ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

は行の作家

ほしおさなえ「紙屋ふじさき記念館 春霞の小箱」(角川文庫)

シリーズ第5弾。主人公の百花がバイトする紙屋ふじさき記念館の閉館まであと わずかとなり、記念館の閉館イベントの準備や、最後のワークショップの企画立案、 川越の活版印刷所との冊子作りなど、慌ただしく日々は過ぎて行く。記念館閉館後 のバイトのこと…

東川篤哉「スクイッド荘の殺人」(光文社)

なんとなんと、シリーズ13年ぶりの新刊だそうです。そういえば全然出てなかった ですよね。東川作品の新刊読む度に、あー、次は烏賊川市シリーズがいいな~とか 言っていたような。今回、満を持しての最新長編。 ファン待望の新刊ということで、サービス精…

東野圭吾「マスカレード・ゲーム」(集英社)

シリーズ第四弾。前回の事件から数年が経っている設定。新田刑事は出世して 警部になり、殺人事件の捜査の指揮を取るほどにまでなっています。新田たちは、 最近起きた三つの殺人事件の共通点に着目し、これが連続殺人事件であることを 突き止める。三つの殺…

ほしおさなえ「言葉の園のお菓子番 孤独な月」(だいわ文庫)

26歳で勤めていた書店が閉店し、職を失った一葉は、亡き祖母が参加していた 連句会『ひとつばたご』で祖母の代わりにお菓子番を務めることに。月に一度 祖母が指定していたお菓子を買って、連句会に参加するのが楽しみになっていた。 その傍ら、書店員時代…

古内一絵「二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ」(東京創元社)

マカン・マランシリーズの古内さんの新刊。買収が決まった老舗の映画会社に 勤める人々が、DVD宣伝部が仕掛けた最後の企画を成功させるべく奔走する姿を 描くお仕事小説。 読み終わってネット検索して初めて知ったのですが、これ、続編だったようでして。 た…

東川篤哉「探偵少女アリサの事件簿 さらば南武線」(幻冬舎)

シリーズ第三弾にして、最終巻(らしい)。南武線沿線を舞台に繰り広げられる、 天才探偵美少女とポンコツ便利屋コンビの事件簿。 二人のやり取りが好きだったので、シリーズ終了は寂しい。ラストで、突然アリサが 南武線沿線の自宅から、某国へと旅立つこと…

平山夢明「八月のくず 平山夢明短編集」(光文社)

久しぶりの平山さん。新作出ても、あんまり図書館入れてくれないから、ポロポロ 読み逃しがあるんですよねぇ。ほんとは、全部読みたいんだけれども。これは 単行本だからなのか、図書館入荷してくれて良かったよ。 いやー、初期作品を彷彿とさせるような、め…

ほしおさなえ「菓子屋横丁月光荘 丸窓」(ハルキ文庫)

シリーズ第四弾。和紙のシリーズと平行して、コンスタントに続きが出てますね。 どちらのシリーズも大好きなので、間を空けずに読めるのはとても嬉しい。そして、 三日月堂シリーズも併せて、三つのシリーズがすべてお互いにリンクしているところ も嬉しいで…

ほしおさなえ「紙屋ふじさき記念館 故郷の色 海の色」(角川文庫)

和紙の良さを現代に伝える、シリーズ第4弾。コンスタントに新作が出るので、 物語が進んで行くのに合わせて、大学生の主人公の成長がリアルに伺えるのが 良いですね。大学三年になった百花は、少しづつ自らの進むべき道について 考え始めて行きます。心の中…

東川篤哉「居酒屋「一服亭」の四季」(講談社)

『純喫茶「一服堂」の四季』の姉妹編という感じ。最初タイトル見た時、ものすごい 既視感があって、あれ?と思ったのだけれど、探偵役の名前見て思い出しました。 でも、あの作品のラストって・・・と思っていたら、『二代目』安楽ヨリ子さん となっていまし…

本多孝好「アフター・サイレンス」(集英社)

久しぶりの本多作品。タイトルから内容が想像しにくかったですが(これは氏の 作品では珍しくないけど)、とても良かったです。警察内にある、犯罪被害者 やその家族のアフターケアを専門に請け負う、心理カウンセラーの高階唯子の 活躍を描いた連作集です。…

東野圭吾「透明な螺旋」(文藝春秋)

東野さん最新作。ガリレオシリーズ最新作にして、第十弾になるようです。シリーズ の中では、ちょっと異色の一作と云えるのじゃないでしょうか。まず、いつもの ような物理や科学を使ったトリックが出て来ない。どちらかといえば、人間 心理の方に寄せた物語…

畠中恵「もういちど」(新潮社)

東京バンドワゴンシリーズ同様、年に一度のお楽しみシリーズ。シリーズ第20弾 だそうで。もうそんなになるんですねぇ。これだけ出ていると、さすがにネタ切れ してきそうだなぁと思っているのですが、毎回、こうきたか!という、いい意味で 意表をつかれた…

東川篤哉「野球が好きすぎて」(実業之日本社)

東川さん最新作。タイトル通り、今回は野球に特化したミステリー。野球好きの 東川さんらしい作品集だと思います。正直、私個人は野球ってあんまり興味が ないので、作中のマニアックな野球うんちくには少々辟易したところはありました。 まぁ、野球興味ない…

ほしおさなえ「言葉の園のお菓子番 見えない花」(だいわ文庫)

ほしおさん最新作。今回もとっても素敵な物語だった。最近のほしおさんの作品は どれも外れがないなぁ。連句という、日本ならではの文化をとても大事に伝えて くれる作品だった。最近はテレビの影響から俳句ブームで、俳句は世間の人にも 馴染み深いものにな…

古内一絵「最高のアフタヌーティーの作り方」(中央公論新社)

マカン・マランシリーズの古内さんの新刊。老舗の桜山ホテルに勤める遠山涼音は、 入社七年目にして、ようやく念願だったアフタヌーンティーチームに異動することが 出来た。桜山ホテルのアフターヌーンティーの開発を手掛けることが夢だった涼音は、 早速張…

東野圭吾「白鳥とコウモリ」(幻冬舎)

東野さん最新長編ミステリ。若干予約に乗り遅れたので回って来るのに時間かかり ました。東野さんの作品は発売日に予約しても絶対一番手にはなれないもんなー。 今回は発売日予約出来なかったから仕方がない。 久しぶりに総ページ数が500超え。なかなかの…

ほしおさなえ「紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆」(角川文庫)

シリーズ第三弾。和紙の奥深さを感じさせてくれるこのシリーズ、今回も新たな 和紙の魅力満載で素敵でした。今回は、主人公百花が、母親の実家・長野県の 飯田市を訪れるお話からスタート。百花は、飯田は水引の産地で、百花の祖母・ てるは、若い頃水引を作…

東川篤哉「新謎解きはディナーのあとで」(小学館)

久しぶりのシリーズ最新刊。もう続編出ないかと思っていたので、嬉しいです。 読み始めて、そういえば前作の最後で風祭警部って異動したんだっけ、と思い出し ました。それがあったから、もう続編出ないと思ったような覚えも。しかし、随分と あっさり国立署…

濱岡実「ひまわり探偵局でお茶をⅡ 夏の足音」(文芸社)

先日に続けて新刊第二弾。こちらは二作が収録されています。後半の方は語り手が 中学二年の小高真鳥ちゃん。初期作品に出て来たキャラクターですが、なんとなく 名前を覚えている程度でした・・・^^;一作目冒頭から登場してますけどね。 一作目は通常スタ…

濱岡実「ひまわり探偵局でお茶をⅠ 春の記憶」(文芸社)

とっても久しぶりのひまわり探偵局シリーズ。二冊同時刊行だったそうで、もう一冊 あるみたいです。実は、図書館の新刊案内で見かけた時、昔に出た作品の新装版 なんじゃないかと疑っていました。文庫ではなさそうだけど、どうなんだろうと。 まぁとりあえず…

東野圭吾作家生活35周年実行委員会編「東野圭吾公式ガイド 作家生活35周年ver.」(講談社文庫)

たまたま東野さんの新刊と一緒に回って来た、東野さんの作家生活35周年を記念 して刊行された公式ガイド集。 今まで出版されたすべての作品の自作解説が入っていたり、読者による東野作品 人気ベスト10なんかも収録されています。東野さんの作品をまるっ…

東野圭吾「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」(光文社)

東野さんの最新作。コロナ禍の日本の地方都市で起きる殺人事件が題材となって いて、しっかり今の世相を反映させている感じ。小説家も今の時代に合わせて 作品を書いていかないといけない、というメッセージにも思えました。既存の シリーズ(加賀シリーズ、…

ほしおさなえ「菓子屋横丁月光荘(3) 文鳥の宿」(ハルキ文庫)

川越の街を舞台に、家の声が聞こえる青年・守人の成長を描いたシリーズ第三弾。 前作で出て来た、二軒屋が再び登場。同じ造りで二軒隣り合っていた家の片方が 焼けてしまって、一軒屋になってしまった二軒屋の片割れだったが、昭和の生活 を紹介する資料館と…

古内一絵「お誕生会クロニクル」(光文社)

マカン・マランシリーズが大好きだった古内さんの新作。お誕生会にまつわる 七編の短編集。各作品の主人公は違いますが、微妙に人物関係がリンクしています。 どんな人にも誕生会の思い出があって、それぞれに共感出来たり、反感を覚えたり、 いろいろと考え…

ほしおさなえ「紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー」(角川文庫)

日本橋にある、和紙に関する記念館『ふじさき記念館』でアルバイトすることに なった女子大生の百花を主人公に、和紙に関わる出来事を描いたシリーズ第二弾。 今回も和紙の奥深さを存分に感じられる三話が収録されています。今回百花は、 和紙の故郷・美濃市…

東川篤哉「谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題」(角川書店)

東川さん最新作。なんか、次から次へと新しいシリーズを立ち上げているような。 それとも、シリーズ化するつもりはないのかしらん。今回は、下町の谷中を中心 にした、谷根千(谷中・根津・千駄木エリアをこう言うらしい。東京出身だが 知らんかった^^;)…

畠中恵「いちねんかん」(新潮社)

年に一度のしゃばけシリーズ最新刊。もう第19弾だそうな。ってことは、19年 以上連載してるってことになるのかな。すごい~。もうライフワーク状態なんで しょうね。こうやってのんびり続けて行って頂きたいなぁ。 前作で大病を患った若旦那(一太郎)の…

ほしおさなえ「紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード」(角川文庫)

ほしおさんの新シリーズ。今度は東京日本橋の、和紙の記念館が舞台。紙や紙製品に 魅せられた女子大生と、和紙の記念館の館長を勤める気難しい青年が織りなす ハートフルストーリー。 和紙の奥深い世界が垣間見られる作品で、活版印刷三日月堂のシリーズとは…

東川篤哉「君に読ませたいミステリがあるんだ」(実業之日本社)

東川さん最新刊。鯉ヶ窪学園が舞台ですが、既存のシリーズの登場人物はほぼ 出て来ません(一部重複しているキャラも出てたみたいですが、私は全然気づかな かった・・・^^;;)。 入学したての春、間違えてうっかり部員ひとりの弱小文芸部に迷い込んでし…