ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

燃え殻「ブルーハワイ BLUE Hawaii」(新潮社)

ついつい読んでしまう燃え殻さんの最新エッセイ。今回も、うんうんわかるわかる と思えるものから、それはどうなの燃え殻さん!ってツッコミたくなるものまで いろいろ。でも、どれもが燃え殻さんの人柄が忍ばれて、どれを読んでも 楽しいし、切ない。なんだ…

久青玩具堂「まるで名探偵のような 雑居ビルの事件ノート」(東京創元社)

久しぶりのミステリ・フロンティア作品。青春ミステリで連作短編集っぽかった ので、借りてみました。しかし、ずっと刊行予定作の欄に書かれている梓崎優 さんの作品は、一体いつになったら刊行されるのだろう・・・。次かな次かな、と いつも心待ちにしてい…

歌田年「紙鑑定士の事件ファイル 紙とクイズと密室と」(宝島社)

シリーズ第三弾。創刊二周年を記念して、紙業界誌『月刊KAMI-ZINE』に掲載された 懸賞つきクイズコーナー『紙人32面相の紙ってる!推理クイズ』が、紙業界内で 話題になっていた。紙人32面相なるオリジナルキャラクターが読者に推理クイズを 出題し、正…

中島久枝「しあわせガレット」(角川春樹事務所)

はじめましての作家さん。なぜこの本を手に取ったかというと、ただ単純に、 私がガレットという食べ物が大好きだからです(笑)。最近は全く食べてないの ですが、一時期はまって、いろんなガレット屋さんに行ってました。自分でも よく作ってましたし。そば…

町田そのこ「ぎょらん」(新潮文庫)

『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を獲り、人気作家となった町田さんの 初期作品。文庫化して図書館入荷されたのを機に借りてみました。人が死ぬ時に、 その人の近くに残されるという珠『ぎょらん』。その珠を口にすると、その人の 最後の願いがわかると…

千早茜「マリエ」(文藝春秋)

千早さん最新作(かな?)。結婚や夫婦について、いろいろ考えさせられる作品 でしたね。 主人公の桐原まりえは、40歳を目前にして夫から離婚を切り出される。夫の 理由は、『恋愛したいから』。好きな人がいるでもなく、恋愛したいという理由に 納得がい…

瀬尾まいこ「私たちの世代は」(文藝春秋)

瀬尾さん最新刊。この間の辻村さんに続いて、こちらもコロナ禍真っ只中の世の中 で生きる少女たちを描いた作品。こちらは、小学三年生の時にコロナが始まって、 がらりと人生が変わってしまった少女二人の視点から語られます。母子家庭で 育った冴は、母親が…

千早茜「透明な夜の香り」(集英社文庫)

少し前に読んだ『赤い月の香り』の一作目。前回読んだのが続編だと知らずに 読んだ為、文庫が新着図書に載っていたので、この機会に、と借りてみました。 前作で登場した謎の人物・一香が主人公として登場。なるほど、天才調香師の 朔と一香の過去には、こう…

辻村深月「この夏の星を見る」(角川書店)

辻村さん最新作。少し前にアンソロジーか何かでこの作品のスピンオフを読んで いて、本編を読めるのをとても楽しみにしていました。その時から良さそうな 雰囲気がぷんぷんしていたからね! いやー、期待に違わぬ良作でしたねぇ。これは、コロナ禍でたくさん…

三浦しをん「墨のゆらめき」(新潮社)

しをんさん最新作。出る情報を知らなかった為、図書館入荷してから予約したので、 かなり待たされました。 今回のテーマは書道ですね。最近、書道を取り上げた作品って多い気がするなぁ。 この間テレビでやってた『ばらかもん』でしたっけ?あのドラマも書道…

山白朝子「小説家と夜の境界」(角川書店)

山白さん最新刊。私は小説家のはしくれである。長年この職業に携わっていると、 様々なタイプの小説家に出会うが、彼らの中には、奇人・変人が多い。小説家は、 小説より奇なり――。私は、変わった小説家の話を聞くのが大好きなのだ――。 小説家にまつわる奇妙…

近藤史恵「ホテル・カイザリン」(光文社)

近藤さん最新刊。いろんな媒体で発表された短編をまとめたもの。アミの会の アンソロジーに収録された作品が多いので、蓋を開けてみたら、大部分が既読 だったという^^;内容あんまり覚えてないものも多かったから、普通に全部 読んじゃいましたけどね。多…

京極夏彦「鵼の碑」(講談社ノベルス)

はい。ということで皆さん。ついに、ついに、ついに!ですよ!!!出ましたーーー っ!発売から一月半ほど前でしたでしょうか。ブログ友達のKORさんから出る情報 を教えて頂いたのは。ええ、我が目を疑いましたとも。えっ、えっ、まじで!? まじですか!?…

森絵都「獣の夜」(朝日新聞出版)

久しぶりの森絵都さん。基本的には大好きな作家さんなのだけど、新作は読んだり 読まなかったりなんですよね^^;今回は短編集ということで読みやすそうだった ので、借りてみました。 児童書のイメージが強い森さんですが、本書はそういうイメージを払拭す…

畠中恵「いつまで」(新潮社)

一年に一度のしゃばけシリーズ最新作。本書で二十二作目だそうです。毎回、 マンネリにならないようにか、いろんな趣向で物語が展開していきますが、 今回は、タイムスリップもの。タイムスリップって、前にもなかったっけ?とも 思いましたけど、似たような…

下村敦史「逆転正義」(幻冬舎)

下村さん最新刊。王様のブランチで紹介されていて、これは面白そう!と早々に 予約してありました。ブランチで紹介されちゃったから予約すごそうだよなぁと 思ってたけど、思ったよりは早く回って来て良かったです。 うん、面白かった!正しいと思ったことが…

万城目学「八月の御所グラウンド」(文藝春秋)

万城目さん最新作。久しぶりに京都を舞台にした青春小説が二作収録されています。 どちらもスポーツを題材にしてまして、一作目は女子駅伝、二作目は野球。 どちらにもちょっぴり不思議な現象が出て来るので、万城目さんらしい少し 風変わりなスポーツ小説に…

恩田陸(飯合梓)「夜果つるところ」(集英社)

先日読んだ『鈍色幻視行』に出て来た作中作『夜果つるところ』を完全再現した 作品。カバー表紙と一枚めくった扉の部分こそ『恩田陸』名義になっていますが、 もう一枚めくると、著者名が『飯合梓』に(つまり、タイトルと著者名が書かれた ページが二種類あ…

三津田信三「歩く亡者 怪民研に於ける記録と推理」(角川書店)

三津田さん新作。また三津田シリーズなのかな、と思いながら読み始めたのですが、 予想に反していきなり刀城言耶の名前が出て来たので、えぇ、これって刀城シリーズ だったんだ!と嬉々としながら読み進めるも、読めども読めども言耶は出て来ない。 名前だけ…

碧野圭「菜の花食堂のささやかな事件簿 木曜日のカフェタイム」(だいわ文庫)

料理教室も開く靖子先生が作る、新鮮な野菜たっぷりの絶品料理が味わえる菜の花 食堂を舞台に繰り広げられるハートフルミステリー、第5弾。今回も、靖子先生 の菜の花食堂には、ささやかな事件がいくつも持ち込まれます。 『こころを繋ぐお弁当』 駅前通り…

倉知淳「恋する殺人者」(幻冬舎)

倉知さん最新作。倉知さんらしからぬファンシーな表紙に若干面くらいながら 読み始めました。内容も、倉知さんどうした?って感じのラノベ調で、更に 困惑。タイトルから、なんとなく想像出来る展開ではありましたので、語り手が 恋する殺人者視点になった時…

原田ひ香「まずはこれ食べて」(双葉文庫)

最近人気の原田さん。これは文庫で新刊入荷したみたいだったので、予約して みました。原田さんの作品は読みたいのがたくさんあるのだけど、予約が多くて なかなか借りられないのよね。これも結構待たされました。 大学の仲間同士で立ち上げたベンチャー企業…

道尾秀介「フォトミステリー」(ワニブックス)

以前に写真がオチになる作品を出された道尾さんですが、今回は、冒頭に一枚の 写真があり、そこから物語が発展していく形の作品集。短いので、一瞬で読めます (笑)。一回ですぐにそれとわかる作品がほとんどではありますが、何回読んでも ピンと来ない作品…

貴志祐介「梅雨物語」(角川書店)

貴志さん新刊。少し前に読んだ『秋雨物語』に続く、『雨』にまつわるホラー ミステリ集。趣の異なる三篇が収録されていますが、どれもそこはかとない 恐怖が漂っていて、貴志さんらしい良質のホラー作品集になっていると思います。 それぞれにテーマがあって…

米澤穂信「可燃物」(文藝春秋)

米澤さん最新作。米澤氏初の警察ミステリーじゃないでしょうか?一作目は アンソロジーで既読でしたが、こうしてシリーズ化されて一冊にまとまるとは 思わなかったです。 青春ミステリーで名を馳せた方とは思えない、なかなかに硬質な警察ミステリー。 そも…

「ほろよい読書 おかわり」(双葉文庫)

お酒にまつわるアンソロジー。「おかわり」とついているのでおわかりかと思い ますが、第一弾が存在します。そちらも寄稿作家はなかなか豪華なので、機会が あったら読んでみたいですね(織守きょうやさん、原田ひ香さん、柚木麻子さん 等豪華メンバーです)…

柚木麻子「オール・ノット」(講談社)

柚木さん最新刊。貧困学生の真央は、アルバイト先のスーパーで、試食販売員の 山戸四葉から温かいお茶をもらって以来、彼女のことが気にかかるようになった。 他の従業員に聞くと、彼女が試食販売に立つと商品が良く売れるらしい。真央が、 勇気を出して彼女…

奥田英朗「コメンテーター」(文藝春秋)

17年ぶりに復活したトンデモ精神科医・伊良部シリーズ最新刊。めちゃくちゃ 楽しみにしていました。いやー、17年のブランクなんて何のその、めっちゃ 面白かったです。伊良部のトンデモぶりは全く変わっておらず、マユミちゃん のぶっ飛びクールビューテ…

久保りこ「爆弾犯と殺人犯の物語」(双葉社)

これも、王様のブランチで紹介されていた作品。あらすじ聞いて、面白そうだなぁ と思ったので予約してありました。ブランチで紹介された後だったから、予約 結構多くて待たされたな。まぁ、かくいう私もそれに乗っかる一人なんだけどさ (苦笑)。 いや、面…

標野凪「本のない、絵本屋クッタラ おいしいスープ、置いてます」(ポプラ文庫)

少し前にこの作者の、喫茶ドードーシリーズの二作目を読んだのですが、同じ時期 に予約してあった作品。なんとなくほのぼのして面白そうなタイトルだったので 予約してありました。 札幌にある『本のない絵本屋、クッタラ』は、文字通り本を置いてない絵本屋…