ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

柚木麻子「とりあえずお湯わかせ」(NHK出版)

柚木さんのコロナ前~コロナ真っ只中までの四年間を綴ったエッセイ集。柚木さん

のエッセイ読むのは初めてじゃないかな?NHKテキスト『きょうの料理ビギナーズ

に掲載されたものを中心に、それ以外のところで掲載されたものもちらほら入って

いるもよう。

掲載されている場所が場所なだけに、料理に関するお話も多かったです。作品から

も感じていましたが、柚木さんって、とても料理の知識が広いようですね。御本人

もお料理するのが大好きみたいですし。手間のかかる料理も楽しそうに作って

らっしゃるし、すごいなぁと感心するばかりでした。

コロナ前のエッセイは、柚木さんの食にかける行動力に驚かされましたが(自宅を

ホームパーティするのに開放したり、食べたいものを食べる為ならいろんな情熱を

傾けて実現させようとしたり・・・)、コロナが始まると、生活が一転。ここまで

極端に変わる人も珍しいのでは?というくらいの激変っぷりでした。柚木さん

御本人が肺に疾患があるそうで、とにかく感染対策は徹底的に行わなければ

ならない、という意識が強くて驚かされました。家庭内では、外に仕事に行く

旦那さんとは完全に生活を分けて会わないようにしているし、食材や日用雑貨等の

買い物も、ほぼすべて旦那さんが担当。あれだけ外食が好きだった柚木さんが、

外食どころか、外出自体を全くしなくなるという。そうした激変した生活が、

少しづつ柚木さんの心に影を落として行く。その様子が赤裸々に語られていて、

胸が痛くなりました。しかも、柚木さんは、コロナが始まる直前に出産しています。

旦那さんが激務の為、家事育児はほぼ柚木さんに委ねられた中で始まったコロナ禍。

さぞかししんどかったでしょうね・・・しかも、それが今現在も続いている訳

ですから。朝井リョウさんのエッセイに登場する柚木さんはいつでも明るくて

バイタリティ溢れる女性って印象だったので、コロナがここまで柚木さんの生活に

悪影響を与えているとは、驚きました。

ただ、そうはいっても、どん底まで落ちたところから、後半は時間が進むごとに

少しづつ前を向いて行こうと意識が変わっている様子も伺えました。世間のコロナ

に対する認識の変化もあったと思いますが。株が変わるごとに弱毒化しているのは

間違いないところですし、共存していくしかないという風潮に変わっていますからね。

開き直って、今を精一杯生きるしかないっていうのが、今の日本の共通認識じゃ

ないのかな。まぁ、こればっかりは人にもよると思いますけれどね。

日常を描いたエッセイなのは間違いないのですが、コロナのせいで、全体的な

トーンは暗めだったように思います。ただ、好きな分野のお話に関しては、柚木

さんのバイタリティ溢れる筆致が光っていたと思います。特に食べ物関係のお話は、

描写力があるので、お腹が空いて困りました・・・。

一点、気になったのは、やたらにフェミニズムを主張しているところ。今の世の中で

女性の権利を主張するのも当然の流れではあるのですが・・・こういうエッセイでは、

個人的には、あまりそういう個人の主張を読みたくないんですよね。特に出産した

女性の権利に対する思いが強いようで。終盤に、あるお笑い芸人さんが新幹線の中で

二時間半子供に話しかけ続けた女性が、うるさかったと揶揄して炎上した、という

話が出て来るのですが。確かに、子供がぐずって言うこと聞かなくて仕方なしに

ずっとしゃべり続けていたのかもしれません・・・。ただ、片方の意見だけ聞いて、

どちらが悪いとも言い切れないとは思うのです。柚木さんは当然ながら小さな

お子さんがいるのでその女性を養護しているのですけど。でも、新幹線の中で

寝ようと思っていた人がいて、すぐそばでずーっと話されていて、うるさくて眠れ

なかったとしたら。それはそれで、迷惑なのも間違いない話で。芸人さんの気持ちも

わかるけどなぁと、私は思ってしまいました。子供を抱えたお母さんが大変なのは、

もちろん理解しているつもりですけれど。でも、子供がいない私には、結局想像

するくらいしか出来ないですし、もし私がその芸人さんと同じ立場だったら

うるさいって感じちゃうだろうし。逆に、子供をあやしていたお母さんの立場

だったら、また違った感想になるでしょうけど。ただ、完全にそのお母さんの

味方をしている柚木さんの書き方に、少し違和感を覚えてしまったのも事実でした

(ちょっと何言ってるかわからなくなってきた。すみません・・・)。

どちらにしても、双方、少しづつ相手への気遣いが足りてなかったのかな、と

思いました。

柚木さんの作風とも少しリンクするところがあるような、柚木さんらしいエッセイと

云えるかもしれません。

青山美智子「いつもの木曜日」(宝島社)

『木曜日にはココアを』に繋がる、前日譚を集めた掌編集。絵本のような体裁で、

本文も3~5ページ程度しかないので、トータルで30分くらいで読めます。

この間読んだ青山さんのもそんな感じでしたけど^^;予約本ラッシュだった

から、さくっと気を抜いて読めるこういうタイプの作品はありがたい。本読んだ

って感じにはならないけど・・・^^;

『木曜日~』に出て来た主人公たちのそれぞれの前日譚ということなので、

あちらの作品と並べて読むのが正解なんでしょうが、もちろん手元にはない訳で。

ああ、そういえばこういうキャラいたな~ってなんとなく思い出しながら読み

ました。各タイトルページの写真には、ミニチュア作家の田中達也さんの作品

が載っていて、それも可愛らしくて癒やされました。合間に挟まれるイラストも

かわいいですし。内容も、凹んでいた心がほんの少し前向きになれるような、

優しさに溢れたメッセージが伝わるものばかりでした。

なぜかシドニー編にあのミクジらしき猫が出現したところにはビックリ。神様(?)

だから、神出鬼没なのかしらん。ミクジは、世界中の人々を幸せにしているんだね。

冒頭に、マーブル・カフェのオーナーのお話も入っております。早朝にこっそり

来ていたりするんですね。ワタルくんはマスターがいた気配に気づいていたり

するんじゃないかなぁと思ったりもするけど、どうなんでしょうね。

こころがほっこり温かくなる一冊でした。

 

 

米澤穂信「栞と嘘の季節」(集英社)

とても気に入っていた『本と鍵の季節』の図書委員コンビが帰って来ました。続編

書いて欲しいと思っていたから、読めて嬉しい。とはいえ、前作が出てから三年

が経っているので、細かい設定とかすっかり忘れちゃってて。主役の二人のことは

さすがに覚えてましたけど。後輩の植田君とか、全然覚えてなかったです^^;

今回結構重要な役回りなんですけどね・・・。彼のお兄さんが出て来たことは

記憶の片隅に残っていたけれど。自分の一作目の記事読んで、なんとなく思い出し

ましたけども。年々、記憶力が低下の一途を辿っている・・・。まぁ、そもそも、

こうして読書ブログをやっているのも、読んだ本を忘れない為にと始めたこと

なのだけれど。記事を残したところで、結局ほとんど思い出せないっていうね。

困ったものです・・・。

主役の二人、次郎と詩門のつかず離れずの微妙な友情関係が今回も良かったです。

詩門のプライベートに敢えて踏み込まないように距離を取っている次郎の淡々と

した性格は、冷たいようで、とても優しく高校生とは思えないくらい人間が出来て

いるように思う。人間、誰だって踏み込まれたくない領域はあるものですから。

そういう配慮が出来るって時点で、十代とは思えないくらい達観してますよね。

詩門は詩門で、とても高校生とは思えないくらい老獪な思考力を持っているし。

この二人の会話読んでいると、とても高校生とは思えないです。私が二人の

相手したら、理解力がなさすぎてめっちゃ呆れられそう・・・会話したくない^^;

今回は、高校生とは思えない新キャラがもう一人出て来ます。女優のように美しい、

二人と同学年の瀬野さん。最初はとっつきにくい人かと思いましたが、二人と

ある目的の為に行動を共にするようになってからは、少しづつ印象も変わって

行きました。あんな栞を世に送り出したことで、罪深いところもあるとは思いますが

・・・。

そう、今回は、危険な栞を巡る物語。ある花の押し花で作られた栞を見つけた

次郎と詩門は、それが邪まな意図で作られたものではないかと危惧し、持ち主を

捜すことに。すると、写真部の生徒が写真のコンテストで賞を撮った写真に写る

女子生徒が、その花を持っていることに気づく。そこで、写真を撮った本人に

撮った場所を聞くと、校舎の裏だと言う。二人が校舎裏に行ってみると、そこで

一人の女子生徒がうずくまって何かをしているところに行き合った。女子生徒の名前は

瀬野で、校内でも有名な女子だった。詩門とは顔見知りのようだったが、二人の

態度はどこかぎこちなかった。瀬野が行ってしまった後、二人で彼女がうずくまって

いた場所を調べてみると、そこには例の花の塊根が埋まっていた。そして、後日、

生徒にパワハラをしていると噂の教師が救急搬送される事態に――。

ちょいちょい、腑に落ちないものを感じるお話ではありました。女子中学生が

『切り札』にするのに、こういうものを選ぶってところもだし、写真のコンテスト

で女子生徒がこんな花を持っている写真を入賞させるか、というところもだし、

そもそも、被写体に素手で持ってもらって大丈夫な花なのかって時点でも疑問を

覚えたし(記事を書くにあたって、ウィキペディアでこの花のことを調べて

みたら、摘んだくらいで死ぬことはないが、傷のない皮膚や粘膜でも中毒を起こす

可能性はあり、素手では触らない方が良いみたいなことが書いてあった)。

栞を広めた人物の動機に関しても、ちょっと理解できかねるものがありました。

この人物に関しても、年齢にはそぐわない言動するなぁって思いましたし、身勝手

すぎるその言動には空恐ろしいものを感じました。米澤さんの青春ミステリは

とても好きなのだけれど、どうにも年齢とその言動にギャップを感じてしまうの

ですよね・・・。まぁ、そこが米澤ミステリの良いところとも云えるのですけれど。

ほろ苦いというよりは、どす黒い青春ミステリって感じでしたね^^;

このシリーズは、前作のように連作短編形式の方が良いような気がするなぁ。

前作のように、合間に次郎と詩門の日常を描いたほっと出来るシーンとかももっと

読みたいです。長編だと、なかなかそういうシーンが出てこないから。どす黒い

だけのお話だと、二人のキャラの相性の良さがあまり見えてこなくて勿体ない。

図書委員としての二人の日常業務とかももっと書いて欲しいな~。

もちろん、面白く読んだのは間違いないです。やっぱりこのシリーズ大好きですし。

今後も続いて欲しいシリーズです。

奥田英朗「リバー」(集英社)

奥田さんの最新作。648ページの長編。いやぁ、読んでも読んでも終わらなくて、

一週間くらいかかったかなぁ。面白くない訳じゃないので挫折とかは全くなかった

けれど、犯人逮捕までがとにかく長くて長くて。同じ事件を複数の人物の視点から

語られる為、登場人物もかなり膨大だし。同時間に起きた出来事を複数の視点で

追って行く形なので、良く言えばとても丁寧、悪く言えば非常に回りくどい、

というのが正直な感想。ただ、明らかにクロだとわかる犯人でも、明確な証拠が

なければ、ここまで警察は逮捕出来ないものなんだなぁというのが非常によく

わかる作品でした。実際の犯罪捜査の内情はきっとこんな感じなんだろうなと

思わされました。これこそまさに、疑わしきは罰せずの典型的な例じゃない

でしょうか。

ベースとなるのは、群馬と栃木を流れる渡良瀬川の河川敷で起きた、若い女性を

ターゲットにした連続殺人事件。十年前にもほぼ同様の手口で若い女性が続けて

殺された事件が起きており、犯人は未逮捕のままだった為、同一犯の犯行が

疑われた。警察は、十年前に被疑者となったが、証拠不十分で起訴出来なかった

男を再びマークするが、調べを続けるうちに新たな容疑者が浮かびあがり――。

群馬県警の刑事、栃木県警の刑事、十年前の事件の被害者の父親、若手の女性

新聞記者、容疑者と目された男の恋人・・・いろんな人の視点から事件が追われて

行きます。群馬と栃木の刑事は、メインに出て来る群馬のイチウマ(斎藤一馬)

くらいしか記憶に残らなかったなぁ。刑事いっぱい出て来るんだけど。その他

大勢、みたいな印象。あとリタイアした元刑事の滝本はいろんな意味で記憶に

残ったけど。登場人物で他に印象的だったのは、十年前の事件の被害者の父親、

松岡ですね。20歳の愛娘を殺され、犯人も捕まっていないという点は非常に

同情すべき人物ではあるのですが・・・その行き過ぎた言動には何度も辟易

させられました。途中から目の病気で、片目がほとんど見えないような状態

になったにも関わらず、車を運転しまくるし。そのうち事故るんじゃないかと

ヒヤヒヤしました(結局その最悪の事態は起きなかったのでほっとしましたが)。

まぁ、不甲斐ない警察に任せていては犯人はいつまで経っても捕まらない、と

焦る心情は理解出来るのですけどね・・・。犯人を捕まえたいという執念は

凄まじいものがあり、途中からはもう、その言動は狂気の沙汰でしたね。警察

だけじゃなく、妻や息子さえも引いてしまっていて、周囲から孤立して行くところは

ちょっと哀れになりました。最後まで好感は持てなかったですけどね。

肝心の犯人に関しては、三人の容疑者がいる中で、中盤以降はもう、ほぼある一人

の人物で決まりだろう、という流れになっていくのですが、証拠が見つからない為、

逮捕に至らない。そこからがまた長い、長い。少しづつ外堀を埋めていって、

とりあえず微罪で別件逮捕までは持って行くのだけれど、ひたすら黙秘。何日間

拘留してもひたすら黙秘。どう考えてもこの男が犯人だろう、という証拠も

上がって来るものの、決定打になるものではない上に自供もない為、事件は一向に

解決に至らない。その辺りの駆け引きは緊迫感もありましたし、非常にリアル

でしたね。なかなか事件が動かないから、若干中だるみ感もありましたけどね。

非常に読み応えのある犯罪小説だったのは間違いないです。ただ、最後まで

犯人の心情が一切出て来なかった為、動機がよくわからないままだったのは

ちょっと消化不良だったかな。まぁ、なんとなく推察出来るものはあるのです

けれども。

容疑者の一人である県議の息子・健太郎の多重人格ネタには面食らいましたが、

犯罪心理学者の篠田とのやり取りは面白かったです。篠田の飄々としたキャラは

作品中一番個性があって好きだったかも。他に好感持てる人物がほとんどいなかった

せいもありますけどね^^;終盤、この健太郎が予想外の形で事件に関わって

いて、かなり驚かされました。

しかし、この事件、裁判はどうなるんでしょう。判決もどんな形で下されるのか。

どうせなら、そこまで書いてもらいたかったなぁ。判決下るまで、時間も相当

かかりそうですけどね。犯人は完全にサイコパスだと思うので、きちんと罪を

暴いてきちんと判決を下して欲しい。

あと、ひとつ気になったのは、松岡の娘がなぜターゲットに選ばれたのか。松岡は

娘を信じていたけど、娘が何らかの火遊びをしていたのは間違いないんでしょうね

・・・。裁判でその辺りを犯人が証言するとは考えにくいけど、もしその場合、

松岡はどうなってしまうのでしょうかね・・・。そこはちょっと気になりました。

 

腕がしびれましたが(外出先には分厚すぎて持って行けなかった^^;)、

奥田さんらしい読み応え十分のクライム・サスペンスでした。

 

 

静岡旅行記~掛川花鳥園に行って来た!~

どもども、みなさまこんばんはー。世の中、W杯で大盛りあがりですねっ。

かくいう私も、大盛りあがりの一人なんですが(笑)。しかし、本当に

ごめんなさいですが、今回の代表、ここまでやってくれるって予想して

なかったです。だって、同組にスペイン、ドイツですよ!?誰が勝ち上がるって

思います?コスタリカだって、侮れるようなところじゃないですし。こりゃ、

予選突破は厳しいだろう、と思うじゃないですが・・・。ところが、ところが

ですよ(by。翡翠ちゃん)。大幅の予想を裏切って、ドイツ・スペインを撃破。

なぜかコスタリカに負けるっていう訳のわからない戦績。まぁ、何にせよ、

16強に残ってくれたことは本当に、心から嬉しい。今日はこれから運命の

クロアチア戦。クロアチアはかなりの強敵だけれど、また奇跡を起こしてほしい。

ジャイキリして、8強に残ってくれ~~~~。

 

とと、脱線、脱線。軌道修正しまして、先日ワタクシ、一泊二日で静岡へ

旅行に行って参りました。旅の一番の目的は、掛川花鳥園に行くこと。

最近、我が家では鳥さん大好きブームが来てまして。もともと小さな野鳥とか

見るのは好きだったんですが、ふとYou Tubeハクセキレイヨウムの動画を

観たら、これがハマっちゃいまして。鳥さんかわいいなぁ、熱に二人で冒され

てしまい。鳥好きにはたまらない場所という掛川花鳥園の噂を入手して、いつか

行ってみたいとずっと言っていて。せっかく旅行支援もあることだし、行って

みよう!となった次第。鳥さん苦手な方は、ここから先の画像は観ない方が

良いかもしれません。

 

ではでは、お暇な方だけお付き合いくださいませ~。

 

当日は、朝5時に起床。掛川花鳥園の開園時間が9時なので、できればそれまでに

着けるように出発したいが、相方が前日夜勤明けだった為、これ以上の早起きは

危険と判断。片道3時間以上はかかる為、出発が6時半を過ぎてしまい、若干

開園時間より遅くなってしまうが致し方ない。そそくさと支度をしていざ出発。

高速道路は空いていて、トイレ休憩に一度PAに寄ったくらいで、まっすぐ目的地へ。

着いたのは9時半くらい。

 

掛川花鳥園入り口。

駐車場も広いので、難なく停められた。入り口で入園券と、園内で使える

餌やりチケット5枚綴り券☓2を買う。500円で600円分の餌やりチケット

が買えるので、餌やり体験がしたい人は絶対買った方がお得。使い切れるのかな?

と思いながら買ったのだが、いろいろ使えるスポットがある為、最終的には足り

なかった・・・。もちろん、園内で現金で払っても大丈夫。

 

入ってすぐにふくろうコーナー。いろんなふくろうさんがお出迎えしてくれる。

か、かわいい~~~~。

名前の写真を撮らなかったので、どんな種類か忘れてしまった(すみません)。

 

なぜか同じ向き(笑)。

 

この子はミミズクかな?お耳があるので。

 

この子はハリポタに出て来るあの子ですね。シロフクロウさん。

真っ白できれい~。

 

ふくろうコーナーをすぎると、ペンギンプールと反対側にオシドリたちが泳ぐ

池が出現。

 

ペンギンさんたちがいっぱい泳いでる。餌やり体験も出来る。もちろん

餌やりチケットを払って体験。一回3百円だったかな(三枚分)。カットした

小魚が三切れ入ってました。

 

ペンギンプールを過ぎたら屋内展示場へ。ここは鳥さんたちの放し飼いスポット。

檻に入った子もいるけれど、基本的にはケージなどがないので、すぐ近くで

観察できる。

 

放し飼いスポットのフクロウさんたちは基本、ほぼ動かなかった。夜行性だもんね。

 

ひさすらじーっとしている。置物みたい(笑)。

 

この子は木の枝に擬態してて、最初どこにいるのかわからなかった(笑)。

 

この子はモモイロインコちゃんかな?かわいい色~。

 

そして、私の大好きなヨウムさん!!とってもとっても賢いのです。

おしゃべりもします(オハヨー、ハローとかw)。尾羽が赤いのが特徴

なんだけど、写真撮れてなくてガッカリ^^;

 

ヨウムさんたちがいるコーナーを抜けると、ふれあいコーナー。

エサやりチケット三枚を払って、一つづつ餌を買う(餌はサイコロ上に

カットしたリンゴが小さなカップに入っている)。カップを持った瞬間、

鳥さんたちが速攻やって来た。私も相方も三匹くらいしか来なかったけど、

中には体中に鳥さんが止まってる人もいた(うらやま・・・)。

 

この子たちはコガネメキシコインコちゃん。園内にものすごい数が放鳥

されている。朝一だとお腹が空いていて、すぐに餌に食いついてくれるらしいが、

午後になるとそうでもないらしい(が、午後再び訪れた時、鳥まみれになっている

人を見かけたので、そうでもないようだ)。

 

肩や頭にも乗ってくれる。人懐っこい愛らしいインコちゃん。カラフルですよね~。

 

花鳥園というだけあって、園内にはお花もたくさん。

 

睡蓮の池。巨大古代魚から小魚まで、ものすごい数のお魚が生息している。

 

白い孔雀さん。きれい~。

 

そしてそして、掛川花鳥園といえば!

 

ハシビロコウのふたばちゃん。

 

園内の一番奥にいました。

ハシビロコウといえば、動かない鳥というので有名だが、ここのふたばちゃんは、

かなりよく動く。特に、飼育員さんがいると、ちょいちょい動くところが

見られるもよう。飼育員さん曰く、朝はよく動き回るそうだ。運がいいと、

飛んでいるところも見れる筈。行くなら朝が狙い目だそうな。

 

ふたばちゃん。唇をたたき合わせるクラッタリングをしているところも見られた。

 

毎日決まった時間に、いろんな鳥さんによるバードショーが催されている。

面白かったのが、外で行われるイベント。寒かったけど。

ヘビクイワシがおもちゃのへびを獲物と見なしてキックするところは

一見の価値あり。おもちゃのへび相手に必死にけりけりしている

ヘビクイワシがとってもキュートで可笑しかった。

 

ヘビクイワシ 初めて見たが、結構でかい。

 

 

こちらはオニオオハシに餌やり中。肩に乗って餌食べてくれた~。

 

お昼は園内のイートインで富士宮焼きそば。相方は無難にカレーを選んでいたw

味はまぁ・・・普通w


ブログ映え用にオカメインコを模したアイスを頼む。

味はまぁ・・・う、うん。映え用だからさ。一応クリスマス仕様w

 

屋内イベントでは、インコ・ペンギン・ふくろうなど、日によって登場する鳥が

違うらしいが、いろんな鳥さんたちの芸達者なショーが見られる。

 

ミヤマオウムのオリーブ君のボルダリング風景。ちゃんと一番上まで器用に

登って行くのがすごい。

 

ペンギンさんによる障害物レース。もう一匹とタイムを競う。

 

他にも、ヨウムのアンソニー君のバードショーもあったのだけど、そちらは

動画で撮った為、紹介できず残念。ヨウムさんは本当に賢かった。

とにかく、鳥さん好き心をくすぐるスポットやイベントがいっぱい。

他にも、ペンギンさんやチビふくろうさんと写真を撮ったりして、

一日楽しんだ。鳥さん好きには是非行ってみてもらいたい動物園だ。

 

掛川花鳥園を出たら、宿泊予定のホテルへ。泊まったのは、焼津市にある

ホテルアンビア松風閣さん。海に面した山の上に建っているので、

眺めが最高だった。

 

ホテルアンビア松風閣さん。

 

お部屋はこんな感じ。昔ながらのホテルの和室って感じ。海が見えますね~。

 

ホテルからの夕日。きれいだったなぁ。

 

夕食一例。他にもいろいろ出た。私はお腹いっぱいになったけど、相方は

ちょっと物足りなかったそうな。焼津港が近いからか、お刺身が美味しかった

(基本的にはあまり好きじゃないのだけど)。

 

朝食はバイキング。和洋品数はいろいろ。目の前で作ってくれるしらす入り

オムレツがとっても美味しかった。そして、温泉卵は鉄板ね(笑)。

 

お風呂は内風呂は普通の沸かし湯だが、外の露天風呂は温泉。塩分を含んだ

温泉だが、さらっとしていてとても入りやすい。泉質は本当に良かった。

当然ながら、宿泊中に三回は入った(笑)。

 

旅行支援でおみやげクーポンをもらったので、帰りにサービスエリアに

寄っておみやげを買った。

一人三千円×2=6千円分あったのだが、あっという間に使い切って

しまった(苦笑)。

 

駿河湾沼津SA。新しい施設みたいで、トイレも建物もキレイだった。



一泊二日の強行スケジュールだったが、念願の掛川花鳥園も満喫出来たし、
ホテルも眺めが良くてお風呂も料理もなかなか良かったし、良い旅だった。
やっぱり旅行はいいなぁ。楽しかった~。

コロナ感染者がまた少し増えて来たので、今後どうなるかわからないけれど、

また行きたいな。

 

長々と読んで下さった方、どうもありがとうございました。

 

 

 

池井戸潤「ハヤブサ消防団」(集英社)

池井戸さんの最新刊。470ページ超えのなかなかの長編。まぁ、今読んでる作品

は600ページ超えなので、更に分厚いのですが^^;いつもの池井戸作品に比べる

と、情景描写とか状況説明が多いせいか、ちょっと読むのに時間がかかってしまい

ました。のどかな田舎町で起きる、不穏な連続放火事件を描いたサスペンス・

ミステリーって感じでしょうか。

主人公は本格ミステリ作家の三馬太郎。離婚した父親が亡くなった際、父親の故郷の

自宅を相続した太郎は、ふとしたきっかけで父親の故郷であるU県S郡の、八百万町

ハヤブサ地区を訪れる。風通しの為に父の自宅を訪れてみると、自宅から見る

八百万の町並みや周囲の自然の美しさに感動し、東京の自宅を引き払って、

こちらに移住する決意をする。近所の人たちは、太郎が父親の息子だと知ると、

太郎の移住を歓迎してくれた。地元の居酒屋で歓迎会を開いてくれると言うので

参加すると、そこで太郎は地元の消防団に入団することを勧められる。初めは

戸惑ったものの、地元の若い衆はみな入っていると言われて入団することに。

すると、のどかな集落だと思っていたハヤブサ地区で、最近放火事件が相次いで

いることを知る。太郎は次第に、この連続放火事件の裏に潜む不穏な存在に

気づき始めるが――。

タイトルから、太郎が入団したハヤブサ消防団の活動をメインに描いたもう少し

軽妙な雰囲気の作品を想像していたのですが、不穏な連続放火事件をテーマに

した、予想外にシリアスなサスペンス作品でした。連続放火の裏には、得体の

しれない新興宗教団体が関わっているし。どうしたって、あの首相の暗殺事件を

思い出してしまいがちですが、本書が連載されていたのは当然ながら事件よりも

ずっと前のことであり。新興宗教をテーマにしたものを読むのは、いつも少し

気が滅入ってしまいます。狂信的な信者の言動は、到底理解しがたい心理が

働いていて、悍ましいとしか感じられないからです。今回も、事件の背後には、

そうした理解しがたい宗教の闇が垣間見られました。

連続放火事件の犯人に関しては、最後の最後まで二転三転する展開で、誰が

関わっているのか翻弄されました。太郎の身近の人物の関与がところどころで

仄めかされていたので、それが一体誰なのか、怪しい人だらけで、最後

まで読めなかったです^^;

地域の消防団の活動に関しては、いろいろと興味深いことが多かったです。

素人があんな風に普通に消火活動することも出来るんだなーとか。太郎が入団

したハヤブサ消防団の仲間たちはみんな基本的にはいい人ばかりで良かったです

けど、結構問題があるところも多いって聞きますよね。消防団に入らないと

ハブられるとか、入団したら飲み会が多くて断れないだとか。この作品読む

少し前に、ちょうど地方の消防団の団員たちが一斉に退団したニュースを聞いた

ばかりでしたしね(理由が何だったのかは忘れちゃったけど)。でも、田舎の

町だと、こういう町の消防団がメインで消防活動をしているところも多いそうで。

こうした人々の協力があって、地域の安全が守られているのでしょうね。

不穏な事件がメインではありますが、ところどころに挟まれるハヤブサ地区の

自然豊かな情景描写には癒やされました。ホタルの群生が観れたりだとか。

川で釣りができたり、お祭りもありましたね。地方ならではののどかな空気感が

良かったです。それだけに、その自然をぶち壊そうとする太陽光パネルの業者には

腹が立ちましたけどね。

最後はちょっと駆け足で真相がわかる感じだったので、そこまでが長かっただけに、

もう少し盛り上がりが欲しかったような感じもしました。

太郎の、企画倒れになったハヤブサ地区を舞台にした町おこしの為のミステリー

ドラマ、観てみたかったです。面白そうだったので、実現させて欲しかったなぁ。

せっかく原作を書きおろしたのにね。

いつもの池井戸作品のようにスカッと終わるような作品ではなかったですが、

地方の町ならではの読みどころも多く、読み応えのある一作でした。

 

 

 

 

 

劇団ひとり「浅草ルンタッタ」(幻冬舎)

久しぶりの劇団ひとりさんの新作。明治から大正期の浅草が舞台。当時流行した、

浅草オペラをテーマに、時代を必死で生きる人々の悲喜こもごもを描いた

意欲作です。

浅草で当時オペラが流行っていたとは。劇場で芝居を観るってイメージはすごく

あるのだけれど。オペラのような、歌を主体とした舞台には、当時の人もびっくり

したでしょうね。ミュージカルが流行るのはまたそのずっと後なのでしょうね。

非合法の売春宿『燕屋』の前に赤ん坊が捨てられていた。遊女の千代は、かつて

流産した自分の子を思い、周囲の反対を押し切って、燕屋でこの赤ん坊を育てる

ことに。雪と名付けられたその子供は、燕屋のみんなに受け入れられ、可愛がられて

すくすくと成長した。遊女たちの世話役を務める信夫もそれは同じだった。お雪が

九歳になると、信夫とお雪の楽しみは芝居小屋に通うことになった。しかしお金が

なくなると、二人は芝居小屋の屋根裏に上がって、こっそり天井からタダで芝居を

観るのだった。そんな幸せな日々が、突然、ある男によって壊されることに――。

明治大正期の市井の人々の生活が鮮やかに描かれ、苦しい生活の中でも娯楽を

見つけて朗らかに生きる人たちが生き生きと伝わって来ます。改めて、劇団

ひとりさんは芸人を超えた文筆力のある方だなぁと思わされました。250ページ

にも満たない短いお話の中に、きちんとエンタメとして必要な起承転結と喜怒哀楽

が無理のない描写で盛り込まれている。登場人物もそれぞれに個性があって、

明らかな悪役はともかく、それ以外の人物はみんな憎めないキャラばかり。

主人公の雪、世話役の信夫、雪の育ての親の千代、千代の遊女仲間の鈴江と福子

等は、みんな好きなキャラでした。特に、鈴江のかっこよさにはシビレましたね。

信夫と雪の関係も好きですし、千代と雪の母娘の関係も素敵でした。

タイトルから、もっと朗らかな楽しい内容かと思っていたのですが、そればかり

ではない、当時の闇の部分もたくさん描かれていました。もちろん、明るく

楽しい場面もありますが、それ以上に主人公の雪にとっても燕屋の他の仲間たち

にとっても辛い場面が多かったです。非合法の売春宿での暮らしは、想像以上に

締め付けが苦しかったこともわかります。警察の横暴な態度にも辟易しましたし。

大正に入ると、当然ながら、あの出来事も暗い影を落としますし。次から次へと、

どうしてこうも試練が降りかかるのだろう、とやりきれない気持ちになりました。

ラストは、ただただ切なかった。でも、最後に千代は雪の美しい歌声が聴けて

幸せだったと思う。母娘二人、もっともっと幸せに暮らして欲しかった。

全体的に、さほど目新しい物語という訳ではないと思う。展開もなんとなく予想

通りに進んで行く感じだし。明治大正時代をベタに描いた作品とも云えるかも。

でも、ちょっとした場面、会話、登場人物のしぐさに、劇団ひとりの描写力が

光っていると思う。映画一本観た後って感じの充足感がありました。これも

前二作同様、映画化されそうですねぇ。大正・昭和のレトロな雰囲気が今ブーム

になっているようなので、若い子にも受けそうだしね。実写なら、登場人物たちが

リズミカルに歌ったり、楽器を打ち鳴らす『ルンタッタ~♪』のリズムが頭に

残りそうです。

期待を裏切らない良作だったと思います。恐るべし、劇団ひとり