ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

大倉崇裕「クジャクを愛した容疑者 警視庁いきもの係」/「宮辻薬東宮」

こんばんは。超大型台風に怯える週末、いかがお過ごしでしょうか。
明日は一日家に閉じこもってるようかなぁ。嫌になっちゃうなぁ、もー。
先日、両親の実家の茨城に一泊二日で行って来ました。その帰りに、道の駅で売っていた
メダカが可愛らしくて、思わず衝動買い。幹之(みゆき)メダカという種類。
つがいで二匹セット500円也。メダカなんて今まで飼ったことがないものだから、
早速図書館でメダカの飼い方本を借りて、ホームセンターで飼育セット一式も買って
来ました(6000円ほど)。
一日一回餌をあげるのですけど、餌を食べる様子がめっちゃ可愛いんですよぉ~~~。
見てると飽きないです。萌え~~。
今日取り上げた、いきもの係シリーズの薄ちゃんの気持ちがよくわかると思いました・・・。
メダカとはいえ、生き物ですから、ちゃんと責任持って育てなくては。
まだ水槽デビューさせてないのですけど(初めに水慣れさせないとダメらしい)、
水槽にうまくお引っ越しさせられたら、そのうち写真上げますねー。



大倉崇裕クジャクを愛した容疑者 警視庁いきもの係」(講談社
テレビドラマ化もされて絶好調の警視庁いきもの係シリーズ第四弾。ってか、
今まで警視庁いきもの係なんて副題ついてましたっけ??ドラマに便乗して
つけたのかなぁ。
ドラマは先日終わってしまいましたね。めっちゃハマって観てたんで、終わって
しまってすごい寂しい。須藤警部補役の渡部さんも良かったし、薄ちゃん役の
橋本環奈ちゃんも可愛らしかった~。個人的には、浅野温子さんの弘子さんと
四十万(しじま)巡査のキャラ(多分ドラマオリジナル?)がお気に入りでした。
本書では、タイトルのクジャクを始め、ドラマでも取り上げたピラニアと
ハリネズミが登場。ハリネズミは、私も大好きで飼ってみたくて、真剣に
ペットショップに見に行ったことがあります。でも、本書を読んで、安易に
飼おうとしていた自分が恥ずかしくなりました。虫嫌いの人間が飼っちゃ
いけない動物だったんですねー・・・(生き餌として虫をあげたりしなければ
ならないので)。
本より先にドラマを観てしまっていたので、ピラニアとハリネズミのトリックはわかって
しまってました^^;もうちょっと早く回って来て欲しかったなぁ。ハリネズミ
大分話が端折られている感じでしたけど。
クジャクの話は、被害者が犬を三匹手に入れた理由に怒りしか覚えませんでした。
そんな理由で飼った犬だから、扱いも杜撰だったし。犯人に関しても、身勝手過ぎる
理由に唖然。クジャクを愛する同好会っていうのが、実際の京大にあるっていうのが
ビックリでした(最後の参考文献のページに書いてある)。京大ってクジャクがいるのか。
そういえば、私が通ってた大学は、すぐ近くに動物園がありまして、ある時大学の坂道を
下っていたら、動物園から逃げて来たクジャクが歩いていたことがありましたっけ。
びっくりして動物園の人に報告に行ったら、「よくあるんですよね~」と全然取り合って
くれなかったですが(苦笑)。
ハリネズミの話で、須藤さんの処分がどうなるのかはらはらしましたが、
鬼頭管理官の配慮で事なきを得てほっとしました。まだまだ、須藤&薄コンビ
のお話が読みたいですからね。そういえば、今回いきもの係に新キャラも登場
しましたね。素直な性格の芦部巡査、いきもの係の運転手として、これから活躍して
くれそうですね。
今回もとても楽しめました。
ドラマも第二弾やってくれないかなぁ~。


『宮辻薬東宮(みや・つじ・やく・とう・ぐう)』
宮部さん、辻村さん、薬丸さん、東山(彰良)さん、宮内(悠介)さんによる
リレーアンソロジー
東山さん宮内さんはほぼ初めまして(もしかしたら、アンソロジーで読んだことが
あるかもしれないですが)ですが、宮部さん、辻村さん、薬丸さんの名前を見たら
読まずにはいられないでしょう。しかも、リレーアンソロジー!といっても、
内容的にはほとんど繋がっていないのですが。いろいろとリンクはありますけどね。
やっぱり、お目当てお三方の作品が良かったですね。特に、宮部さんはさすがの
出来。最後、ああいう展開になるとは思わなかったです・・・ぞーっとしましたね。
ホラー的なオチの付け方が非情に巧い。今回、ホラーというしばりがあったみたい
なんですが、それぞれに変わったものの幽霊が出て来ます。表紙のタイトル字部分
に、その幽霊の一部がデザインされていて、面白いなーと思いました。
宮部さんは、家。辻村さんは、藤色の着物。薬丸さんは、指輪。東山さんは、
スマホ。宮内さんは、パソコンのバグ。
辻村さんは、相変わらず母親と娘の確執を書かせると巧い。スミちゃんの「そういう
お母さんはきっとそのうちいなくなるよ」のセリフが怖かったです。
薬丸さんは、夏目刑事が出て来て嬉しかった。しかし、このシリーズがホラーに
なるとは思わなかったです(苦笑)。
東山さんは、お得意の台湾が舞台の作品。最初にルビは振ってあるのだけど、
中国人名とか読むのがちょっと面倒だった(最後は読み方忘れて漢字の音読み
になってたw)。でも、不気味な老婆とか、次に人が死ぬ時間が表示される
スマホとか、ラストのオチも含めて、ホラー要素の使い方が巧いな、と思いました。
宮内さんのだけ、あんまりホラーって感じがしなかったですけど。宮内さんの
ラストシーンが、冒頭の宮部さんの冒頭部分と繋がっているところは、さすが
リレーアンソロジーだな、と感心しました。ちゃんと、一周している。それ
以外にも、それぞれ前の話とリンクするところが必ず入っているので、みなさん、
ちゃんと前の作家さんの作品を読んだ上で書いているんだなーというのが
わかりました。各作家さんのあとがきから、それぞれにリスペクトし合っている
のが伺えたのも微笑ましかったです。みなさん、自分の作品を謙遜なさっているのが
面白かった。
こういう趣向のアンソロジーは大好きなので、また違う作家さんで第二弾第三弾と
続けて頂きたいですね。