ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

秋川滝美「居酒屋ぼったくり6」/彩瀬まる「朝が来るまでそばにいる」

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こんばんは~。
押し迫って来ましたねぇ。といっても、相変わらず全然年の瀬って感じが
していないのですけれど^^;仕事だけは死ぬ程忙しいです。理由あってこの忙しい
時期に人手が足りず、仕方がないので私が駆り出されてる状態なんですけども。本来なら
もう少し余裕がある筈なのに・・・(涙)。
あともう少しだから頑張ろう。年賀状も作らなきゃなぁ。年末掃除は、相方が休みの日に
せっせと進めているもよう(←掃除大好き人間)。ありがたや。


今回は二冊です。


秋川滝美「居酒屋ぼったくり6」(アルファポリス
シリーズ第六弾。早っ。前巻で、居酒屋ぼったくり店主の美音さんと常連客の
要さんの仲がついに進展し、ファンを悶えまくらせたのは記憶に新しく。
二人がどうなるのかわくわくしながら読み始めました。一章目から飛ばして
くれてます。
居酒屋ぼったくりは、毎年秋の時期に三連休を取るのだそう。休みの過ごし方は
姉妹それぞれ。せっかくの三連休、両想いになった要さんを誘って休日デートでも
すればいいのに、要さんの仕事の忙しさを気にして、休みのことを一切彼に
告げようとしない美音さんの態度に、ちょっとじれったい気持ちになりました。
相手を慮る美音さんの優しい性格は彼女の美点だとは思うけれど。でも、
それを妹の馨から教えられてスネる要さんの気持ちもよくわかるなぁ。
仕事が忙しいからこそ、恋人と過ごせる時間が何よりの癒やしになるのに。
恋愛初心者の美音さんには、その辺りの気持ちの機微がわからないので
しょうけれど。そういう不器用で奥ゆかしいところが可愛らしいのだけどもね。
それにしても、美音さんの休みを聞いて、要さんが用意したデートの行き先が、
競技花火大会とは。かなりの恋愛上級者なのでは?しかも仕事先の人から
譲り受けたとはいえ、特等席。ああ、なんて羨ましいの!秋の花火大会なんて、
風流でいいですよねぇ。うっとり。しかし、最後に極めつけの悶えポイントがっ!
美音さんたら、なんて大胆なことを!!そんな行動に出られる人間だなんて
思わなかったわー。恋は人を変えるのねっ(誰だよ^^;)。それを受けての
要さんの行動がまた。きゃー!ばたばた。キュン死にしました。
一章目でソレだったんで、その後どうなっちゃうのー、と思いましたが、その後は
またいつもの常連客たちのお話に戻りました。
・・・と思って油断してたら、またも萌え回がっ。3章目の『釣り合わぬ恋』ラスト
から、4章目の『路地裏の出来事』冒頭にかけて、二人の仲が急展開。いやぁ、
もう、ありがとうございます。お腹いっぱいです・・・。
今回も美味しいものもたくさん出て来たんですけどね。そういうの、全部
吹っ飛んじゃいました(苦笑)。このシリーズで、ここまで萌えさせてもらえる
とは思わなかったよ。ほんとに。
しかし、要さんの身の上には何かあるだろうなーと思っていましたが、あそこまで
大物とはね。二人が甘々なだけに、今後、その身分の違いで問題が起きなければ
いいのだけど。美音さんがいろいろと諦めているところが気になるなぁ。
居酒屋店主という立場で引け目を感じるのはわかるけれど。二人には
幸せになって欲しいのだけどな。
それにしても、美音さんって、本当に何のお料理でも作れるんですね。
居酒屋店主なのに、モンブランまで作れてしまうとはね。毎度ながら、
感心しきりでした。


彩瀬まる「朝が来るまでそばにいる」(新潮社)
綾瀬さんの新刊。今回は、ちょっとダークな短編集。端正な文章は変わらず
ですが、時折グロい描写が挟まって、読み心地は何ともざらりとした感じ。
特に、多くの作品がエグいものを『食べる』描写が入っていて、ちょっと
読むのがキツかった。この作品集のテーマが、『得体の知れないモノを
食べる(飲み込む)』ことなんじゃないかと思います。飲み込んで、
自分の身体に取り込むことで、自分の中で何かが変わって行く・・・。
ちょっと、ホラーめいた作品が多かったです。得体の知れないものを
食べるって、自分にはちょっとした恐怖。特に、二話目の『ゆびのいと』
で出て来たような、何の肉かわからない黒い塊なんてモノを食べろと
言われた日には・・・しかも、生臭くてまずいとか絶対無理。結局、
どの作品に出て来たモノも、その正体はわからず仕舞いなのが、
余計に怖さを助長させていたように思います。正体のわからないもの
って、それだけで何か怖いって思ってしまう。そういう、人間の
心理をよくついていたように思います。
ただ、ホラーを狙ったとしたらそこまで怖くはないし、ひとつひとつの作品も
はっきりしたオチがあるとは言えず、物語としてもちょっと中途半端な
印象は否めませんでした。一話目の『君の心臓をいだくまで』に出て来た
謎の鳥女の正体なんかもわからないままだし、『明滅』の夫婦の関係や
会話も、いまいちピンと来なかったし。だから?って感じの話がほとんど
だった。観念的な話っていうのかなぁ。もちろん、それを狙って書いているのは
わかるのですけど。
文章センスはやっぱり素晴らしいものがあるな、とは思ったのですが、今回の
お話は個人的にはどれもあんまり好きじゃなかったです。
同じ『食べる』をテーマにするなら、やっぱり美味しいものの方が良いなぁ。
こういう、グロテスクなものを食べるというのは、ちょっと・・・。
でも、こういう作品も書けるんだなぁと新鮮には思いました。
いろんな引き出しを持っていそうです。いずれ賞レースに名前が挙がって
来るんじゃないかな。






前回に引き続き、ここから余談。
収穫したレモンですが、はちみつレモンにしてみました。
検索したら、いろいろレシピがあったんですが、一番シンプルな、
はちみつとレモンだけで作りました。
我が家のレモンちゃん、切ってみたら、皮がとっても薄くて、ほぼ90%くらい果肉。
その断面に、しばし感動(親バカ?w)。一つしか出来なかったから、
栄養が集中したからかも?
毎日かき混ぜないといけないらしいので、地道に混ぜ混ぜしております。
そろそろ食べ頃かなぁ。うふふ。

 

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我が家レモンだけだと物足りないので、冷蔵庫にあった国産レモンもひとつ
足して作りました。