ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

鯨統一郎「恋と掃除と謎解きと ハウスワーク代行・亜美の日記」/神永学「心霊探偵八雲11 魂の代償」/

こんばんは。毎日じめじめ梅雨空が続きますね。梅雨明けはまだまだ先かなぁ。
地震の被害が大きかった新潟や山形にあまり降らないと良いのだけれど。
死者が出なかったことに何よりほっとしました。もちろん、怪我された方も
多数いらっしゃるし、自宅が崩壊された方もいらっしゃるでしょうから、
一概に良かったなどと言ってはいけないのかもしれないけれども。
東日本の震災があってから、地震のニュースには心臓がドキドキしてしまう。
大きな地震の前触れでないことを祈りたいです。


今日も二冊ご紹介ー。


鯨統一郎「恋と掃除と謎解きと ハウスワーク代行・亜美の日記」(中高文庫)
シリーズ第二弾。前作が結構気に入ったので、続編が出て嬉しいです。
おばあちゃん孝行娘の亜美は、今回もパワフルに活躍してます。
今どきの若い娘には珍しく、嘘がつけず、生真面目な大学生の亜美の
キャラクターがいいですね。苦手な家事代行の仕事にも真面目に取り組んで
一生懸命だし。まぁ、雇う側としては若すぎて心配になるところですが、
そこは亜美の真面目で丁寧な仕事っぷりで、信頼を勝ち取ってしまう。
人の懐に入るのが上手いんでしょうね。おばあちゃんの育て方も良かった
のだろうな。
三つのお話が入っていますが、ミステリとしてはどれもとにかく軽い。
一応の謎解きはあるんですが、え、そんな真相?みたいな感じ。まぁ、
鯨さんだし(笑)。ほっこりする真相だから、ま、いっか、みたいな(笑)。
エンジェルハンドのカンナ社長と、<正しい婦人の会>の阿久根藤子の
不毛な戦いが面白かった。藤子の主張はなんだかめちゃくちゃで、
単なる言いがかりにしか思えなかったですけど。カンナ社長が、それを
軽くいなして相手にしてないのかと思いきや、最終話ではまさかの
ラップ対決に乗っちゃうし(笑)。なんか、半分楽しんで相手している
ような感じがして仕方なかったです。ラップで反論し始めた時は、鯨
さんの世界だなぁと嬉しかったです(タイムスリップシリーズや厄年トリオ
シリーズを思い出してしまったw)。
亜美のまっすぐなキャラクターはお気に入りなので、また続編を期待
したいところですね。


神永学心霊探偵八雲11 魂の代償」(角川書店
久々八雲の続刊。途中、どうなっちゃったんだ?と思うくらい出てなかった
ので心配していたのだけど、続きを忘れていた訳じゃなかったのね。
ほっとしました(笑)。
相変わらず七瀬美雪が大暴れ。なんで普通の人間の筈なのに、こんなに怖いの^^;
八雲の父親への執念がすごい。もう死んでる人間なのにねぇ。魂だけになっても
これだけ執着する事ができるのだから、本当に愛している証拠なのでしょうけども。
でも、半分は八雲に対する憎しみで執着してる感じがなきにしもあらず。
こんなのに目つけられちゃったこと自体が八雲たちの悲劇ですね。
そして、今回はついに八雲が晴香ちゃんへの想いを素直に認めました。まぁ、
認めたっていうか、自覚しただけですけど。周りはとっくに知っていたことな
訳ですし。八雲が、いかに晴香ちゃんが自分にとって大切な存在かに気づけて
良かったです。今まで何考えてるのかいまいちわかんなかったけど、知らないうちに、
こんなに晴香ちゃんの存在が八雲の中で大きくなっていたんだなぁとわかって、
感慨深い気持ちになりました。
もちろん、八雲だけではなく、周りの人々みんなが晴香ちゃんのことを愛して
いるのもよくわかりました。八雲と一緒に行動を共にするうちに、彼女はみんなの
心も癒やしていたんですねぇ・・・。
それだけに、終盤の展開がショックでした。七瀬美雪は、どこまで八雲を
追い詰めたら気が済むんでしょうね・・・。七瀬美雪が死なない限り、この
戦いは続くんだろうか。怖すぎる(><)。
衝撃のラストで終わっているので、次巻が気になって仕方がありません。
なるべく早く続きを書いていただきたいなぁ。ああ、晴香ちゃーーーーん(涙)。