ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

束芋 < ヨロヨロン展 >

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品川区・原美術館 束芋 < ヨロヨロン展 >

束芋さんは、新進気鋭の女性現代アーティスト。本名田端アヤコさん。束芋は < 田端さんの妹=
タバイモ > からだそう。
実は私はこの方全く知りませんでした。友人が「私(=べる)好みっぽそう」だと誘って
くれたので行って来ました。朝日新聞をお取りの方は、吉田修一氏の連載小説の挿絵をしている
(していた?)そうなので、見覚えがある方もいらっしゃるのでは(ちなみにうちは読売^^;)。

う~む、確かに角川の黒背表紙の金田一シリーズの表紙を飾ってもおかしくないような独特の
おどろおどろしいタッチは嫌いではないです・・・が、描いているものが私にはちょっとグロテスク
すぎたかなぁ。
現代日本社会を風刺したような絵が多いのですが、表現があまりにもエグい。映像を使った、
動画調の見せ方は面白いけれど、ずっと観てるとちょっと気分が悪くなってしまった。
色の塗り方などは浮世絵の手法を使っているようなのですが、描いているものは対極にあるもの。
ただ、基本的に絵の技術は高いと思います。この世界観を受け入れられるかどうか、あとは好みの
問題でしょう。もう少し美しいものが題材なら受け入れやすいと思うのですが、そういうのは彼女の
描きたいものではないのでしょうね。しかし、「公衆便所」なんて、観ていて気持ち良いもの
ではないけどなぁ・・・。「日本の台所」は見せ方が面白かったけど、ブラックすぎるし・・・。
正直、長い時間観ていたい絵ではないです。表現方法は面白いけど。
好きな人はたまらなく好きでしょうね。
和製ダリといった雰囲気の絵も多いのですが、ダリより遥かに気持ち悪かった・・・。

でも、平日なのに結構混んでいて、今注目といわれているのは本当なのだろうな、と思いました。
原美術館の造り自体が変わっていて、面白かった。建築が好きな方は建物見てるだけでも
楽しめそうです。

とにかく、今までの日本人アーティストにはなかった感性を持った方だというのは確か。
束芋さんの不思議な世界を是非体験してみてはいかがでしょうか。
(~8月27日まで)