アリバイ崩しに特化したミステリ短編集、シリーズ第二弾です。前作が面白かった
ので、読むのを楽しみにしていました。浜辺美波ちゃん主演でドラマ化もされました
よね。キャラクターが原作と大幅に違っていて、違和感めっちゃありましたけど^^;
(なぜか毎回お風呂シーンがあったり・・・原作の時乃さんではありえない・・・)
アリバイ崩しが目的なので、犯人は予めわかっている訳で、形式としては倒叙もの
と言って差し支えないシリーズですね。ただ、第3話に関しては、最初に時乃さんが
指摘した犯人と真犯人は別だったので、ちょっと変化球になってましたけども。
容疑者が三人いて、三人ともにアリバイがあるという難題に、時乃さんも少し
手こずった感じがありましたが、二転三転する真相が読み応えありました。
1話目の被害者を車ごとダムに落とした事件のアリバイに関しては、死後硬直の
問題とかないのかな、とちょっと引っかかるものはありましたね。
2話目のパーティ会場でのアリバイの真相は、なるほど、と思わされました。4話
目の二人の女性のアリバイ崩しのお話といい、大山さんって、胃の中の消化物を
使ったアリバイ崩しがお好きですよね。確か前作にもあった筈。4話に関しては、
邪魔になった二人の女性を騙してゴミのように捨てる犯人がクズ過ぎてムカムカ
しました。
5話目は、ちょっと趣向を替えて、時乃さんの初めてのアリバイ崩し体験を綴った
もの。語り手役の刑事の『僕』と約束したものの、延び延びになっていた会食
も実現して良かった、良かった。高校生の時乃さんは、意外と普通の女子高生
だったことがわかってほっこりしました。頭脳明晰は当時からだったのでしょうが、
初めてのアリバイ崩しは結局師匠のお祖父さま頼みとなり、ほろ苦い思い出
なのでしょうね。
次回作では、時乃さんが初めて成功したアリバイ崩しのお話が読めるのかな。
『僕』との仲ももう少し進展するといいのだけれど、どうなりますやら。