ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

山里亮太「天才になりたい」/青柳碧人「晴れ時々、食品サンプル」

こんばんは。12月も残り二週間ですね。相変わらず年が迫った感じが全く
しないのだけど。仕事だけはめちゃくちゃ忙しいですけど。12月は毎年こんな
感じ。
ところで、各種ランキング本出ましたね。この間、本屋に行ってチェックしてきました。
上位10作中、このミスの方は4冊、本ミスの方は今ちょうど読んでいる作品も入れて5冊
既読。まぁ、こんなものかなって感じ。思ったより読んでたと思ったくらい。
みなさまの年末ランキングも楽しみだー。


今日も二冊ご紹介~。


山里亮太「天才になりたい」(朝日新聞社
言わずとしれた、南海キャンディーズの山ちゃんこと山里亮太さんの
エッセイ。本当は最近出た『天才はあきらめた』の方が読みたかったの
だけれど、そちらは予約に乗り遅れて手遅れ状態だったので、とりあえず
一作目のこちらから読むことにしました。奇しくも、昨日の『しくじり先生』に
山ちゃんが出ていたようなのですが、チェックしていたにも関わらず、その時間に
なったらすっかり忘れていて見逃してしまい、ガッカリ。この作品を読んでいたので、
観たいなーと思っていたのに・・・。視聴者からの評判も良かったようなので、
観たかったなぁ。YouTubeとかで観れるかなぁ。
ちなみに、新作の『~あきらめた』の方は、オードリーの若林さんが絶賛していたので
とても読んでみたかったのです。昨日のテレビで更に予約が増えちゃいそうだ。
芸人さんのエッセイや小説を読むのはとても好き。芸人さんって、とても
頭の回転が早いし、文章も面白い人が多いから。
南海キャンディーズは、もともとネタも結構好きだったりします。人気出始めた頃から
注目はしていたし。しずちゃんのキャラが強すぎて、山ちゃんは影になりがちだったけど、
最近はいろんな番組でピンで活躍されていますよね。私の中では、『ヒルナンデス!』
のファッション系のコーナーで司会をやられている印象が強いかな。『スッキリ!』の
天の声もいい味出してますしね。
一作目ということで、デビュー前他の人とコンビを組んでいた頃のお話
とか、NSCに入ってからの話とか、売れない時代のお話を赤裸々に語って
くれていて興味深かった。お笑いの人って、ほんと売れない下積み時代が必ず
あって、そこでめげずに上を目指して続けて行ける人だけが生き残って
行けるんですよね。山ちゃんも、何度も挫折しそうになるけど、その度に
張りぼての自信』を貯金していって、それを糧に次に繋げて行く
バイタリティに感心しました。
しずちゃんの前にコンビを組んでいた二人の人物に対する山ちゃんの
態度には何度もムカムカしましたけど。本人自身も今思うと嫌なやつ
だと思うくらいなんだから相当です。その反省が今に生きているとは
思うんですけどね。ま、今も嫌味な部分は十分残っているのかもしれない
ですけどね(キャラ的にもw)。
山ちゃんが『ガチンコ!』に出ていたとは全然知らなかったです。
といっても、あの番組、ほとんどちゃんと観たことなかったんですけど。
問題あって、結局打ち切りみたいになっちゃったんでしたよね。
しずちゃんとのコンビはほんと絶妙だと思います。『足軽エンペラー』の
ままだったら、きっとこんなにブレイクしてないんじゃないのかな。その時の
相方さんとの別れのエピソードはとてもやるせなかった。山ちゃんのあの態度じゃ、
誰が相手でもそうなりそうだけど。しずちゃんって、改めてすごい人だと思う。
山ちゃんは天才じゃないかもしれないけど(若林さんは天才だと断言してましたが、
本人が自分は天才じゃないと名言しているので)、間違いなく天才的な運の良さは
持っているんじゃないかな。もちろん、本人の努力の賜物でもあるのでしょうけど。
芸人さんのいろんなぶっちゃけ話が読めて楽しかったです。


青柳碧人「晴れ時々、食品サンプル」(創元推理文庫
図書館新着情報でタイトルが面白かったので気になって予約してみました。
で、借りてみたら、これが続編だということがわかりました^^;今回
スルーして、一作目から借り直すことも考えたのですが、せっかく借りたし
一話完結形式だからまぁいいか、と読んでみることにしました。
結果、こちらから読んでも特に問題なさそうでした。
何でも欲しがる探偵役のユリオと、語り手であるユリオの妹さくら、
二人のキャラと関係は、なかなか良かったです。
ラクタばかりを集めてネットのショッピングサイト<ほしがり堂>で
売りさばくことで生計を立てているユリオは、どんなものでも欲しがる
<ほしがり>人間。
大手家電メーカーをセクハラが理由で辞めたさくらは、千葉の実家には戻らず、
東京の叔母のマンションで一人暮らしをしている兄のユリオのもとに転がり込む。
一緒に住む代わりに、兄からは仕事の手伝いを命じられた。運転免許を持っていない
ユリオの代わりに、商品引取りの運転手をしろと言うのだ。カウボーイグッズ、浮世絵、
酒瓶、食品サンプル・・・ユリオとさくらの行く所に、マニアックな品物を巡って、
不可解な事件が起きる。
マニアックな商品に関するユリオの薀蓄が若干鬱陶しいところも
ありますが、概ね楽しく読めるユーモアミステリーでした。
何でも欲しがるユリオと、何でも捨てたがる女性が対決(?)する
お話が面白かったかな。私はどちらでもないかなぁ。物欲もそんなに
ないし、なかなか物が捨てられないところもあるし。物はできるだけ
増やしたくないけど、知らない間に増えていたりするのよね。
ただ、ユリオは何でも欲しがるけど、物の価値自体もわかった上で
欲しがっているわけだから、それはそれでいいのかな、と思う。
これが、単なるゴミばかりを集めるようだと、家がゴミ屋敷に
なってしまうと思うのだけどね^^;ユリオはちゃんと価値のある
ものを引き取って売買が成り立っているのだから大したものです。
ラストの食品サンプルのやつも興味深かったです。しかし、お葬式で
食品サンプルが雨みたいに降ってきたらびっくりするよなぁ。
いくら故人が食品サンプルのコレクターだからってね。食品サンプル
雨を降らせた理由にはなるほど、と思いましたけど・・・ユリオが
推理した通りだとすると、ちょっとその動機にはぞっとするものが
ありました。
なかなかおもしろかったので、一作目もそのうち読んでみたいと
思います。