ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

あ行の作家

有栖川有栖「濱地健三郎の幽たる事件簿」(角川書店)

心霊探偵(八雲じゃないよ)濱地健三郎シリーズ第二弾。一作目ってどんなのだっけ、 と全然覚えてなかったんだけど、有栖川さんだから即予約。すぐに回って来たのだ けれど、実はその時は予約本ラッシュの時で、期限内に読めずに泣く泣く返す羽目に。 予約が…

太田忠司「遺品博物館」(東京創元社)

久々太田さん。依頼人の死後、その人の遺品をひとつだけ収蔵する博物館、遺品 博物館。そこで学芸員を勤める吉田は、依頼人の死後、遺族の元に赴いて遺品の 選定を行う。選定の基準は、生前のその人物の人生に関わる重要な物語を持って いる物を選ぶこと――死…

大崎梢「さよなら願い事」(光文社)

大崎さん新刊。四話からなる、花とおまじないにまつわる連作短編集・・・なのかな。 一応、三人の女の子が交代で主役を勤め、それぞれのお話が最後の四話目で繋がる という構成になっています。確かに最後で全部が繋がるんですが・・・うーーん、 途中で登場…

朝井リョウ「風と共にゆとりぬ」(文春文庫)

ゆきあやさんが絶賛してらした朝井さんのエッセイ。これ、エッセイとしては 第二弾になるんですね。のっけから、前作のネタをぶっ込んで来ているので、 はい??となりました・・・。眼科医さんと衝突って、一体何があったんですか。 これはもう、前作『時を…

彩瀬まる「まだ温かい鍋を抱いておやすみ」(祥伝社)

奇しくも、食をテーマにした小説を三作続けて読むことになりました。ほんとに たまたま続けて予約が回って来たのですけど。多分、予約する時も、ついつい 食べ物に関係する本に手が出ちゃう傾向にあるんでしょうねぇ・・・どんだけ 食いしん坊なのやら。ちな…

秋川滝美「ヒソップ亭 湯けむり食事処」(講談社)

秋川さん新刊。新シリーズになるのかな?続刊が出るのかはいまいちわかりませんが。 理由あって有名料亭の料理人を辞め、幼馴染が経営する素泊まりの温泉旅館『猫柳苑』に併設する食事処『ヒソップ亭』の料理長になった真野章。厳選した食材と豊富な 名酒を…

伊坂幸太郎「逆ソクラテス」(集英社)

伊坂さん最新刊。デビュー二十周年記念作品だそうな。先入観をひっくり返す、を テーマに、子どもたちを主役に据えた物語5作。どれもが、伊坂さんらしい 文章やキャラクターで溢れていて、やっぱりいいなぁ、好きだなぁとしみじみ 思わせてくれる作品集でし…

朝井リョウ「発注いただきました!」(集英社)

デビューから十周年の間に、著者がいろんな企業から受けた原稿依頼作品を一冊に まとめたもの。森永製菓、アサヒビール、JT、各新聞社や各出版社、JRA...etc。 その企業ならではのシチュエーションや細かい要素を入れて欲しい等の依頼に、 朝井さんはどう応…

池井戸潤「不祥事」(講談社文庫)

これまた、長年本棚に眠っていた積ん読本。ドラマ『花咲舞がだまってない』 の原作。この表紙とタイトルじゃ、誰もあのドラマの原作だとは思わないだろうな。 ただ、ドラマ化に合わせてなのか、その後でかなのか、マンガちっくな表紙の 新装版が出ているもよ…

小川糸「食堂かたつむり」(ポプラ文庫)

自宅積ん読本棚からまた一冊。実は何年も前に義姉から借りてそのままにして しまっていた作品(ごめんなさい・・・)。今年のお正月に会った時、最近 義姉が読んですごく面白かったと言っていた作品が同じ小川さんの『ライオンの おやつ』だったのを思い出し…

浦賀和宏「デルタの悲劇」(角川文庫)

本当に、とてもとても久しぶりの浦賀作品。お友達ブロガーのゆきあやさんの 記事で、あの八木剛士が出て来ると知ったから、興味を惹かれて即予約しました。 久しぶりに浦賀作品を読もうと意気揚々と予約していた矢先の浦賀さん訃報の ニュースには、本当にシ…

恩田陸「ドミノ in 上海」(角川書店)

あの傑作群像劇『ドミノ』の続編。いやー、続編出るとは思わなかったので ちょっとびっくり。しかも19年ぶりですって。当然、出版当時に読んだので、 内容なんかさーっぱり覚えてませんでしたけど^^;もちろん、登場人物も 全く記憶から抜け落ちてました…

綾瀬まる「さいはての家」(集英社)

綾瀬さん最新作。なぜか、いわくありげな人々が次々と住み続ける、不思議な家を めぐる連作短編集。 家族を捨てて逃げて来た不倫のカップル、人を殺して逃亡者となった男とその 元同級生、新興宗教の元教祖の老女、政略結婚から逃げ出した姉と交際相手から …

有川ひろ「イマジン?」(幻冬舎)

有川さん最新刊。映像業界を舞台にしたお仕事小説。27歳の良井良助は、 高校卒業後に入学した福岡の映像専門学校を出た後、東京の小さな映像制作 会社の内定を取った。しかし、いざ東京に引っ越して出社すると、そこは 空き店舗になっていた。同じビルに入…

秋川滝美「居酒屋ぼったくり おかわり!」(アルファポリス)

ぼったくりシリーズ番外編。本編が終わってしまって、残念だなぁと思って いたので、またその後が読めて嬉しいです。番外編と云っても、本編のその後 を描いているので、普通にシリーズの続編と銘打ってもおかしくはないと思う。 脇役キャラに焦点が当てられ…

我孫子武丸「監禁探偵」(実業之日本社)

我孫子さん最新作。すごいタイトルと表紙で、手にとった瞬間かなり面食らわせ られました。シュールすぎ^^; ネット検索してたら、映画化されていて、コミックスもすでに出ているらしい。 一体いつ映画が公開されていたのやら。全然知らなかったです。三話…

有栖川有栖「カナダ金貨の謎」(講談社ノベルス)

国名シリーズ第10弾だそうです。あれ、まだ10作目なんだ!って感じです。 火村シリーズはいっぱい出てるから、もっと出てるかと思ってたけど。 中編短編取り混ぜて5作が収録されています。うち二作はアンソロジーで 既読。どちらもまだ記憶に新しかった…

乙一「小説 シライサン」(角川文庫)

乙一さんの映画原作本。監督も乙一さんだそうで。いつの間に映画監督なんか やるようになったのでしょう・・・というか、久しぶりの乙一名義作品が 映画原作本って^^;その前はファンタジーだったし。なんか、乙一名義作品が 迷走しているような。 本書は…

歌野晶午「間宵の母」(双葉社)

歌野さん最新作。間宵家をめぐる、どこまでもダークな連作サイコミステリー。 ミステリーというよりも、もうほぼホラーに近い作風です。いやー、怖かった。 貴志祐介氏の『黒い家』のような、人間の狂気に怖気が走る作品です。 どの作品にも間宵家の誰かが出…

恩田陸「歩道橋シネマ」(新潮社)

恩田さんの最新短編集。こういうノンシリーズの短編集は久しぶりですね。 相変わらずの恩田ワールド全開。万華鏡のように、いろんなタイプのお話が出現 する。ほんと、イマジネーションの天才だと思う。 あとがきでご自身も触れてらっしゃいますが、全体的に…

秋川滝美「ひとり旅日和」(角川書店)

『居酒屋ぼったくり』シリーズの秋川さんの新作。タイトル通り、主人公が ひとり旅の面白さに目覚めて、次々とひとり旅をして行くロードノベル。 主人公の梶倉日和は、人見知りで要領が悪いせいで、せっかく入った会社でも 上司に怒られてばかり。落ち込む日…

有川ひろ「倒れるときは前のめり ふたたび」(角川書店)

有川さんの最新エッセイ。知らない間に、改名されてたんですね、有川さん。 浩さんからひろさんと、名前がひらがな表記になったそうです。改名の理由と 経緯も本書に説明されています。ひらがな表記だと男性作家と間違えられる ことは少なくなりそうですね(…

大崎梢「彼方のゴールド」(文藝春秋)

大崎さんの新刊。千石社のお仕事シリーズ第三弾になるようです。今回スポット が当たったのは、スポーツ誌『GOLD』編集部。入社三年目になる目黒明日香は、 スポーツの知識もろくにないのに、突然スポーツ誌『GOLD』に異動になって しまう。明日香がやってい…

恩田陸「祝祭と予感」(幻冬舎)

直木賞&本屋大賞W受賞作『蜜蜂と遠雷』のスピンオフ。またあのコンテスタント たちに会える!と楽しみにしていました。 本編のボリュームと対象的に、こちらは一瞬ページを開いた時に『児童書?』 と思ったくらい、文章が少ない^^;当然ページ数も少なく…

相沢沙呼「medium 霊媒探偵 城塚翡翠」(講談社)

相沢さん最新作。デビュー作から追いかけているので、新刊が出たら必ず 予約する作家さんではあるのですが、本書を図書館予約した後で、読書 メーターの今読みたい本ランキングの1位になっていたので、ちょっと ビックリしました。そんなに話題になっている…

奥田英朗「罪の轍」(新潮社)

奥田さん最新長編。600ページ近い大作なので、なかなか読むのに気力が 要りました。 東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年に起きた、幼児誘拐事件の経緯と 背景が描かれています。私は知らなかったんですが、どうやら実際にあった 事件を元に書かれ…

太田忠司「やっぱりミステリなふたり」(幻冬舎文庫)

氷の女王と呼ばれるクールビューティな刑事・景子とイラストレーターのイケメン夫 新太郎がタッグを組んで事件を解決する大好きなシリーズの最新作。 文庫だからもしかして過去に読んだ単行本の文庫化作品かも?とも危惧したんですが、 ちゃんと新作でした。…

大倉崇裕「アロワナを愛した容疑者 警視庁いきもの係」(講談社)

いきもの係シリーズ第五弾。今回は、三作の中編が収録されています。 なんか、一作ごとに、薄ちゃんの言葉の言い間違い度がどんどん 激しくなって行っているような気がするんですが。須藤さんがそれに どんどん慣れて行っているのが面白い(笑)。ノリツッコ…

青柳碧人「むかしむかしあるところに、死体がありました。」(双葉社)

図書館新刊案内でタイトル見て面白そうだったので予約してみました。予約後に、結構話題になっていることを知って(テレビで紹介されたらしい?)、早めに予約しておいて良かった~と胸をなでおろしたのでした(今は結構予約数が膨れ上がっているもよう)。…

伊坂幸太郎「クジラアタマの王様」(NHK出版)

伊坂さん最新長編。夢と現実がリンクする、ちょっとファンタジックな一作。夢の部分がコミック風の挿絵として挿入されていて、なかなか趣向が凝らされている作品でした。ただ、コミック部分がそれに該当する文章部分とちょっと離れて挿入されているので、最…