日本橋にある、和紙に関する記念館『ふじさき記念館』でアルバイトすることに
なった女子大生の百花を主人公に、和紙に関わる出来事を描いたシリーズ第二弾。
今回も和紙の奥深さを存分に感じられる三話が収録されています。今回百花は、
和紙の故郷・美濃市で和紙作りまで体験しちゃいます。和紙を作る工程はテレビ
なんかでちょいちょい観たことがあるけれど、改めて大変なんだなぁと思わされ
ました。
柄が入っていたり、葉っぱや色紙などを挟んだりした和紙よりも、シンプルな
普通の和紙が一番作るのが難しいというのには驚きました。和紙って技術の塊
なんですねぇ。
ジュエリー用の小箱や、小説の一部が印刷された物語ペーパーといった、和紙の
新たな可能性が感じられる製品を生み出した百花のひらめきは素晴らしいな、と
思いました。本当に、ものづくりが好きな子なんでしょうね。彼女の、蝋引きの
栞のアイデアも素敵だなぁと思いました。蝋引きは、実際私もやってみたくなり
ました。紙とロウソクと茶こしとアイロンがあれば出来るなら、自分の家でも
やれそうだし。百花のように器用じゃないから、上手く出来るか自信はないけど^^;
ただ、料理で使う茶こしでロウソク削るってのはちょっと抵抗あるけど。その後
どんなに洗ってもロウソクのカスが残りそうだし。まぁ、百均とかで専用に買って
やった方がいいだろうな(苦笑)。
三話目で初登場した、本好きと文具好きの為の本屋『文字箱』店長の綿貫さんの
キャラも良かったですね。綿貫さんは今後もちょいちょい出て来てくれそう。
物語ペーパーのその後も気になりますし。売上とか。綿貫さんが、百花の亡き
作家の父の作品を愛読していて、自分のお店に並べてくれていたところに百花
同様、感動しちゃいました。こういう出会いは嬉しいですね。そこから、百花の
物語ペーパーというアイデアも生まれた訳ですし。
百花は、和紙を通していろんな人と出会って、世界を広げている感じがします。
若い百花の無限の可能性を感じて、少し羨ましくもあります。これから、彼女は
自分の才能を生かして、和紙をもっともっと世の中に広めて行くんだろうな、と
思えて。何も生み出すことのない自分がちょっと悲しくもあるけれど、こうした
若い才能が、廃れかけている和紙という伝統ある技術を後世に残して行ける希望の
光になるんだろうな、と思いました。
百花とクールな館長・一成との関係も少しづつ距離が近づいている感じがします。
恋愛関係に発展する兆しは今の所感じられないけど、二人の関係も今後は変化
して行くのかな。そうなるといいなぁとは思うけれど。
今後も引き続き追いかけて行きたいシリーズです。