うちに、本の面白さに目覚めて行くところが読んでて嬉しかったですね。本によって興味のある
世界が広がったり、人と人の輪が繋がって行ったり。本好きとしては、そういうのがすごく
嬉しい。主人公が、読書ブログを書いていて、好きな本については熱く語り、趣味の合わない
本についてはけちょんけちょんにするってところにちょっぴり親近感を覚えたり(笑)。その
ブログを最初に面接した校長が読んでいたっていうのはちょっと出来すぎな気もしたんですが。
そもそも、有名人でもないのにブログを本名で書くなんて、いくら何でも今の時代にいるのかなぁ、
って辺りも引っ掛かりましたけど(フェイスブックとかならまだわかるけど^^;)。
主人公の特殊能力の設定はあまり必要性を感じませんでしたが、彼女が司書の仕事を通して
成長していく姿が爽やかに描かれていて良かったと思います。夫との関係の結末に関しては
ちょっと残念なところもありましたけど。彼女が図書委員の生徒たちと行うブックトーク
シーンは面白かった。実際に自分もやってみたいと思いました。ブックマークコンテストとかも
面白い趣向ですよね。私の通ってた学校ではそんなのなかったなぁ。これくらい図書室に力を
入れている学校に通ってみたかったな。自分が過去に読んだ本なんかがちょこちょこ登場するのも
嬉しかったな。スティーブン・キングの作品(ショーシャンクの空にの原作)とか、爆笑問題
の太田さんのマボロシの鳥』とかね。あの作品に関する私の感想が、それをブックトーク
取り上げた生徒の感想とほぼ同じだったので苦笑しちゃいました。ま、同じように思った人は
多いと思うけれどね。
初めましての作家さんでしたが(気になってはいた方なのですが)、なかなか楽しめる一冊でした。


綾辻行人「Another エピソード S」(角川書店
あの『Another』の続編!いや、まさか、また鳴ちゃんに会えるとは。感涙ものでした。
続編っていうよりは、スピンオフといった方がいいかもしれませんが、あとがきでその辺りの
(とりあえず続編と銘打ったことへの)経緯についても触れられています。
正直、本編の細かい設定をすっかり忘れていたので、三年三組の呪いの件とか、『・・・何だっけ?』
状態ではあったのですが(^^;)、本編知らなくても全く問題ないサイドストーリーだったので
面白く読めました。
鳴が件の夏休みのクラス合宿の前に夜見山を離れた一週間の間に体験した、ある幽霊との遭遇事件を
綴ったもの。
とても読みやすいのですらすら読めちゃいました。本編は確か700ページ超えの大作でしたが、
こちらはこじんまりとまとまってます。
鳴が出会った幽霊の正体に関しては、正直見当がつけられる人が多いんじゃないでしょうか。
私も、真相はそれほど意外ではなかったですし。なんとなく、そうかなぁと思っていたことが
当たったって感じでした。ただ、散りばめられた伏線が綺麗に繋がっているところはさすが
綾辻さん。この手の○○トリックはお手のもの、ですからねー。それだけに、ハードルが上がって、
意外性って意味ではあまりないかもしれませんが・・・。
でも、個人的には再び鳴ちゃんの活躍が読めただけで十分満足。相変わらず中学三年年とは思えない
くらいミステリアスで大人びた少女ですが。
そして、嬉しいことに、綾辻さんの中では更なる続編の構想がいくつかあるのだそう。これは
もう、ファンとしては是非とも書いて頂くしかないわけで。ほんと、お願いします、綾辻さんっ!!
相変わらず遠田志帆さんの表紙の鳴の美しいこと。眼帯しててこれだけ美少女っぷりを醸し出せる
のは鳴ちゃんしかいません(ほんとか?^^;)。読んでる途中、何度も表紙を見てウットリする
ワタクシなのでした(笑)。




と、今回はこんな三冊でありました。
連休中は台風も来そうだし(今どこにいるんだか知らないが)、部屋でおとなしく本を読もうかと。
その前にダンボールにしまったままの荷物を整理しろよ、という声がどこかから聞こえて
来そうですが・・・(苦笑)。