ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

読了本8冊+近況報告

どうもどうもどうも。お久しぶりでございます。
前回の更新から早二週間も経ってしまったのですね。
もうちょっと早く更新できるかと思っていたのですが、引っ越しでばたばたしていて
なかなか時間が取れませんでした。
しかも、理由あってネットにつながるにも時間がかかりまして。
新居に移ってから数日間、テレビすら観れない環境で生活しておりました^^;
まぁ、その分集中して本を読んだりも出来たのですけれど。

その引っ越しですが、ほんっとーーーに、思い出したくないくらい大変でした^^;
真夏の暑い中、荷物を詰めたり運んだりすることがこれほど過酷なことだとは。
引っ越しを甘く見すぎていましたね・・・。
まぁ、なんとか無事に終わって良かったですが。
今は大分荷物も整理して生活も落ち着いて来ました。
いろいろ大変なことも多かったですが、やっぱり新居は良いものですね。
若干問題もあって、良いことばかりでもないのですけれどね。


さて、本の方はそんなこんなでバタバタしていたにも関わらず、タイミング悪く史上最高に
予約本が集中して回って来てしまい、毎日必死に消化している最中です。何せ、一度に9冊^^;
図書館ホームページでその状況を目にした時は、意識が遠のきかけました・・・^^;
とりあえず、引き取り期限の早いものから何冊かづつ借りて、調整しているところ
ですが、さすがに全部読み切るのは無理そうです・・・。最近、借りたはいいけど
読めずに返却期限切れで返さざるを得ない本が増え気味です。前は睡眠時間削ってでも
根性で(意地で?)読みきって返していたのだけれど、最近は絶対読みたいと思う本以外は
さっさと見切りをつける傾向にありますね。せっかく借りた以上は、全部読了して返したい
というのが本音ではあるのですけれど。最近では、畠中恵さんのつくもがみシリーズの
最新作を最初の数ページしか読めずに返すという悲劇に見舞われました。まぁ、そのうち
リベンジしたいと思っていますけどね。


というわけで、毎日必死に予約本を消化した結果、前回の更新から読了した本は8冊。
しかも、ここ一週間内でそのうちの6冊くらいを読んでいるという。
ここ最近の私ではあり得ないハイスピードで読んでますね(苦笑)。


返却しちゃった本も多いので、書名と簡単な感想だけ書いておきます。


伊坂幸太郎「死神の浮力」(文藝春秋
あの死神千葉が帰って来た!という訳で、『死神の精度』の続編です。今回は長編。
娘を殺された漫画家が、妻と共に犯人への復讐を企てるのですが、その漫画家が千葉の
今回のターゲットである為、その復讐計画に協力する羽目になる、というのが大筋。まぁ、
協力するというより、邪魔してる方が多かった気もしますが。相変わらず音楽ひとすじで、
緊迫した場面でも音楽を聴くことを優先させる千葉が可笑しかったです。犯人像としては、
悪の教典のハスミンをまた思い出してしまいました。サイコパスの言動って、本当に
理解できないですね。良心を持たない人間の怖さをまた思い知らされた気持ちでした。
ラストはブレない千葉らしい選択ですね。長編なら少しは違うのかな、と思いきや。
それでも、それほど読後感が悪くならないところが、伊坂さんの巧さなのかな、と思いました。

碧野圭「書店ガール2 最強のふたり」(PHP文芸文庫)
単行本『ブックストア・ウォーズ』の続編。文庫では、『書店ガール』と書名を変えたみたい
ですね。実は、文庫の一巻が出た時、『ブックストア~』の続編が出たのかと思って予約したら、
書名が変わっただけだったという^^;結局読まずに返しちゃったんですよね。
今回のはほんとに続編だったので嬉しかったです。亜紀が妊娠して仕事をどうするか悩む
辺りは、働く既婚女性なら必ずぶち当たる問題だと思うのでリアルでした。配偶者の理解が
ないと難しいですよねぇ。私だったら、三年間は育児休業していいって言われたら喜んで
するけどね~。理子さんは相変わらずカッコ良かったです。書店ものはいつ読んでも面白いですね。

葉真中顕「ロスト・ケア」(光文社)
新聞広告で見かけて面白そうだったので予約した作品。日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作
だそうです。予約本いっぱいで見送ろうかとも思ったんですが、ちょこっと読み始めたら予想外に
面白くて結局最後まで読みきってしまいました。介護問題の闇をついた意欲作って感じでしょうか。
終盤はオーソドックスな手法なのにまんまと騙されてしまいました。完全にミスリードされて
いたなぁ。犯人のしたことは簡単に『悪』と言っていいのかどうか。もし、私が被害者遺族だと
して、同じような環境に置かれていたとしたら、やっぱり心のどこかで感謝する自分がいるかも
しれない。近い将来、本当にこういう犯罪が具現化する日が来るかもしれない。それほど、日本
高齢化社会の問題は年々深刻化していると思う。いろいろと考えさせられる一作でした。

今野敏「宰領 隠蔽捜査5」(新潮社)
大好きな竜崎シリーズ第5弾。今回は議員の失踪・誘拐事件を指揮することになった竜崎。
相変わらず、伊丹からの無茶ぶりに律儀に答えるところが竜崎らしい。とはいえ、主張すべき
ところは絶対意見を曲げずに主張するところも竜崎ならでは。誘拐事件を指揮しながら、息子の
大受験の心配もしなければいけない、仕事と家庭両方での竜崎らしい言動には何度もくすりと
させられたり、胸がすく思いをさせられたり。ほんとに、良いキャラクターですよね。しかし、
伊丹は本当に竜崎のことが大好きなんですねぇ。竜崎にひとことあるセリフを言わせただけで
上機嫌になるとことか(笑)。二人のやりとりが大好きです。ただ、伊丹の思い竜崎知らず、な
ところがちょっぴり可哀想だけれどね(笑)。

畠中恵「たぶんねこ」(新潮社)
しゃばけシリーズ最新作。もう第13弾なのですね。早いなぁ。今回は若だんなが珍しく熱を
出さない日々が続いた為、兄やたちから半年間は寝込まずに養生する!という約束をさせられます。
その半年間に起きた様々な出来事を描いた短篇集。寝込まず養生という条件は案の定あっさりと
破られ、若だんなには災難が次々襲いかかることに。相変わらず騒動に巻き込まれる体質のよう
ですね(苦笑)。跡取り息子三人で商売の腕を競う『跡取り三人』では、若だんなの意外な商才が
明らかになり、身体さえ丈夫だったらきっと若だんなももっと長崎屋で働きたいだろうになぁと
思わされました。表題作『たぶんねこ』では、幽霊の月丸さんの最後の身の振り方を必死で指示
する若だんなの優しさにほろり。ほんとに、若だんなはいい子だね。畠中さん、他のシリーズは
個人的には結構微妙なのが多いんだけど、このシリーズだけは安定して心から楽しめるんです
よね。まだまだ続いて欲しいシリーズです。

福田栄一「春の駒 鷺澤家四季」(東京創元社
個人的に気に入っている福田さんの久々の新作。今回はミステリ・フロンティアらしい連作
短篇集。派手な謎解きはないのだけれど、鷺澤家の家族たちのほのぼのした家族関係は結構
好きでした。小路幸也さんの東京バンドワゴンシリーズみたいな感じ?あそこまで大家族では
ないけれど^^;特に、主人公の葉太郎のキャラが良かったですね。お人好しキャラは福田
さんの十八番ですからねー。傍若無人な兄に振り回されるのは可哀想でしたけど^^;
将棋部顧問の真琴先生との関係も良かったです。基本的に、鷺澤家で起きた事件を葉太郎が
真琴に相談して、大まかな謎を解いてもらいつつ、最後の詰めは葉太郎が考える、というのが
謎解きの流れ。全部を真琴に推理させるのではなく、最後は葉太郎に考えさせるところが
良かったかな。やっぱり、鷺澤家内の事件なのだから、当人がきちんと解決しないとね。三男の
草佑もクールでなかなかキャラが立っていたので、個人的にはもうちょっと活躍させて欲しかった
かな。


似鳥鶏「ダチョウは軽車両に該当します」(文春文庫)
動物園シリーズ第二弾。今回はダチョウが活躍。前回のもそうだったんですが、動物園が
舞台ってことで、ほのぼのした内容なのかなーと思いきや、かなり取り扱う事件の内容は重い。
今回も、ダチョウ脱走事件からストーカー事件に発展し、最後は予想外の大きな犯罪に展開して
目が点。いやもう、自分たちの私利私欲からここまで凶悪な犯罪を起こすのか!と怒りしか覚え
なかったです。もし、犯人が目的を達成していたらと思うと、怖くて仕方ないです。なんか、
中国人とか考えそうな犯罪だと思ったりもしたんですけど・・・とにかく、許しがたい犯罪でした。
それにしても、鴇先生って、男見る目なかったんですねぇ・・・。過去の男があんなに酷い男とは!
それと比べたら、桃くんがいい男に見えるのは間違いない!次作では、新たに鴇先生V.S.七森さん
の女同士の戦争が勃発したりするんでしょうか・・・(ついでに、桃くん大好き後輩の服部君も
参戦したりして?(笑))。それはそれで楽しみかも(笑)。

我孫子武丸「狼と兎のゲーム」(講談社
自他ともに認める寡作作家我孫子さんの最新作。我孫子さんの新刊ってだけでテンション上がる
私としては、新刊が出るって情報すら知らなかったので、図書館の新刊案内見てかなりビックリ
しつつ、嬉々として予約をしたのでした。
ページ数自体も少ないけれども、とにかく読み始めたらノンストップで読んでしまった。とても
面白かったのだけど、この上もなく、後味が悪かったです・・・。もー、とにかくDV父親
茂雄のキャラがすごい。ここまで嫌悪感を覚えるキャラも珍しいですよ。こんなのが警官やってる
なんて。子供の父親だなんて。ほんと、世も末だ、と思いました。こういう人間が子供作っちゃ
ほんとダメですね。子供は親を選べないとはいうけれど。本当に、最初から最後まで嫌な気持ちに
なる作品。でも読んじゃう。心澄望(こすも)に甲斐亜(がいあ)・・・やっぱり、こんな
DQNネームをつける親はどっか問題があるんですね・・・ってことを、我孫子さんは書きたかったの
かなーとちょっぴり思ったりして。虐待死する子供の名前って、DQNっぽいのが多いですもの。
ラストの心澄望の行動には胸が痛みました。板挟みになって、こうするしかなかったのでしょう
ね・・・。彼の性格には全く好感が持てなかったけれど、あの親がいたらそうなってしまうのも
仕方がないのかなとも思うし。甲斐亜の件には意表をつかれました。そういうからくりがあった
とは・・・。面白かったのだけど、読み終えて酷く暗澹たる気持ちになる作品でした。






はー、一気に8冊の感想書くのって大変だー^^;とりあえず、備忘録の為に書いたけれど。
記事が長くなって申し訳ないです(全部読んだひと・・・いないだろうな、たぶん^^;)。
まだまだ予約本ラッシュは続いているので、このペースで頑張りたいです(9月は仕事が
忙しくなるので厳しそうだけど・・・)。