今回は二冊。最近またちょっと仕事が忙しいので、読むペースが落ち気味(職場の空き時間に
読めるかどうかが結構大きいのです^^;)。
読めるかどうかが結構大きいのです^^;)。
では、一冊づつ感想を。
岸田るり子「パリ症候群 愛と殺人のレシピ」(講談社)
パリを舞台にしたミステリー短篇集。最近行ってないですが、パリは大好きな街のひとつ
なので、久々に岸田さんに手を出してみました。
ミステリ的にはアレ?と思うものもありましたが、最後にピリッと毒が効いていて、なかなか
面白かったです。岸田さんの作品も結構イヤミスに近いものがありますよねぇ。
ラストの『青い絹の人形』なんか、もう、ほんとにイヤミス以外のなにものでもないって
感じ。まぁ、強欲な女の末路としては、自業自得の結末になって、若干スカッとした感も
あったのですけど。ミステリ的な面白さと後味の悪さが相まって、一番印象に残った作品。
冒頭の『パリ症候群』も、ラストで明かされる主人公の本性にうへぇ、って感じ。そこまで
計算出来るって、ある意味すごいとも思ったけれど。
二作目の『砂の住人―クロテロワ―』と三作目『砂の住人―依頼人』は時系列は前後
しているけれども、繋がった話。最初、この二作を読んでかなり腑に落ちない気持ちになったの
ですが、改めて再読して、やっと二作の繋がりが理解出来ました。二作を読んで、改めて
皮肉な結末だったな、とやるせ無い気持ちになったのだけれど。
四作目の『すべては二人のために』は、美術館の爆弾騒ぎから意外な事実が判明する話。
主人公の恋人が爆弾騒ぎに加担しているまでは何となくわかったのですが、主人公が
日本に帰ってから明らかになる、ある人物の思惑にはぞぞぞーっとしました。
全篇通して感じるのは、思いつめた女性って怖いなぁってことでしょうか・・・ひー。
パリを舞台にしたミステリー短篇集。最近行ってないですが、パリは大好きな街のひとつ
なので、久々に岸田さんに手を出してみました。
ミステリ的にはアレ?と思うものもありましたが、最後にピリッと毒が効いていて、なかなか
面白かったです。岸田さんの作品も結構イヤミスに近いものがありますよねぇ。
ラストの『青い絹の人形』なんか、もう、ほんとにイヤミス以外のなにものでもないって
感じ。まぁ、強欲な女の末路としては、自業自得の結末になって、若干スカッとした感も
あったのですけど。ミステリ的な面白さと後味の悪さが相まって、一番印象に残った作品。
冒頭の『パリ症候群』も、ラストで明かされる主人公の本性にうへぇ、って感じ。そこまで
計算出来るって、ある意味すごいとも思ったけれど。
二作目の『砂の住人―クロテロワ―』と三作目『砂の住人―依頼人』は時系列は前後
しているけれども、繋がった話。最初、この二作を読んでかなり腑に落ちない気持ちになったの
ですが、改めて再読して、やっと二作の繋がりが理解出来ました。二作を読んで、改めて
皮肉な結末だったな、とやるせ無い気持ちになったのだけれど。
四作目の『すべては二人のために』は、美術館の爆弾騒ぎから意外な事実が判明する話。
主人公の恋人が爆弾騒ぎに加担しているまでは何となくわかったのですが、主人公が
日本に帰ってから明らかになる、ある人物の思惑にはぞぞぞーっとしました。
全篇通して感じるのは、思いつめた女性って怖いなぁってことでしょうか・・・ひー。
柚木麻子「ねじまき片想い~おもちゃプランナー・宝子の冒険~」(東京創元社)
柚木さん最新作。今回も思い込みの激しい、なかなかに強烈なヒロインが出て来ます。
彼女の名前は富田宝子。おもちゃ会社のエースプランナー。彼女が入社以来、開発して大ヒット
したおもちゃは数知れず。開発チームでも、一目置かれた存在です。
ただ、そんなやり手の彼女ですが、恋愛に置いてはすべてが奥手。同じ相手に5年間も片想いの
まま、何のアクションも起こせずにいます。相手は取引先の売れないデザイナー。周りは、
なぜあんな男がいいのか理解できないというような冴えない人物。
けれども、そんな彼女の片想いに、会社の仲間たちはみんなじれったい思いをしています。
彼女の恋愛が上手く行かないと、彼女のプランナーとしての仕事も上手くいかなくなるのでは
ないかと恐れる仲間たちは、彼女の恋を応援しようとするのですが、奥手の彼女の恋はなかなか
進展せず、やきもきさせられっぱなし。
それでも、一途に片想いを続ける宝子は、彼の周りで度々起きるトラブルを、影から解決しようと
奮闘します。宝子の頑張りによって、彼が守られていることなど何ひとつ知らせずに・・・。
柚木さん最新作。今回も思い込みの激しい、なかなかに強烈なヒロインが出て来ます。
彼女の名前は富田宝子。おもちゃ会社のエースプランナー。彼女が入社以来、開発して大ヒット
したおもちゃは数知れず。開発チームでも、一目置かれた存在です。
ただ、そんなやり手の彼女ですが、恋愛に置いてはすべてが奥手。同じ相手に5年間も片想いの
まま、何のアクションも起こせずにいます。相手は取引先の売れないデザイナー。周りは、
なぜあんな男がいいのか理解できないというような冴えない人物。
けれども、そんな彼女の片想いに、会社の仲間たちはみんなじれったい思いをしています。
彼女の恋愛が上手く行かないと、彼女のプランナーとしての仕事も上手くいかなくなるのでは
ないかと恐れる仲間たちは、彼女の恋を応援しようとするのですが、奥手の彼女の恋はなかなか
進展せず、やきもきさせられっぱなし。
それでも、一途に片想いを続ける宝子は、彼の周りで度々起きるトラブルを、影から解決しようと
奮闘します。宝子の頑張りによって、彼が守られていることなど何ひとつ知らせずに・・・。
おもちゃプランナーならではの発想で、いろんな事件を解決に導く宝子さんのキャラはなかなかに
面白かったです。ただ、実際こういう人いたら、かなり痛い人だろうなぁ、とは思う。
想いを寄せる彼の為に頑張るのはいいのだけど、完全にいろんなことが空回りしているような・・・。
しかも、片想い相手の西島が、どう考えてもいい男に思えないんですよね。なんか、柚木さんって
ダメな男に振り回される女性を描くのがお好きなのかしら。
柚木さんには珍しくミステリ仕立てになっているのがちょっと新鮮でしたね。まぁ、あくまでも
ミステリ『風』なだけで、しっかりミステリになっているかというと、正直そのレベルには
達してないです。東京創元社からの依頼だから、ミステリっぽくしよう!と思われたのかな。
あんまり、ミステリとの相性は良くないのかも^^;
正直、宝子が恋する西島より、よっぽど浅草警察署の目黒警部補の方がいい男だと思いました。
彼が宝子に思いを打ち明けて、少しは何かが変わるかと期待したのに、次の話でガッカリ。
目黒さんも、なぜそっちに行くかなぁ?確かに、宝子に恋してても不毛だとは思うけどさ。
女の趣味悪すぎ。なんか、ほんとショックでした。
最後の宝子の恋の結末もなぁ。へ?何ソレ?ってちょっと唖然。今までは何だったんだー^^;
そこに気付くまでに時間かかりすぎでしょ・・・とがっくりしました。まぁ、それが恋って
ものなんでしょうけどもね。
面白かったのは間違いないのだけれど、ちょっと最後は尻窄みな印象だったかな。宝子が今後
どういう恋をしていくのか、すごく気になります。西島よりもいい男はいくらでもいると
思うぞ。でも、彼女は恋よりも仕事に生きた方が、イキイキとした人生を送れるのかもね。
面白かったです。ただ、実際こういう人いたら、かなり痛い人だろうなぁ、とは思う。
想いを寄せる彼の為に頑張るのはいいのだけど、完全にいろんなことが空回りしているような・・・。
しかも、片想い相手の西島が、どう考えてもいい男に思えないんですよね。なんか、柚木さんって
ダメな男に振り回される女性を描くのがお好きなのかしら。
柚木さんには珍しくミステリ仕立てになっているのがちょっと新鮮でしたね。まぁ、あくまでも
ミステリ『風』なだけで、しっかりミステリになっているかというと、正直そのレベルには
達してないです。東京創元社からの依頼だから、ミステリっぽくしよう!と思われたのかな。
あんまり、ミステリとの相性は良くないのかも^^;
正直、宝子が恋する西島より、よっぽど浅草警察署の目黒警部補の方がいい男だと思いました。
彼が宝子に思いを打ち明けて、少しは何かが変わるかと期待したのに、次の話でガッカリ。
目黒さんも、なぜそっちに行くかなぁ?確かに、宝子に恋してても不毛だとは思うけどさ。
女の趣味悪すぎ。なんか、ほんとショックでした。
最後の宝子の恋の結末もなぁ。へ?何ソレ?ってちょっと唖然。今までは何だったんだー^^;
そこに気付くまでに時間かかりすぎでしょ・・・とがっくりしました。まぁ、それが恋って
ものなんでしょうけどもね。
面白かったのは間違いないのだけれど、ちょっと最後は尻窄みな印象だったかな。宝子が今後
どういう恋をしていくのか、すごく気になります。西島よりもいい男はいくらでもいると
思うぞ。でも、彼女は恋よりも仕事に生きた方が、イキイキとした人生を送れるのかもね。