ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

秋川滝美「ひとり旅日和 福招き!」(角川書店)

シリーズ第4弾。今回の旅は長野、名古屋(愛知)、東京でのお土産宴会を

挟んで、高知・愛媛、宮崎・鹿児島と、ひとり旅としてはなかなかの移動距離。

日和がだんだんとひとり旅慣れしていくのがわかりますね。ただし、今回は間の

東京お土産宴会を挟んだことで、一旦日和のひとり旅熱が下がってしまう。

今まではコミュ障気味の日和がひとり旅をすることによって、少しづつ成長

していくところを微笑ましく読んでいたのだけれど、今回ばかりは、さすがに

日和の思い込みが激しく、自分勝手な僻み思考に、ついていけないものを

感じてしまいました。いくら何でも、面倒くさい性格過ぎる・・・。日和の

ようなタイプがネガティブ思考になってしまうのは仕方がないと思うし、そこを

改善させようと奮闘するところに好感を持っていたのだけれど。蓮斗への恋心が

ひねくれた方向に走ってしまい、自分勝手な思い込みであれだけお世話になって

いる麗佳さんに対して酷い態度を取ってしまうように。もちろん、恋をすると

ネガティブな方向に思考が行っちゃうのはわかります。特に日和のようなタイプは

尚更そうでしょう。でも、麗佳さんにまであんな風に距離を取るような子だとは

思わなかったので、ちょっとがっかり。もうちょっと素直で謙虚な性格だと思って

たのにな。かと思えば、ラストの話では麗佳さんから蓮斗の言葉を聞いて、あっさり

態度を変えるし。些細な言葉や出来事で自分の殻に閉じこもってしまう日和のような

子は、やっぱりちょっと面倒くさいタイプなんだろうな、と再認識させられた気が

します。少しづつ成長しているのも間違いないとは思うのだけれどね。

ただ、日和の経験した旅に関しては、今回もとても楽しそうでした。特に行って

みたいと思ったのは、長野の渋温泉。お正月の七福神巡りが大好きだった人間

としては、ぜひとも祈願手ぬぐいを買って、9つの温泉巡りを達成してみたいと

思いました(日和は最初から諦めましたけど)。長野の温泉は本当に泉質がいい

からな~。

あと、高知・愛媛編では、行ったことのある道後温泉が出て来たのも嬉しかった。

四万十川はほとんど観に行けなかったので、心残りだったんですよね~・・・仁淀

ブルー、私もめっちゃ見てみたい(><)。高知は道の駅くらいしか寄れなかったし。

四国はまだまだ行きたいところがたくさん残ってるんですよね~。

そして、ラストの宮崎・鹿児島はどちらも行ったことがないところで、めちゃくちゃ

行きたい旅行先。宮崎だったら、相方がとにかくチキン南蛮が大好物なので、本場の

チキン南蛮食べさせてあげたい(もちろん、私も食べたい)し、鹿児島も指宿の

温泉とか一度でいいから行ってみたいし・・・って、日和が経験してないこと

ばかりですが^^;もちろん、日和が行った高千穂神社とかクルスの海も気になり

ます。見どころありすぎて、絞れないかも~^^;

このシリーズ読むと、ほんと旅に出たくてうずうずしちゃう。コロナの移動制限も

なくなってることだし、今年こそ長距離移動の旅行がしたいなぁ。ああ、旅に出て

美味しいものが食べたい。温泉に入りたい~~~。

日和と蓮斗の恋は、今回のラストで大分進展を見せたような?浮き沈みの激しい

日和の性格には若干イラッとさせられましたが、大分希望が見えて来たようで、

良かったです。しかし、蓮斗とのお城デートの様子がすぱっと端折られたのは

ガッカリ。そこ書かないでどーすんの!?ってツッコんじゃいましたよ、もう。

次回辺り、そろそろどっちかからの告白シーンが出て来たりするかな?ただ、

日和自身、万が一カップルになっても、ひとり旅は辞めないと宣言をしていたので、

上手く行ってもタイトルが『ふたり旅日和』になることはなさそうですけどね(笑)。