ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

綾辻行人☓京極夏彦☓辻村深月 30年目の「十角館」

はいどうも、こんばんは。
予告した通り、本日行って参りました。綾辻さんと京極さんと辻村さんに会いに!!

私の座席は、一階席の一番後ろの列。もうちょっと前で観たかった~。
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いやー、面白かったです。90分間でしたが、あっという間でした。もっともっと、
お三人のお話を聞いていたかった。
今回のトークショーは、綾辻さんの『十角館』刊行から30周年を記念して開かれたもの。
当然ながら、綾辻さんの話題が中心なのですが、場を仕切っていたのは、ほとんど
京極さんでした(笑)。
三人の掛け合いが楽しくって、可笑しくって、ほんとに時間が経つのが早かったなぁ。
始まって最初の15分~20分くらいは、京極さんによる十角館の殺人(プロローグと
第一章の始めの方まで)の朗読がありました。以前も京極さんの朗読は聴いたことがあるの
だけれど、改めて聴いても、本当にプロのようにお上手。途中から、目を閉じて聴き入って
しまった。『十角館』はもう読んだのが昔過ぎて内容おぼろになっているのだけど、
エラリィやらカーやらルルウやらの名前が出て来て、当時読んだ時そういえばこの
呼び名も衝撃的だったなぁと思い出されてきました。私にとっても、『十角館』は
とてもとても、思い出深い一冊。なんだか、感慨深い気持ちになりましたね。


それが終わると、三人によるトークショーの始まり。
いろんな話題が出ました。新本格についての話題には、思いっきり食いついて
しまいましたね。まさに新本格まっさかりの時代にリアルタイムで読んでましたので。
面白かったのは、京極さんがデビューして新本格というジャンルに一区切りが
ついたらしく、巷では京極さんは新本格を終わらせた作家』と言われているのだとか。
でも、京極さん曰く『自分は終わらせるつもりなんか毛頭なかった』そうで。
そう言われるのは心外らしいです(笑)。
新本格というジャンルが確立されたのは、綾辻さんの『水車館』からなんだそう
『十角館』の時は、まだ言われていなかった)。
そして、京極さんがデビューする前までとすると、講談社ノベルスから出た
新本格作品は35作しかないのだそうです。他社作品も含めると、もちろん
もっとたくさん出ているのですが。綾辻さんも辻村さんも、『意外~!』と驚かれて
ました。辻村さんは、多分全部読んでる、とおっしゃってましたね。
あと、会場大受けだったのは、辻村さんが、デビュー前の高校生の時に、綾辻さんに
宛てて100通ものアンケート葉書(?)を送ったエピソード。今だったら
完全にストーカー扱いされてた、と苦笑されてました。でも、その熱意が通って、
綾辻さんから直筆の返事が届いたのだそう。それで初めて小説を書く人が実在すると
実感した辻村さんは、作家という職業があるということを認識したのだとか。
綾辻さんがいなければ、作家辻村深月は存在していなかったのですね。すごいなぁ。
綾辻さんは、本当に優しい人なんだなぁと改めて実感させられるエピソードでした。
上記のエピソードも含めて、ちょこちょこ辻村さんが二人からいじられているところが
微笑ましかったな。可愛がられているんだなぁというのがすごく伝わって来ました。
そして、辻村さんが、お二人のことを心から敬愛していることも。ご本人は、
『おふたりのファンの私が、なぜこの場にいるのかわからない』みたいにご謙遜なさって
ましたけれど。今や、辻村さんも飛ぶ鳥を落とす勢いの人気作家ですからね~。会場には、
辻村ファンもたくさん詰めかけていたと思います。
京極さんが、仲のいい作家として必ず平山(夢明)さんを挙げられるのが納得いかなそう
なのが面白かった。本人曰く『仲良くはない』そうですが、周りから見たら、仲がいいとしか
思えないっていう(笑)。

他に、私が食いついた話題は、何といっても、京極さんの『鵺の碑』について。
京極さんはあまりそれについて触れたくなかったみたいなんですが(苦笑)、綾辻さんが
かなりツッコんで触れてくださいまして。邪魅が出たの随分前だよね?みたいな
フリをしたら、京極さんは『大正時代じゃないですか』、って冗談で返してましたけれど
(苦笑)。
でも、鵺が出ないのは、やっぱり講談社との確執(?)が原因のようです。京極さんは、
講談社とのゴタゴタが~ごにょごにょ』みたいな感じで濁されてましたけど。
講談社とのソレが片付いたら出せると思う、とおっしゃってました。綾辻さんが『いつか
出るよね?』と聞いたら、『出ます』とはっきりおっしゃっていたので、ちょっと
安心しました。しかし、講談社と一体何があったんでしょう・・・版権争いでもしてるの
かしらん。予告されていたミステリーランドが出なかったのもそのせいなんだろうなぁ。
宇山さんが亡くなったのも大きかったのかもしれないな。

そういえば、ネットかなにかで募集した三人への質問に答えるコーナーもありました。
本格ミステリでオススメの映画は何?
・初めて読んだ本格ミステリは何?
・オススメの新本格作品を一作あげると何?
の三つだったかな。
映画は、綾辻さんが『ソウ』シリーズだったのは覚えているのだけど、他の二人が
挙げた映画はよく知らなくて忘れてしまった。
初めて読んだ本格ミステリは、綾辻さんと辻村さんが、なんと同じ『黄色い部屋の謎』
どこまでも気が合う二人ですね(笑)。京極さんが『本陣殺人事件』でした。おお~!って
感じ。京極さんが、横溝好きってのはやっぱり嬉しかったな。作風から、乱歩よりは正史
って感じはしていたけども(乱歩ももちろん好きなのだけれど、本格っていう意識で
読んだことはないとおっしゃってました)。
オススメの新本格作品は、辻村さんが法月さんの『密室教室』、京極さんが我孫子さんの
『探偵映画』でした。綾辻さんがあんまり思い出せないんだけど・・・誰だったっけ。
ほんとは有栖川さんのを挙げたいみたいだったけど、仲良しだから違う作家のを・・・
みたいによくわからない遠慮をしてたのが面白かった(笑)。

他にもたくさん楽しい話題が出たのだけど、全部を伝え切れないのが残念。録音出来ない
から、さすがに全部は覚えてられない^^;

でも、嬉しかったのは、写真撮影OKの時間があったこと。写真撮れたらいいなぁとは思って
いたけど、半ば諦めていたので。一応デジカメ持ってって良かった~。
会場の方が、『写真をどんどんSNS等で広めてください』とおっしゃっていたので、
私もブログに上げておきます(笑)。


おわかりでしょうが、左が京極さん、中央綾辻さん、右が辻村さん。なぜかみんな黒(と赤?)い服・・・。
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参加の記念に、ロビーで販売していた十角館の殺人 愛蔵版』を購入。著者サイン入り!
めちゃくちゃ装丁がかっこいい。別冊でついている、錚々たる作家さんたちによる
「私の『十角館』」のコメント集も嬉しい。これだけの作家さんたちが『十角館』を愛して
いるのだなぁと感慨深いものが。しかし、京極さんのがないのが気になりましたが(苦笑)。
あとでじっくり読むとしよう。本編も、これを期に折を見て再読してみたいと思います。

左:外箱 真ん中:「私の『十角館』」 右:本編  かっこいい~~(><)。お値段3996円也。高っ!
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サインつき!限定200冊はトークショーが始まる前に完売してました。
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寄稿作家、すごくないですか!?なかなかこれだけのメンバー集められないですよね!豪華~。
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終始和やかで笑いの絶えないトークショーでした。楽しかった~。綾辻さんは、近々島田荘司さん
ともトークショーを予定しているそう。来月はまた違ったメンバーとのトークショーがあるし。
記念年のせいか、お忙しそうだ。お身体大事になさってください。
そういえば、綾辻さんの新作のことは全く出て来なかったな・・・出たばかりのアンソロジー
宣伝はしていたけれどね(苦笑)。次の館シリーズはいつかなぁ。