ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

碧野圭「菜の花食堂のささやかな事件簿 木曜日のカフェタイム」(だいわ文庫)

料理教室も開く靖子先生が作る、新鮮な野菜たっぷりの絶品料理が味わえる菜の花

食堂を舞台に繰り広げられるハートフルミステリー、第5弾。今回も、靖子先生

の菜の花食堂には、ささやかな事件がいくつも持ち込まれます。

 

『こころを繋ぐお弁当』

駅前通りの弁当屋の主人が、菜の花食堂に弁当を作って欲しいとやってきた。

何か理由ありのようなのだが――

個人的な理由で、毎日ひとつだけ弁当を作ってくれと頼むずうずうしさに呆れました。

理由を知って、いい人なのはわかりましたが・・・靖子先生の解決策はさすが

だと思いましたね。靖子先生も、なんとかしてあげたいと思ったのでしょうね。

奏汰くんがいい子で良かった。

 

木曜日のカフェタイム』

菜の花食堂の近隣で頻発する空き巣事件。次に狙われるのは菜の花食堂――!?

空き巣の手口は、実際にありそう。でも、下見であんなに堂々とその家の人の前

に姿を現すっていうのも、かなり間抜けなように思いましたけどね。堂々と

犯行日も宣言しちゃってるしね。

 

キャラ弁と地味弁』

料理教室の生徒の岸田さんが、娘さんにキャラ弁を頼まれ、何度か作ったのち、

拒否されるようになった。一体なぜ?

他人のお弁当をSNSで上げてイイね!をもらって、そんなに嬉しいものなのかな。

私にはその感覚がまったくないので、若い子は大変だなぁと思いました。でも、

岸田さんの娘さんがそれを嫌だと思える子で良かった。

 

『インゲンは食べられない』

アラフォーでキャリアウーマンの園田さんは、婚活が成功し、結婚間近だった。

幸せそうな園田さんだったが、溺愛している愛犬のチワワが突然自宅から逃げ出して

しまい――。

多分、チワワがいなくなった真相はこういうことなんだろうな、と思っていたので、

嫌な予感が当たってしまった。その理由も想像した通りだった。私は犬を飼って

いないけれど、もし、飼い犬がこんな目に遭わされたら、絶対許せないです。

犯人のしたことは、許しがたい犯罪行為です。園田さんには辛い出来事だった

でしょうけど、将来的には良かったのだと思う。

 

『大根は試さない』

実家から届く野菜で料理を作って欲しいという川島さんの依頼を受け続けている

優希。最近は一緒に料理も作っている。ある日、川島さんの実家から届いた野菜の

中に、リストにない大根が入っていた。その大根で料理を作ると、苦くて食べられた

ものではなかった。これは川島さんの母親からの挑戦状――!?

薔薇の本数で相手に気持ちを伝えようとするっていうのは、以前本多孝好さんの

deleシリーズで読んだ記憶があったから、すぐにピンと来ました。ただ、その本数

がどういう意味を持つってのは覚えてなかったけど。花言葉も花の本数も、知ってる

人の方が少ないですよ・・・これで相手に気持ちが伝わると思う方が間違ってると

思うけど。花を贈るのもいいけど、それと一緒にちゃんと言葉にしなくちゃ。

なんとか二人のすれ違いの誤解が解けて良かったですけどね。苦い大根は、絶対

川島母からの刺客だと思っていたので、そちらの方も誤解で良かったです^^;

 

靖子先生の料理は今回も美味しそうでしたね。私も靖子先生に料理の基本を

習いたい~(基本を全く知らないダメ主婦なんで^^;)。

まぁ、今はネットでいくらでも基本知識も調べられますけども。やっぱり、

ちゃんとプロから直接習う方が身につきそうですよね。