どもども。2月も早、半分を過ぎてしまいましたね。
寒いのもあと僅かですね。さすがにもう雪は降らないと思いたい・・・。
寒いのもあと僅かですね。さすがにもう雪は降らないと思いたい・・・。
読了本は今回も二冊です。
では、1冊づつ感想を~。
山本弘「幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部」(東京創元社)
ついこの間読んだビブリオバトルを題材にした青春小説のシリーズ第二弾。近々三巻が
出る予定らしいので、続けて読めて嬉しい。
今回は、実家が造り酒屋という埋火武人の自宅で開催される夏合宿でのビブリオバトルと、
公共図書館でのビブリオバトルの模様が描かれています。
武人の広大な自宅で行われるのは、『恐怖』をテーマにしたビブリオバトル。
観客は、ビブリオバトル部のいつものメンバー+武人の家族(父・母・祖母)。
空は相変わらずSF。短編集の一編をチョイス。ミーナは小野不由美さんの『魔性の子』。
部長の聡は、都市伝説のような怖い噂話ばかりを集め、その真相を独自に解明した噂の真相本。
武人も毎度の如くノンフィクションで、生活保護の怖ろしい実態を綴った実録書。
銀君は、ペナンガランという妖怪を紹介する為に選んだモンスター大図鑑。
明日香先輩は、『七時間目の怪談授業』という学校の怪談をテーマにした児童小説。
同じように<恐怖>というテーマを掲げながら、なかなかに、バラエティに富んでいますよね。
個人的には読み逃している小野不由美さんの『魔性の子』は読んでみたいと思いますが、
純粋に今回の紹介で面白そうだと思ったのは、噂の真相のやつかなぁ。都市伝説の
真相が解明されているなんて、気になるじゃないですか。生活保護の実態とかも
興味はあるのだけれど、ぶっちゃけ、わざわざ本で読む気にまでは、ならないのよね。
公共図書館で行われたのは、『戦争』がテーマ。私にとっては、かなり苦手なテーマ。
戦争ものって、どうしてもあまり手をつける気になれないんですよね。目を背けては
いけないテーマだというのはとてもよくわかるので、空たちのような年齢の子が
こういうテーマでものを考えるというのは、とても大事なことだと思うのですけど。
各自が取り上げた本については省略しますが、こちらのバトルで取り上げられた本で
読んでみたいと思うのはそんなになかったというのが正直なところ。辛うじて、銀君が
取り上げた宗田理さんのぼくらシリーズのやつかな。『ぼくらの七日間戦争』は、
原作も読んだし映画も観たし、大好きな作品だったので。あのシリーズがその後も
ずっと続いていて、彼らがどんどんリアルタイムで大人になっていっているとは、
全く知りませんでした。大人になった彼らがどうなっているのかは、純粋に気になるな。
まぁ、でも、あの子どもたちが中年になっているのは、あんまり想像したくないような
気がしないでもないけれど^^;;
ってわけで、武人の家でのビブリオバトルの方が私は面白かった。武人の家族も
みんないい人たちで、素敵だったし。部員たちが、お風呂に入ってプライベートな話をしたり、
不思議なカードゲームで遊んだりするシーンなんかも面白かったし。女子だけの女子会話で
盛り上がる場面なんかも等身大の高校生の実態が伺えて、楽しかったです。
個人的に非常に残念だったのは、真鶴高校ミステリ研究会の会長・早乙女さんの
ビブリオバトルが読めなかったこと。せっかくミステリ好きのキャラクターが出て
来たというのに!!次回持越しってことなんでしょうけども。でも、早乙女さん、
かなりの曲者キャラっぽいので、次回作ではBISとのビブリオバトルで大暴れして
くれそうな予感。いやぁ、楽しみ。早く出ないかな。
ついこの間読んだビブリオバトルを題材にした青春小説のシリーズ第二弾。近々三巻が
出る予定らしいので、続けて読めて嬉しい。
今回は、実家が造り酒屋という埋火武人の自宅で開催される夏合宿でのビブリオバトルと、
公共図書館でのビブリオバトルの模様が描かれています。
武人の広大な自宅で行われるのは、『恐怖』をテーマにしたビブリオバトル。
観客は、ビブリオバトル部のいつものメンバー+武人の家族(父・母・祖母)。
空は相変わらずSF。短編集の一編をチョイス。ミーナは小野不由美さんの『魔性の子』。
部長の聡は、都市伝説のような怖い噂話ばかりを集め、その真相を独自に解明した噂の真相本。
武人も毎度の如くノンフィクションで、生活保護の怖ろしい実態を綴った実録書。
銀君は、ペナンガランという妖怪を紹介する為に選んだモンスター大図鑑。
明日香先輩は、『七時間目の怪談授業』という学校の怪談をテーマにした児童小説。
同じように<恐怖>というテーマを掲げながら、なかなかに、バラエティに富んでいますよね。
個人的には読み逃している小野不由美さんの『魔性の子』は読んでみたいと思いますが、
純粋に今回の紹介で面白そうだと思ったのは、噂の真相のやつかなぁ。都市伝説の
真相が解明されているなんて、気になるじゃないですか。生活保護の実態とかも
興味はあるのだけれど、ぶっちゃけ、わざわざ本で読む気にまでは、ならないのよね。
公共図書館で行われたのは、『戦争』がテーマ。私にとっては、かなり苦手なテーマ。
戦争ものって、どうしてもあまり手をつける気になれないんですよね。目を背けては
いけないテーマだというのはとてもよくわかるので、空たちのような年齢の子が
こういうテーマでものを考えるというのは、とても大事なことだと思うのですけど。
各自が取り上げた本については省略しますが、こちらのバトルで取り上げられた本で
読んでみたいと思うのはそんなになかったというのが正直なところ。辛うじて、銀君が
取り上げた宗田理さんのぼくらシリーズのやつかな。『ぼくらの七日間戦争』は、
原作も読んだし映画も観たし、大好きな作品だったので。あのシリーズがその後も
ずっと続いていて、彼らがどんどんリアルタイムで大人になっていっているとは、
全く知りませんでした。大人になった彼らがどうなっているのかは、純粋に気になるな。
まぁ、でも、あの子どもたちが中年になっているのは、あんまり想像したくないような
気がしないでもないけれど^^;;
ってわけで、武人の家でのビブリオバトルの方が私は面白かった。武人の家族も
みんないい人たちで、素敵だったし。部員たちが、お風呂に入ってプライベートな話をしたり、
不思議なカードゲームで遊んだりするシーンなんかも面白かったし。女子だけの女子会話で
盛り上がる場面なんかも等身大の高校生の実態が伺えて、楽しかったです。
個人的に非常に残念だったのは、真鶴高校ミステリ研究会の会長・早乙女さんの
ビブリオバトルが読めなかったこと。せっかくミステリ好きのキャラクターが出て
来たというのに!!次回持越しってことなんでしょうけども。でも、早乙女さん、
かなりの曲者キャラっぽいので、次回作ではBISとのビブリオバトルで大暴れして
くれそうな予感。いやぁ、楽しみ。早く出ないかな。
津原泰水「クロニクル・アラウンド・ザ・クロック」(河出書房新社)
先に文庫の分冊バージョンから発売されて、その後単行本で一つにまとまったという
変わった経歴の作品。文庫で出ていたとは知りませんでした。
久々の津原作品でしたが、なかなか楽しめました。
人気ロックバンド『爛漫』のボーカル・ニッチが急逝するところから物語は始まります。
音楽ライターの娘で、絶対音感を持つ不登校児の向田くれないが、ニッチの兄鋭夫と共にその死の
謎を追って行く、というお話。
最初から最後までロックの音楽が行間から溢れて来るような作品でした。音楽とミステリを
融合させて、構成も凝っているので、とても読み応えのある作品に仕上がっていると思います。
ただ、惜しむらくは、引っ張った割には、ミステリとしての驚きが少なかったこと。
犯人の判明の仕方は、もう少し劇的な演出があっても良かったのではないかなぁ。
犯人が特定されてからの展開も。あっさり真犯人が特定されてしまうので、ちょっと
拍子抜けしてしまいました。
第一部で判明した犯人が、第二部で覆されるところなんかは、おお!と興奮したんだけどな。
第三部の展開がねぇ。できれば、最後にもう一捻り欲しかったかな、と。動機もちょっと
薄いような。それだけ濃い関係だったはずなのに、なぜ殺したのか?って点で、もう少し
納得がいく説明が欲しかった。
くれないとロックバンド『爛漫』の関係なんかは良かったのですけどね。第三部で、くれないと
鋭夫の距離が離れてしまったのが悲しかったな。爛漫のその後も。でも、それだけに、
ラストシーンのくれないからのアプローチが嬉しかった。その場では鋭夫にわかって
もらえなくても、いつかちゃんと伝わる筈。その想いが報われる日が来るといいなぁ。
でも、途中でくれないが、鋭夫とだけは結婚できない、みたいなことを考えるシーンが
あるので、どうなるのやら。
不登校児のくれないが、同じ中学の軽音楽部の後輩たちと交流するところも好きでした。
不器用だけど音楽に対して真っ直ぐな彼女たちと触れ合うことによって、学校嫌いの
くれないにも、少し変化が出て来るところが良かったです。学校はやっぱりくれないにとって
辛い場所ではあったのだけど。
その後の彼女たちのバンド『野薊』に、くれないが参加していると知った時は嬉しかったな。
くれないは、絶対にバンドでステージに上がるべき人だと思っていたから。本家のピアノの方では
どうなるのかわかりませんが、野薊での活動はずっと続けて欲しいな、と思います。
本編の後で、文庫版三冊分のあとがき+単行本版のあとがきが収録されているので、あとがきだけ
でもかなりの量が収録されています。その大部分がロック(音楽)についてなので、著者がいかに
ロックが好きなのかが伝わって来ました。まぁ、ロックの知識がない私にはほとんど
わけがわからなかったですが^^;;
あとがきによると、今後、スピンオフが書かれる予定もあるそうなので、楽しみにしていたいです。
先に文庫の分冊バージョンから発売されて、その後単行本で一つにまとまったという
変わった経歴の作品。文庫で出ていたとは知りませんでした。
久々の津原作品でしたが、なかなか楽しめました。
人気ロックバンド『爛漫』のボーカル・ニッチが急逝するところから物語は始まります。
音楽ライターの娘で、絶対音感を持つ不登校児の向田くれないが、ニッチの兄鋭夫と共にその死の
謎を追って行く、というお話。
最初から最後までロックの音楽が行間から溢れて来るような作品でした。音楽とミステリを
融合させて、構成も凝っているので、とても読み応えのある作品に仕上がっていると思います。
ただ、惜しむらくは、引っ張った割には、ミステリとしての驚きが少なかったこと。
犯人の判明の仕方は、もう少し劇的な演出があっても良かったのではないかなぁ。
犯人が特定されてからの展開も。あっさり真犯人が特定されてしまうので、ちょっと
拍子抜けしてしまいました。
第一部で判明した犯人が、第二部で覆されるところなんかは、おお!と興奮したんだけどな。
第三部の展開がねぇ。できれば、最後にもう一捻り欲しかったかな、と。動機もちょっと
薄いような。それだけ濃い関係だったはずなのに、なぜ殺したのか?って点で、もう少し
納得がいく説明が欲しかった。
くれないとロックバンド『爛漫』の関係なんかは良かったのですけどね。第三部で、くれないと
鋭夫の距離が離れてしまったのが悲しかったな。爛漫のその後も。でも、それだけに、
ラストシーンのくれないからのアプローチが嬉しかった。その場では鋭夫にわかって
もらえなくても、いつかちゃんと伝わる筈。その想いが報われる日が来るといいなぁ。
でも、途中でくれないが、鋭夫とだけは結婚できない、みたいなことを考えるシーンが
あるので、どうなるのやら。
不登校児のくれないが、同じ中学の軽音楽部の後輩たちと交流するところも好きでした。
不器用だけど音楽に対して真っ直ぐな彼女たちと触れ合うことによって、学校嫌いの
くれないにも、少し変化が出て来るところが良かったです。学校はやっぱりくれないにとって
辛い場所ではあったのだけど。
その後の彼女たちのバンド『野薊』に、くれないが参加していると知った時は嬉しかったな。
くれないは、絶対にバンドでステージに上がるべき人だと思っていたから。本家のピアノの方では
どうなるのかわかりませんが、野薊での活動はずっと続けて欲しいな、と思います。
本編の後で、文庫版三冊分のあとがき+単行本版のあとがきが収録されているので、あとがきだけ
でもかなりの量が収録されています。その大部分がロック(音楽)についてなので、著者がいかに
ロックが好きなのかが伝わって来ました。まぁ、ロックの知識がない私にはほとんど
わけがわからなかったですが^^;;
あとがきによると、今後、スピンオフが書かれる予定もあるそうなので、楽しみにしていたいです。