ミステリ読書録

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真梨幸子/「女ともだち」/講談社刊

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真梨幸子さんの「女ともだち」。

驚愕の結末が女たちの心の闇をえぐり出す!同日に同じマンションで、二人の独身キャリアウーマン
が殺された。二人の接点を探る女性ライターが辿り着いた真実とは。女たちの心の闇をえぐり出す
ミステリー(紹介文抜粋)。


最近話題の真梨さんに初挑戦。噂通りのイヤミスでした(笑)。分譲マンションに住む独身
アラフォーのキャリアウーマンがそれぞれの部屋で同じ日に殺されているのが発見されたことから
事件は始まります。その二人の事件の真相を一人の女性ライターが雑誌連載の形で追って行き、
次第に殺された二人の背後にある様々なエグイ事実が明らかにされて行く、という構成。
スポットに当たっている女性たちの年代が近いせいか、なんだか読んでいて耳が痛くなるような
感じでした^^;のっけから、腹に一物あるような女同士の友達関係にイヤ~な気分にさせられ
ました。表面上は友達関係を築きながら、内心ではお互いにとんでもない確執を抱えていることが
最後にわかるのですが・・・私だったら、その出来事があった時点で友達付き合い辞めてると
思うな・・・何事もなかったように、そのまま友達として付き合って行くなんて到底ムリだと
思います・・・。

出て来る登場人物がほとんど女性なんですが、どの女性もまぁ、一人としてまともな人がいない^^;
事件を追う主人公の女性ライターでさえ、私生活では読んでて気が滅入るような問題を抱えて
いたりするし。殺された二人の女性も、同性から見ても痛いし、共感出来る部分はほとんどない
のですが、私自身も一歩間違えば彼女たちと同じ轍を踏む可能性もあるのでは、と思える所が
怖かったですね。この間テレビで、マンション買う独身女は男が出来ないとか、そんなようなことを
言われてましたが・・・まぁ、私にはどっちみちそんな財力ないですけど^^;

RU486みたいな薬が実在するのかはよくわからないのですが、もし実在するとしたら、本当に
悪用する人がたくさん出て来そうでぞっとしますね。殺された吉崎満紀子が、一年に三度も使用した
というのはさすがにあり得ないのでは、とも思いましたが。人間の命を何だと思ってるのでしょう。
満紀子みたいな人間には、天誅が下っても仕方ないのでは、と思ってしまいました。彼女が
不○症にならなかったのが不思議でなりません・・・。何度もこんなことしたら、彼女の年齢
だったら間違いなくそうなりそうな気がするんですけどねぇ。

田宮瑤子の方の死の真相にはちょっと拍子抜け。そんな衝動的に?と思わなくもなかったです。
ただ、最後に明かされたアキちゃんの正体に関してはあっと言わされましたが。そこに繋がる
のかー!と思いました。

それにしても、出てくる女性がみんなどっか壊れててホント怖かった^^;男性が読んだら、
女性不信に陥りそうです・・・(苦笑)。

文章は基本的にはぐいぐい読ませるタイプの文章で読みやすいのですが、所々で主人公野江の
雑誌掲載のルポや、インタビュー形式の部分が挟まれたりして文章形態が変わるので、ちょっと
読んでいてすっきりしない印象もありました。

まぁ、イヤーな気分にはなりましたが、面白かったです。