ミステリ読書録

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鈴木伸之/「宝くじで一億円当たった人の末路」/日経BP社刊

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鈴木伸之さんの「宝くじで一億円当たった人の末路」。

 

気になる様々な人生の「末路」を、専門家や経験者に取材。「友だちがゼロの人」
「子どもを作らなかった人」「家を買わなかった人」…。奇想天外な23の末路を教える。
読み進むほど心が軽くなる1冊(紹介文抜粋)。


去年新聞広告で紹介されていて、気になっていた作品だったのですが、知らない間に
相方が予約していて回って来たというので、先に読ませてもらいました(私の方が
読むのが早いので)。かなり話題になっている作品らしく、相当待たされたらしい
(去年、割と出てすぐ予約してあったみたいなのですが)。
深夜枠ですが、ドラマ化もされていたみたいです。キスマイのメンバーたちが週変わりで
主役を勤めていたのではないかな?番宣してるのだけ観ました(笑)。
いろんな人の末路を紹介していて、なかなか興味深かったです。なんでこのテーマ?
と思うものも結構ありましたけど(苦笑)。
個人的に一番面白かったのは、『事故物件を借りちゃった人の末路』。映画化もされた
小野不由美さんの『残穢』のこととかも出て来たし。インタビューした相手が、有名な
事故物件公示サイト『大島てる』の管理人というのがなかなかにすごい。私自身は
サイトを覗いたことはないけれど、存在は知っていたので。『事故物件で何度も事故が
起きる現象』を合理的に解釈するくだりには素直になるほど~と思わされました。
心霊現象を論理的に解明するみたいな、ミステリ的な面白さがありましたね。
あとは『友だちがゼロの人』や『子どもを作らなかった人』なんかも結構刺さったり
したんだけど、読んでいて驚かされたのは、『留学に逃げた人(学歴ロンダリング
の末路』。アメリカの留学事情には知らないことがたくさんありました。ホームステイ
先のホストファミリーは、賃金の足しにしようというシングル家庭や老人家庭が中心で、
留学生を温かく迎えてくれるようなアットホームさはほとんどない、とか。アメリカの
コミュニティ・カレッジを頑張って卒業しても、日本では四大卒とは見なされず、
企業からは全く相手にされない、とか。留学とか帰国子女とか、華やかで『出来る人間』の
イメージがあったので、実情はかなりシビアなんだなぁとビックリでした。いやもちろん、
それなりの大学を卒業してれば、イメージ通りなんでしょうけども。一概に、留学
してあっちの大学卒業したからといって就職に有利ってわけでもないんだなぁ、と
目からうろこの思いがしました。
あとは、ネット上で物議を醸したという、『ワイシャツの下に何を着るか悩む人の末路』も
面白かったです。まぁ、私は女性だし会社勤めってわけでもないから、単純にスーツを
着る男性っていろいろと悩みがあるものなんだなぁって感じで読んでたんですけど(笑)。
確かに、真夏のスーツの下で何を着るのかって結構大きな問題ですよねぇ。それも、今年
みたいに猛暑通り越して酷暑みたいな時なんかは特に。でも、ジャケットの下に半袖
シャツはビジネス的にはマナー違反なんですね。外回りの営業さんとか大変だなぁ・・・。
あと、乳首が透けるのが嫌でシャツの下にアンダーウェアを着るのもNGなのだとか。
ビジネス的には、シャツの下は何も着ない方がいいのだそう。
でも、このネタのことを日経ビジネスのウェブサイトに載せたら、大炎上してしまった
というのだから、インタビュー受ける方も嫌になってしまいますね。真面目にインタビューに
答えたのにねぇ。それでも、インタビューを受けた松屋銀座のバイヤー宮崎さんは、そうした
批判をも真摯に受け止め、再度のインタビューで、自分なりに『ワイシャツの下に何を着れば
いいのか』問題に答えを出すところが偉いなぁと感心しました。それにしても、グンゼ
『SEEK』ってそんなにいいんですかね。相方に買ってあげようかな(うちはいつもユニクロ
のエアリズム着せてるんですけどねー)。
正直、どうでもいい話題の章もあったり、取り上げている人の末路が全く意外性がなかったり
した章もあったりしたんですけど、いろんな人の末路が伺いしれて興味深い本でした。
ちなみに、宝くじで一億当たった人の末路は・・・想像通りで、全く意外性がなかったですね^^;