ミステリ読書録

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七月隆文「ケーキ王子の名推理5」(新潮文庫nex)

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シリーズ第五弾。前作の最後でようやく想いが通じ合った二人。付き合い始めの

二人のその後が描かれます。

せっかく両想いになった割に、全然ラブラブな雰囲気がないのでちょっと拍子抜け。

まぁ、相手が無愛想でスイーツバカの颯人だから仕方がない。一応カップルロードを

手をつないで歩いて、話題騒然となったりはするのだけど。未羽もそんな颯人の

態度に不安を感じてもやもやしっぱなし。なかなか噛み合わない二人ですが、

最後の最後に胸キュンエピソードが・・・!!なんだかんだで颯人も未羽のこと

大好きなんだなーっていうのがわかってキュンキュンしました。合間にちょこちょこ

ミステリ要素も挟まってますけど、まぁそっちはつけたしみたいなものですかねー

(←オイ)。カロリーヌの新店で起きた煙事件の真相は、完全に科学でしたね。

料理は科学とはいうけれど。こういう方法で煙を出すことが出来るとは驚きでした。

漣が好きなあまりに、天の邪鬼な言動を繰り返す葵に関しては、最初は未羽に

対する横柄な態度にイラっとしましたが、その根底にあるのが全部嫉妬であるのは

明らかなので、だんだん可愛らしく思えるようになりました。わかりやすすぎて

笑えてくるくらい。今どき、ここまでツンデレ全開の女の子がいるんだろうかと

思っちゃいました。

それにしても、初デートで未羽の家族と一緒に野球観戦ってのはどうなんだ。

颯人が気の毒になりました。家族との野球観戦の前に、二人で横浜見物は

したものの・・・。その辺りの鈍感さが未羽の持ち味とも云えるのかもしれませんが。

まぁ、颯人は楽しんでたみたいだからいいのかな。未羽の家族は楽しい人ばかり

だしね。

今回颯人父が初登場しましたが、なかなかいいキャラですね。未羽とも気が合う

みたいだし。こうなると、離婚した颯人母のキャラクターも気になるところです。

 

このシリーズは小説よりはマンガの方が合ってそうですよねぇ。漫画化の話とか

ないのかな。

最後にラブラブな二人が見れましたが、次巻ではもっと胸キュンエピソード満載で

お願いします。