漫画家・喜国雅彦さんの古本蒐集に纏わるエッセイ集第２弾「本棚探偵の回想」。
前作「本棚探偵の冒険」の続編。今回も喜国さんの古本蒐集にかける情熱が痛い程
伝わってくる、抱腹絶倒のエッセイ集です。
今回も本棚探偵はいろいろな仕事ぶりを遺憾なく発揮してくれてます。
ある時は、日本の出版不況を憂えて（古本蒐集を涙を飲んで諦め）、本屋をめぐって
新刊本を買いまくる。その金額５万円！・・・って、これで出版業界がどうにか
なるかどうかは置いておいて（笑）。
またある時は、古本蒐集にかけては友人にして最強のライバル・彩古さんを
ドッキリカメラの餌食にする計画を思いつき（実行はなされていないが）、
またある時は本屋に並んでいる角田喜久雄（つのだきくお）の本がか行の本棚に
並んでいるのが忍びず、正しい場所に直すべく本屋を回り（間違っている本屋はごくわずか）、
そして自分の著書（「本棚探偵の冒険」）の為に、自ら進んでポップを書きに本屋
へ乗り込む（これに関しては様々な紆余曲折がある）。
ああ、とにかくいちいち可笑しいです。笑えます。世間から見ると、ものすごくくだらない
ことに真剣に取り組む喜国さんが最高です。自分で自分に突っ込みを入れまくる文章も
大好きです。
本に関するものなら何でも自分で作っちゃうあたりもすごいです。前回は本棚とか
本の外函とかでしたが、今回は探偵小説の表紙のトレーディングカードや、自分で考えた
文庫全集のカバー表紙など。その出来栄えは素晴らしい（らしい）。手先も器用なのでしょう
けど、その情熱にただただ感心。自分の本棚を美しく並べることにかけては、いかなる労力も
厭わないのですね。
今回読んでいて、無類のサッカー好きだったり、お風呂で本読むとかジムでエアロバイク
漕ぎながら本読むとか、結構喜国さんとは共通点があるなと嬉しくなってしまいました。
（エアロバイクは本当に本が進むのですよ！友人はなんで気持ち悪くならないのか不思議
なようですが・・・）
だからといって、喜国さんのように古本蒐集をしようと言う気には・・・全然なりません
けどね（苦笑）。
本書が出たのが２００４年だから、そろそろ「本棚探偵の帰還」出して下さい！
本当に予定はあるのだろうか・・・。
