ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

瀬尾まいこ「ファミリーデイズ」/鯨統一郎「歴史はバーで作られる」

こんばんは。本日、東京ではまた雪が降りました。この間の大雪ほどの降りではなく、
午後には止んでしまったので良かったですが。
しかし、ほんとに今年の冬は寒いですね。三日ほど前、寒さに負けてベビメダカがまた
一匹お空に召されてしまいました・・・(涙)。採卵第二弾で生れた子で残っているのは、
残り二匹になってしまいました。うち一匹は状態的にはあまり良くなく、今は体調回復する為
塩水浴させているところです。なんとか春までもって欲しいなぁ・・・。


今回も二冊ご紹介。


瀬尾まいこ「ファミリーデイズ」(集英社
瀬尾さんのエッセイ集。初なのかな?少なくとも、私が読むのは初めてですが(他に出て
いたら、読み逃しているということ)。
タイトル通り、瀬尾さんのご家庭での日々の様子が描かれたほのぼのエッセイ。
もう、普段の瀬尾さんの作風通りの、温かい気持ちになれるエッセイでした。
旦那さんにプロポーズされて、結婚式を挙げ、お子さんが生まれ、子育てに奮闘する
様子が順を追って、その都度語られて行きます。
どのエピソードも、微笑ましものばかり。特に、のんびり屋の旦那さんとの
エピソードが楽しくって、度々吹き出してしまいました。旦那さんのキャラクター
最高ですね。涙もろいところとか、結婚式の準備を花嫁よりも楽しんでいるところとか、
我が相方との共通点も多くて、かなり親近感が湧いてしまいました(笑)。
もちろん、娘さんとのエピソードもどれもとっても可愛らしい。瀬尾さんが、
子育てをとても楽しんでいらっしゃる様子が伺えて、読んでいるこちらも
楽しい気持ちになりました。瀬尾さんみたいに、すべてにおいて前向きな
気持ちで子育て出来たら、毎日楽しいだろうなぁ。もちろん、大変なこともいっぱい
あるのだとは思うのだけど。泣きたい時だってたくさんあるだろうし。でも、
辛いことも、娘さんの笑顔や成長を見るだけで、帳消しになってしまえているご様子。
この間読んだ、瀬尾さんの新作『君が夏を走らせる』は、かなり瀬尾さんご自身の
子育て経験が反映されている話なのだな~と感じました。
しかし、不思議だったのは、旦那さんが、瀬尾さんの小説をほとんど読んだことが
ないってところ。唯一読み切った作品の中で印象に残った言葉が『ショートがっかり』
だけっていうのにもずっこけましたけど^^;
何にでも感動してしまう旦那さんの性格からして、瀬尾さんの作品の多くが、旦那さんの
琴線に触れそうなのになぁ。ちゃんと読んであげて欲しいな~。
個人的には、結婚式のエピソードが一番好きでした。ドレス選びの会場で、待たされている
男性陣がこぞって疲れた顔をしている中、一人意気揚々と瀬尾さんのドレス選びに付き合う
乙女な旦那さんが微笑ましかったです。結婚式当日、始めから終わりまで泣いているところ
とかも可愛らしいですし。実は私の式の時も、自分よりも相方の方が号泣しちゃったんです
よね。私は友人から見ると、終始淡々と進めていて、『落ち着いてるな~』と思われて
いたらしいです。結構、本人はテンパってたんですけどね・・・^^;
瀬尾さんの娘さんが生まれてからも、旦那さんがとっても育児に協力的で、ほんと
いい旦那さんだなぁと思いました。
たまに出て来る、教師時代のお話も楽しかったです。瀬尾さん、ほんとに教師という
お仕事が大好きだったんだな、というのがよくわかりました。瀬尾さんに教えられた
生徒は、とても幸せだったと思うな。ちょっと羨ましくなりました。
幸せいっぱいのほのぼのエッセイで、とても楽しかったです。


鯨統一郎「歴史はバーで作られる」(双葉社
実は、この作品、昨年一度借りたのですが、予約本ラッシュの時で、借りたものの、
結局読めずに返してしまったのです。
でも、てっきり邪馬台国はどこですか?のあのシリーズだと思って、絶対読みたいと
思ったので、再度予約し直して借りました。
が、読んでみたら、あのシリーズではなく、似たようなタイプの新シリーズでした(多分
シリーズ化を想定しているのでは、と思うのですが)。
著名な歴史学者とその助手が、何気なく入ったバー<シベール>。そこには、ただならぬ
雰囲気の美人バーテンダーと、客の老人がいた。バーテンダーによると、老人も歴史学者
だという。そこで、雑談混じりの歴史考察が四人の間で始まることに――。
うーん、『邪馬台国~』みたいなクオリティを期待すると、大幅に裏切られることになる
かも・・・。面白い説も中にはあったけど、ほとんどがこじつけにしか思えない説ばかり
だったので。アマゾネスが卑弥呼の子孫ってのは、ぶっ飛び説としては面白かった。
無理矢理感満載ではありましたけど(笑)。
バーテンダーのミサキさんと、村木老人の関係が気になって、歴史のトンデモ説なんか
どうでも良くなってしまった(苦笑)。あの意味深な密着は何なんだ。村木老人が
ほんとに歴史学者なのか、その正体も謎のままだし。
喜多川先生のキャラがいまいち掴みづらかったですね。腰巾着の安田の、ミサキさんに
対する心の中のツッコミもちょっとうざかったです。
これだったら、ヤクドシトリオシリーズの方がキャラが立ってて好きだなぁ。昭和ネタも
嫌いじゃないし。同じようなバーを舞台にしたシリーズで、似たような内容、なぜ新しく
シリーズを立ち上げる必要があったのか謎。ちょっと、新鮮味に欠ける感じがして
残念でした。