動物園シリーズ第五弾。今回は、至ってシンプルな内容。マレーバク舎新設に
当たって、飼育方法等を学ぶために山西市動物園にやって来た、桃本たち
お馴染みの楓ケ丘動物園メンバーたち。研修を受けていると、桃本にとって
意外な人物が目の前に現れた。動物園の飼育員になった従弟の誠一郎だった。
再会を喜ぶ二人だったが、園内ではとんでもない事態が勃発していた。飼育舎
から、象が脱走したというのだ。園内を抜けて、街中へと歩みを進める象は、
飼育員の指示も無視して、ひたすら歩み続ける。象には、明らかに何らかの
目的があるようなのだが――。
街中に脱走してしまった象を、ひたすら追っかけて行く、といのが今回の
大筋。その象の脱走の裏には、ある仄暗い陰謀が絡んでいたりもするのですが。
象が暴走しないように、付き従って歩くのは、桃さんの従弟の誠一郎君。
飼育員になってまだ経験も浅いけれども、冷静に象の状態を観察して、興奮
させないようにゆっくりと寄り添うところが良かったです。良い子ですね、
誠一郎君。桃さんとの関係も良かったですし。動物園の飼育員さん同士ですから、
今後のシリーズにも登場してくれそうですね。動物園の飼育員さんは、違う
動物園でもお互いにライバル視することはあまりなく、仲間意識が強いと書かれて
いましたしね。繁殖関係で動物が貸し借りされるケースも多いですからね。
今回は、なんといっても女性陣二人がかっこよかったですね。まぁ、鴇先生は
いつもクールでかっこいいんですけども、七森さんがあんな一面を持っているとは、
驚きました。○○○で颯爽と(?)誠一郎君の前に現れるシーンは度肝を抜かれました。
これは、誠一郎君でなくても惚れるぜ・・・!ただ、折り紙折ってるだけのか弱い
女子じゃなかったのね(←失礼)。ちょっと、印象を改めねばならないと思わされ
ました。でも、暴走しすぎて警察に一番叱られてしまうという(苦笑)。見た目は
可愛らしいお嬢さんなんだから、あまり無茶はしないでもらいたいですけどね。
ちなみに、服部君は相変わらずの桃さんオタクで、変態シーン満載で、そこも
楽しめました(笑)。
象を脱走させた犯人は意外な人物でした。登場からあんまり好感持てるとは
思ってなかったけど、まさかあんな裏の顔を持っているとは。完全に騙されてた
なぁ。
終盤、犯人と桃さんたちが対峙する場面が、なぜかコアラ舎の中だったのが
個人的にはかなりツボでした。コアラフェチなんでね、私(笑)。犯人との緊迫
したシーンの筈なのに、のんきに寝てるコアラが可愛らしくって。事件の背景を
述べる小難しい話をしている筈なのに、ガラス越しのコアラがマイペースに行動
するものだから、和む、和む(笑)。
私がその場面にいたら、事件なんかどうでも良くなってコアラを観察しちゃう
だろうなぁ(笑)。結構背景には重いものが隠されてたんですけどね(苦笑)。
あとがきは相変わらず暴走している妄想が面白かったです。途中何言ってるのか
わからなくなってきて、頭が『?』で満たされましたが。まぁ、これはいつもの
ことなんで。似鳥さんって、あとがき書くために作品書いてるんじゃないよな、
まさか・・・。